ある意味、お金は単なる紙です。
人が相互にその紙切れに共通の「信用」を認めて初めて「通貨」として通用するわけです。
仮に何億円あろうとも、それで買えるものがなければ意味がないし、相手がその金を金と認めず、別のモノを要求すれば、欲しいものは手に入りません。
では、われわれ日本人は何かを買うとき、何が必要かといえば目下は円です。
ドルそのままでは地方の一軒家を買うことはできないし、野菜を農家さんから買うこともできない。
外国の人が日本に来て、ドルのまま買い物できればいいなと考えるだろうと思いますが、日本人はその通貨を自国の通貨でとらえなおさないと、外国人が差し出す通貨でモノを売ったりはできないということです。
だから、円がすぐなくなることは考えられません。
しかし、用心しなければならないのは第二次世界大戦後のどさくさに新円切り替えが強行され、今の紙幣は新円に切り替えなければ価値が何分の一かになる(つまりは紙くずになる)と公示され、それを知らなかった国民は財産を失ったという史実があります。
形を変えて、今、同じようなことがなされようとしていないか、何か既視感を感じます。
誰かが何かを意図してしていることを意味するものではありませんが、
東日本大震災は地域全体が大ダメージを受けたという点で、過去の原爆投下された広島、長崎とならぶ大災害です。
おりしも、首都圏直下型地震到来の可能性を指摘した研究者がいらっしゃいましたが、もしも、今後、首都圏がやられたら大変です。
仮に戦争で阪神がやられ、東北がやられ、首都がやられたとすれば、敗戦も同然の相当なダメージです。
どうも、自然災害だから、と受け止めてしまいがちですが、国土の痛み方を感じるために、あえてこれを戦時と置き換え日本国土を俯瞰すれば国土の痛み方が大変なことになっていると認識できるのではないでしょうか。
敗戦のどさくさと今の日本の状況は似ています。
こんな時にバタバタと大事なことが決まっていくことが多いのです。
国民背番号制度
消費税引き上げ
TPP
この、大事なことが敗戦後のどさくさと同じような状況の中で国民がサイレント。不思議なくらい何の国民的議論も起こっていません。
人は大災害や何かショックなことと遭遇すると沈黙したり、虐待するものから立ち去れない(羊たちの沈黙)とか、虐待する側にシンクロして、そちら側に同調することによって保身を図るという傾向を見せるようですが、
しっかりと、目を見開いて、聞く耳を立てて、何が決められようとしているのか注意しましょう。用心しまょう。
敗戦にも似たどさくさに、過去の戦後処理のようなことがなされたら?
さまざま欧米に追従するビジネスモデルや生活モデルを無批判に取り入れるような、ある種、洗脳のような状態に置かれたら?
きっと、「ああ、あの時が!」と後で後悔しないように、こういうときほど、国際情勢や政治に関心を持ち、国民でモニターしていきましょう!
さて、タイトルに掲げた「TPP加盟で共通通貨が創設されたときの日本のギリシャ、スペイン化の問題」について。
今、スペインで起きていることは何か。
もし、これをこうなるように仕掛けたのだとするならば、うならざるを得ませんが、
スペインではユーロを使っているのはご存じのとおり。
それがあだになっているとのことです。
つまり、共通通貨ユーロでスペインが何をしているかというと自国の国債を買わず、ドイツの国債を購入しているのだそうです。
するとスペインはファイナンスできませんよね。
だから金利が上がる。
だから借金が雪ダルマになる。
このスキーム、日本にも起こり得ることだと思いませんか。
ユーロと同様、TPPでアメリカ主導の共通通貨を持つと仮定して、
ちょうどそれが流通し始めたとき、日本は少子高齢化で、財政事情が悪くなっており、日本の金融機関、国民は日本国債でなく米国債を志向するようになれば、借金大国アメリカは日本国民によってファイナンスでき、低金利を維持しつつ、反映できる・・・・・。
いや、そうなったら実にうまい仕組みです。
つい、「円を守れ!」と叫びたくなるのは私だけでしょうか。