電車の中で20歳代後半と思える体格のいい女性がむさぼるように新書を読んでいました。
中身をちらっと見ると
「投資をすると世界がわかる!」
みたいな見出しがついていました。
別のカフェに行くと、隣の席でやはり20歳代の化粧気のない女性が熱心に本を読んでいました。
ちらっと中身を見ると「証券アナリスト試験」のテキストでした。
おもわず、声をかけたくなりましたが、かじろうて思いとどまりました。
この世界はそんな甘いもんじゃないですよ、誤解を承知で言えば、女性の究極の投資信託は子供ですよ、と。せっかくそれができるのに、その子供を産める体という素晴らしい自然界の自分の能力、いわば資源を生かすことをすっ飛ばしてはいませんか? と。
自分が手にしている最高の資源に目を向けることも必要ではないかと。
投資の世界はそれはそれで素晴らしいとしても、自分の持つ若く素晴らしいこの時期に、投資にのめりこむことがあるとするなら、ご用心をと。浦島太郎の物語は女性版もあると思います。子供が産めない年齢になってから、いろいろ気がついても、ことと子供に関しては男性と女性では全く話が違ってきますよと。
もちろん、女性でバリバリ、投資して成功している人、アナリストとして名を成している人もたくさんいます。
投資の世界は知らないよりも知っておいてもいい世界ではあるかもしれません。
しかし、難しい問題も多く、
投資の世界は突き詰めればプロセスでの成功は他人の儲けのために利用されている構図になりがちで、
行動力のある人はよくよく利用されないように注意しながら投資していかないと、地雷を踏みかねませんよと。
何もかもよくわかって投資できるには相当の熟練を要し、その熟練のためにかなりの心血を注がなくてははならないですよと。
子供はそれでも15年か20年ほどで自立してくれるけど、
投資が子供のように手間がかからなくなることは少ないから、
大変ではありますよと。
それでも船出する勇気と決断ができるなら、惜しみなく知っていることは聞かれたら教えたいと思いました。
何店舗も経営していたある商売人の社長、会長が言っておられたのは、
「商売はお金持ちが生き残れる世界」
ということでした。
「プロセスで大奮闘し、プロセスで成功しても、最終的にはここ一番という時のお金に困って無理をする。その時、力のない人はつぶれ、お金持ちは残れる」
と。
これは株式投資も全く同じです。
個人投資家は零細企業の社長と同じです。ここ一番というときに残れるかどうか、かじ取りが難しい。
そして、社長らはこうも言っておられました。
「商売を続けることができるモチベーションは人を喜ばせることが好きかどうか。いわばボランティア。それができないなら、けがが少ないうちに戦略的撤退。後で振り返って、自分はよく戦った、人に大迷惑をかけないで、無事にここまでこれたとしみじみと思えればその商売はまあうまくいったほうだ」
と。
投資で世界がわかる!と煽られて、よーし!世界がわかったろうではないかと腕まくりして人の儲けに利用されないように。
証券アナリスト。尊敬すべき立派な人たちを何人も知っていますけれど、こちらも甘い世界ではないですよ。
頑張る人に奇跡は起こる。それもありますけれど。