「イマーシブ・フォート東京」の有料コンテンツの1つ、「シャーロック・ホームズ」の物語を約3000㎡もの広大なフロアにて体感するイマーシブシアター。
3000㎡と言われてもどのくらいなのかピンとこないと思うので分かりやすく言うと、コンビニの広さが100㎡くらいなのでコンビニ30店舗分です！
もうちょっと大雑把に言うと、野球場のフィールド分くらいです。
イマーシブシアターとはどんなものなのか、ざっくり説明すると、3000㎡に渡るエリア内には霧の立ち込める「ベイカー街」(※)、「シャーロック・ホームズのオフィス」、「殺人現場」、「怪しげなバー」などがあって、そこらにアクター演じる物語の"キャスト"達が行動(演技)しています。
物語の大筋としては、色々な所で次々と殺人事件が起こる→ホームズが現場に行く→オフィスで推理や他の依頼人の話を聞く、というもの。
しかし、事件現場やホームズの事務所以外でも、他の人物によって物語は同時に進行している、お客さんはエリア内のどこにいるかは自由なので、お客さん自身の行動によって体験する内容が異なる、これが"イマーシブシアター"です！
ただですね、基本話の中心はホームズの周りで起こる訳で、初回はホームズに付いていかないと物語が理解できなくなります。しかし、現場と事務所の行き来の回数がかなり多く、しかも階段・狭い通路が多い中で他のお客さん達と大人数で行動すると非常に疲れるという、イマーシブシアターのデメリットを強く感じる。
おまけにホームズ達、キャストはかなり素早く行動するので、もはや追い駆けっこ状態になる。
実際、後半になると愚痴りながら嫌々行動する人や、ついには歩き疲れて座って休んでいる人もちらほら。
※それだけならまだいいですが、参加者が人混みに押されて転倒する等の事故も発生しているようです。
なのでホームズ以外のキャラクター・現場を追うのは2回目以降にするのがセオリーだと存じますが、複数回やるというのは一般的な考えではなく、結局マニア向けの思想なんですよね…。
それ以前に、キャストの演技もド素人ではなく当然プロのものだと思いますが"凄いぞ"って感じでもなく、イマーシブシアターのもう一つの売りである"キャストの演技を超・間近で感じられる"というのも、だからなんだとしか…。
よって、つまらないって訳じゃなかったけど自分はこれの(イマーシブシアターの)良さが全然分からなかった、というのに尽きる感想でした。
おまけに推理内容としてもイマイチすっきりせず。結局、多重人格が起こした犯行みたいな結論になってるし、しかも最後ホームズが「自分はなんて思い違いを⁉︎」
と言って終わりと、投げっぱなしなエンディングになっています。
もしかしたら、今後「第2章」のストーリー展開があるのかも？
〇2回目は別視点で
後日、2回目を体験する機会があったので、今度はホームズを追わずに自由にエリア内をぶらぶら散策してみました。すると謎の人物による殺害現場に遭遇したり、他の当時人物の意外な関係性が見れたりと、物語を新たな視点で楽しめました。
中には、キャストに話かけられ「犯人(と思い込んでいる人物)へ復讐」と飲み物に毒を入れるのを手伝わされるなんて展開もある。(このメインビジュアルに該当する演出。ただし、実際はこんな感じに追求される事はない。)
物語を様々な視点から体験できる、何度も楽しめる、これがイマーシブ・シアターの醍醐味ではありますが、やはり2回目じゃないと物語がさっぱり理解できず、確実に置いてけぼりをくらいます。
衣装や全体的にエリアが暗いという事もあって、登場人物の見分けが付きにくく、みんな同じ顔に見えるのもストーリーの理解が難しい理由。
最後のシーンは共通なので、それを見れば何となく全体のオチは分かるのですが・・・
〇2024年5月22日～ 「Ver.2.0」にアップデート
オープン以来、少しずつ内容のブラッシュアップが行われていたようですが、5月22日より「Ver.2.0」として本格的にリニューアルされました。
・新たな2人の登場人物
・新たなエピソード、演出の追加
・物語の核心にもつながるエピソードが新登場
・一部シーンに映像を使った演出効果などが登場
・新たなオープニング演出
・ショー終了後 登場人物とのスペシャルフォトセッションを実施（各日程 最終ショー限定）
以上が追加要素となりますが、正直リピーターなら違いが分かるレベルで、大筋の演出は変わってないのでそんなに新鮮味はありません。
一番分かりやすい変更が、最初の映像によるオープニングとエリア外に出るのに番号順、ある程度区切って案内されるようになった事です。ただ、これはホームズの追っかけに集中し過ぎて前述の事故・トラブルが多発した事による影響、つまり運営上の都合だと思われます。
一応、そのお陰でホームズだけでなく別の人物も追いやすく(目線がいきやすく)なってますが、そのため全体のストーリーが分かりにくくなるという弊害も。
なお、上記にあるように、その日の最終公演では終演後に写真撮影ができるようになりました。
