中国元のスパイラル暴落を仕掛けるアメリカ敵対国通貨戦略 | 木村佳子のブログ

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アメリカの関税政策にばかり目を奪われてると見えないモノがあります。

アメリカ

が関税で何をしたいのか?

 

それは敵対国の通貨暴落でしょう。

 

トルコリラの有様を見ると、これが中国元になった時の恐ろしい展開が想像され、待ちに待った買い場が創出されるのではないかと思います。

 

アメリカは敵対国に関税をかけたり、引き上げたりします。

関税をかけられた国は

現地で100ドルで売りたい製品が125ドルという状態になり、現地での価格競争に負けます。

しかし、輸出で得られる利益幅は関税引き上げ前と変わらないため、輸出不振という結果となり、国内経済にマイナスとなります。

 

報復としてアメリカ製品に関税をかけると、

今、中国の食糧自給率は畑をつぶして近代化を図ったことによって、急速に衰えているので、アメリカ産大豆、小麦、大麦に輸出余剰を持つアメリカ産を買わざるを得ない。すると関税分、輸入物価が

が上がってインフレ化します。

 

インフレ国の通貨は安くなるため、「元」を維持するため、金利を引き上げると

借金漬けの企業や個人は資金余力がなくなるばかりか破綻のリスクも高まり、企業活動は不活発になり、個人消費も衰えます。

 

しかもトルコリラ不安でユーロ圏の金融機関のエクスポージャー(金融商品の市場変動リスク)が強く意識されます。すなわち信用不安が高まるわけです。

 

すると世界のマネーはどこを目指すかというと

アメリカに向かうことになり、

アメリカはFOMCで政策金利を引き上げなくても勝手に金が集まってくることになります。

 

敵対国は

関税合戦で自国通貨の価値は値下がりし、

輸入物価上昇で金利引き上げをせざるを得なくなり、

すると借金経済は回らなくなり、

国内に不満が高まり、

トップは失脚可能性が高まる、

と踏んだり蹴ったりになるわけです。

 

すなわち、トランプ大統領のもと、習近平体制はツマされるリスクが高まってきていると観ていいのではないでしょうか。

 

後釜には李克強氏が最有力ではないかと思います。

このトピックに関する動画も作成しましたのでご覧くださいね。

 

木村佳子の経済都市伝説 BSE、鳥インフル ワクチンビジネス~製薬業界の闇

 

さて、一連の作戦をぶれずに遂行しているトランプ大統領はバカで愚か者ですか? トランプ大統領は気分屋で何をするかわからないと言っている意見には「それはあなたの戦略リテラシー理解度が低いからでしょう」といわざるを得ないですね。

 

ただ、こうした流れはトランプ大統領が選出される前の2014~2015年ころから本格的に作られてきたと私には思えます。

というのも、元外資にいたアメリカ・ウオッチャーの知人は当時からアメリカ株はヒストリカル・ハイ(歴史的高値)で、そのことの「不思議」を指摘していました。そのころから、1990年から続いてきた中国へのマネー潮流からアメリカにお金が向かう流れが作られていたんだろうと思います。

 

だから、アメリカ株はなお、展開力ありとみてよいでしょう。

詳しくはヤフーファイナンス木村佳子のコラム

に寄稿しましたので是非読んでくださいね。

 

 

そして、日本はTPPに拘泥せずにFTAでアメリカと付き合ったほうが今はいいのではないでしょうか。

セーフティネットとしてTPPという考え方も第二の「元」「トルコリラ」にならないためには必要かもしれませんが、今はアメリカへのマネーの流れに伴走して、余剰が日本に向かう道のほうが有利ではないかと思います。

 

下げには果敢に!

 

8月30日は名古屋今池・レオバレス会場、

詳細とお申し込み先です

9月1日は四万十・中村の東洋証券で講演させていただきます。

今後の個人投資家向け 木村佳子の講演予定

 

 

講演会場の雰囲気を知っていただくために先日の札幌講演の模様をお届けします。

ぜひ、ご一緒に今後の経済動向と資産運用チャンスについて研究しましょう!