4月の初旬にカリフォルニアの州都サクラメントで開催のアメリカ物理学会4月総会のテーマは素粒子・宇宙タイトルは"Quarks to Cosmos"
これは是非とも参加したい
思い立ったら突き進むのもいいかも
と決心して
飛行機に飛び乗って
サンフランシスコに向かいます
こういう思い切りは、昨年の胃がんで死に一度近づいたことによる人生観の変化かもしれない死ぬまでにやりたいことを全部やり切りたい
ただしその死は実はいつ訪れるか分からない
西海岸上空に着いたので、窓を開けると、眼下に Golden Gate Bridge サンフランシスコに家族で来たのは2011年の夏
サンフランシスコ空港から車で
シリコンバレー~ヨセミテ~レイクタホとグルっと回って、ここサンフランシスコに戻って来たのでした
橋のたもとで買ったマグカップやクパチーノのAPPLE本社で買ったAPPLEロゴ入りのシャツは今でも活躍中
飛行機は、スタンフォード上空からサンフランシスコ湾に出てグルっと回って着陸スタンフォード大は Caltech に留学している時に一度訪れたことがある
って、かれこれ30年前
中央のフーバータワーは変わらないが
佐々木麟太郎君
も入学するし、少し校風が変わったか
まずBARTレッドラインで、空港から終点のリッチモンドまで最初はレンタカーを考えてたんだけど、都内に引っ越して車を売っ払って、かれこれ7年、車を全く運転してないので自重
SuicaみたくWallet でチャージ出来てメチャ便利
BARTは1972年に海底トンネルで市街地と対岸のオークランドを結ぶ路線が開通
2003年に空港まで延伸
30年でかなり便利になってる
そしてAmtrakの Capitol Corridor でリッチモンドからサクラメントに向かいますこの列車もネットで予約できて便利
電車待ってたら突然、ホーム真横を貨物列車が超スピードで通過
トルストイ「アンナ・カレーニナ」を思い出し、ゾッとするすみません、読んでません、村上春樹「かえるくん、東京を救う」の受け売りです
この村上の掌編が新海誠監督に「すずめの戸締り」をインスパイアさせたかも
コンテナの文字はドカベン山田太郎なら読めるだろうな
北風が強くて、サン・パブロ湾もこんな感じで波高しさっきリッチモンドで乗り換えの時には寒かったけど、もう4月だし、そのうち温かくなるだろうと、この時はたかを括ってました
サンフランシスコ空港の入国審査でメチャクチャ分厚い防寒服を着たおじさんが列の前にいて「よっぽど極寒の国から来たんだな
フィンランド?アイスランド?」とか思ってたけど、サクラメント・バレー駅に降り立つと「おじさん、正解
」とうなずいてしまうほど寒い
何これ
朝のニュースでサクラメントの最高気温は51°Fったら10℃で RECORD COLD HIGH TEMP1975年以来49年ぶりの最高気温の最低記録更新だ
一応ヒートテックのトップスは持ってきて最低限の防寒対策は出来てるけど…最終日は会場で買ったTシャツで過ごそうと思ってたのに
大きなコンベンションセンターで開催される APS=American Physical SocietyのApril Meetingにやって来ました「Big Bang Theory」
に出てきそうな素粒子・宇宙物理学者ら約2000人が一堂に会して、20くらいに分かれたSessionで様々な分野の最新の研究状況を報告してます
APS memberになってかれこれ25年、最近はいろんな意見を聞くメールが来るようになった
そんな中、金曜の朝一、Kavli Foundation Keynote Plenary Sessionで講演したのが、テレビでも有名な、カリフォルニア大学バークレー校の村山斉先生タイトルは「高エネルギー物理学の新たな挑戦と大きな課題」
カヴリ財団はノルウェーの実業家Fred Kavliが創設した、科学の進歩を援助する財団で、東大にも村山先生が機構長を務めた数物連携宇宙研究機構があります
講演内容は「量子宇宙を探索する」左がミクロの領域で「量子領域の暗号を解き」、右がマクロ領域で「隠れた宇宙を解明する」
そして、真ん中でその二つが交わって、新しい素粒子の発見やダークマターの解明による「物理学の新しいパラダイムの探求」が続けられているのです
私たちはどのようにして出来たのかビッグバン直後に起こったインフレーションの間の量子揺らぎが物質分布の濃淡を生み、それが銀河形成につながり、星の内部で鉄までの元素が造られ
恐らく中性子星の合体現象で金・プラチナ・レアアースなどが合成され、現在の宇宙になった
ただ最新の研究では、現在の宇宙膨張速度を説明するため、ダークマター・ダークエナジーが導入され、その見えない「モノ」の割合が宇宙全体の96%を占め、見えてる物質はたった4%って昔のエーテルみたいだ再びアインシュタインのような天才の出現を待たねばならないのか
しかし村山先生の英語は極めて流暢だほぼ30年間=人生の50%を米国で暮らして日々喧々諤々英語で議論してれば、このくらいのレベルになれるのか
留学2年+米国出張で滞在日数は1000日を超えたけど、人生の5%の細切れ滞在だと、なかなかこのレベルには到達できない
Sessionが終わって、1987年開店の有名寿司店のMikuniに来ると夕方の早い時間にもかかわらず超満席
さすがの日本食人気だ
寿司バスを走らせたり、ポイント制を導入したり、なかなかのやり手だ
1985年移住の荒井幸喜・小路夫妻によって創業され、大成功を収めたんだ
頂いたのは、海鮮丼$32とIPAビール$8
計$40+チップ$10=7500円
なかなか美味
まあ豊洲にオープンの千客万来のインバウン丼が6980円ってことなので、適正価格なのかな
すごいボリュームで、1年前に2/3切除した胃が超満杯になって、腹を抱えつつホテルに帰る
最終日の最終Sessionに登場したのが UC Davis のSteven Carlip教授これまでのSessionで、シワシワシャツの爺さんが質問してる
と思ってたら Distinguished Professor=特別教授で
一番興味あるテーマを研究されてる先生だった
この後、一転、尊敬の眼差し
で質問して、帰りのAmtrakでも一緒になって、かなりの時間、お話しすることが出来ました
リタイヤ後、研究でいい成果が出せそうだったら、先生のいる UC Davis でしばらく研究させてもらおう
BARTでベイエリアまで戻って来ると、UCBの山上に、ローレンス・バークレー国立研究所Earnest Lawrenceがサイクロトロンを発明した研究所で
加速器物理学発祥の地ってことだ
磁気の力で粒子を閉じ込めてグルグル回して加速させ、ターゲットに衝突させるPreciseな実験って不器用なきむきむには絶対無理
なので、紙と鉛筆の世界で生きて行こうと思ったのだ
対岸のオークランドからサンフランシスコの中心街が一瞬見えた今回は時間が無くて
どうも治安が悪化してるみたい
なので、立ち寄るのは止めにした
テック企業の集まるこの街のオフィスワーカーがCovidでリモート勤務するようになり、そのまま戻らない状況で、昨年末のオフィス空室率が全米主要都市最悪の36%となり、店舗が撤退する負のスパイラルが継続中
というわけで、七瀬丸が山田君と結婚したニュースを受け帰りの便は「浜辺美波祭り」だ
「君の膵臓をたべたい 」を初めて見て号泣してしまい、さらに4回目の「ゴジラ-1.0」を見て
再びうるうると涙ぐんでしまった
美波ちゃん、この手の薄幸の役を完璧にこなしてる
思い切って出席してよかった、いろんな新たなインスピレーションが得ることが出来たと大変満足しているきむきむなのであったCarlip教授に "See you at the next meeting in Anaheim" と言って別れたので来年も行く気満々だ
次回、何か発表できるように頑張って研究しよう