5月6日フランス大統領選挙~オランド氏リード~ユーロの明日に影響か | 木村佳子のブログ

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ユーロの動向を左右しかねないフランス大統領選挙。

時事通信ではオランド氏がわずかにリードしているようです。

オランド氏リードを伝える時事通信

何しろサルコジ大統領はロシアのプーチン氏と並んでユーラシア大陸きっての実力者。

この2人の役者がそろえばアメリカは結構、やりにくいはず。

今後の国際情勢、ひいては通貨の行く末をにらんで世界が注目している選挙。

連休中も注目しておきたいトピックです。


ユーロ圏では来年、ドイツ・メルケル首相も選挙を控えていて、その去就が気になるところ。


仮にフランスにオランド氏が当選し、ドイツのメルケル氏が敗退ということになると、またぞろ、ユーロの不安定材料の復活ともなりかねませんね。


さらにひたひたと脱・中国化が進んでいる点にも注目です。

日本などアメリカと同盟を結んでいる、もしくは友好的な国で進んでいる脱中国。

脱中国の背景にはアメリカの中国包囲網作戦があるからだと推測します。

なぜゆえ、アメリカが中国を包囲網しはじめたかというと米ドル資産一辺倒からユーロ資産に分散し始めたあたりから、という印象があります。


さて、その中国は資源輸出国でもあり、我が国は中国からレアーメタルを調達していますが、この度、インドからも調達する道を外交で開こうとしています。もっか玄葉大臣がインドとの交渉テーブルについているのは報道されている通り。

まっさらなまま、外務大臣に就任した玄葉さんはヒラリー・クリントン国務長官の薫陶を受け、覚えめでたく、アメリカと意思疎通が良好な様子。インドからレアメタルを買う道を開いておくのはいずれ、中国との関係が厳しくなる日に備えてのことだろうと思います。


インドにしても対中防衛に熱心な国。日印で脱・中国化推進はアメリカにとっても戦略にかなったことなのでしょう。


加えて中国と国境を接するミャンマーにもこたび国連が手を差し伸べることが決定。国連は「ワシントンコンセンサス」を形成する一角ですから、それもアメリカの意思とみなすことができると言っていいでしょう。

アサヒコムの記事です。リンク切れの場合はご容赦くださいね


そうやって進んで行くドルの世界の基軸通貨としての地位確保、ひいてはアメリカが世界の覇権国家であり続けるための戦略だと思います。


そして東日本大震災後の日本で脱・原発の世論の流れにのっかって日本はアメリカからシェールガスを購入推進。それは結構なことですが、クリーンエネルギー推進という日本人の精神的部分までうまく誘導されているように感じ、マインドコントロールまでされている感じがぬぐえないのがチョイとシャクではあります。


ちなみにこうした推進は日本の商社、特に三菱商事が熱心で、さらにいえば、クリーンエネルギー推進はオバマ大統領の属する民主党施策の流れに沿っているようです。そうしたオバマ大統領の施策に力を与えているのが、シンクタンク・バテル研究所で、このバテル研究所は三菱商事と連携しているのです。

バテル研究所と三菱商事の連携の資料

すでに2006年から動きは始まっており、ブッシュ大統領任期満了後のアメリカの戦略はもっと前からオバマ大統領再選も視野に入れて進んできたといえます。

バテル研究所とオバマ大統領のクリーンエネルギー問題との関連



よく東日本大震災で東京電力福島第一原発が津波にやられた際、アメリカからどんどん人が来たことにいろいろ思惑が持たれるのはあまりにも見事な筋書きの流れとリンクしているからと言えるでしょう。


また、バテル研究所出身の人や関係者は日本の内閣府にそれなりにくいこんでいるようです。出身者を検索すると出てくる人たちの震災前後の行動を振り返ると、随分、アメリカのクリーンエネルギー推進に寄与したなという印象を受けます。

これが軌道に乗れば、日本人のためというより、アメリカ国民の雇用促進に寄与し、オバマ氏再選に弾みがつくと言う点で「豊かなのになぜ日本人は幸せを感じられないか」という部分への一つの回答になると思います。


哀しいなと思うのは私たちが真心から脱・原発を掲げたり、安全なエネルギー政策を願う「気持ち」をなんだか巧妙にどこかの国の商売に結びつけられていく点です。


みんな利害と結びついてしまう。


こうしたことをナオミ・クラインは「ショックドクトリン」という本にまとめてくれています。

ショックドクトリンとは一言で言うと火事場泥棒みたいなこと。

人の弱みにつけこんで、とも言いかえることができます。


さて、さて。


シェールガスはアメリカの軍事上、極めてメリットの高い資源として注目です。


これまでは中東のオイルマネーがアメリカの証券投資に流れ込み、アメリカは株高で企業が潤い、国債の消化もできました。


ところがオイルが上がるとイランやロシア、中国も潤うことがアメリカには頭痛の種だったといえます。

シェールガスでいち早く世界のエネルギーの流れを押さえれば、悩ましい構図には陥らないで済むと言えます。


しかし、親日派のカタールからも安い天然ガスを購入できるのですから、日本が世界一高いシェールガスを買うことになるのはいかがなものかとアメリカの学者からは指摘されています。


マネーパートナーズの為替コラム にも関連事項を書いていますのでよかったらお読みくださいね。