今回は、夫に足を切られ亡くなった妻がいたという家が舞台。お客さんは靴を脱いで進んでいきます。
鎌を研ぐ夫(人形)、足を切られた妻が横たわっていて部屋中に「ごめんなさい もうしません 許してください」と書かれた紙が貼ってある部屋、そして老婆が目の前に座る仏壇の部屋ではなぜか全面ガラス貼りなど、家の中を進んでいくと、雪見障子に足をロープで括られて引っ張られていく男の死体があり、その先で引っ張っていた者(アクター)が飛び出してきます。
そして何より強烈だったのが、足を切られた妻(アクター)が階段にいてじーっとこっちを恨めしそうな顔で見てくる。最後は通り過ぎようとするタイミングでこちら側に襲い掛かってくる。死角から飛び出すアクター演出が多いオフィスバーンとしては珍しい、恐らく初めて採用された演出です。
その後テケテケのように上半身だけでこっちに向かってくる妻(人形、この人形は恐らく現在の「怨霊座敷」に流用されている)、演出後背後からアクターが飛び出す演出を経て、最後出口で靴が返却されますが、この時下から人形が飛び出す仕掛けがありました。
※2011年は1月「スピニングコースター舞姫」での死亡事故及び「東日本大震災」による営業一部自粛(同年6月に遊園地は営業を再開したものの、大型アトラクション等は休止していた)のため夏季限定お化け屋敷は開催されず。
○2012年「お化け屋敷の人形倉庫」
今回の舞台は人形など「お化け屋敷の備品を保管する倉庫」であり、内装等に面影はあるもののこれまでここで開催されていたお化け屋敷(一軒家が舞台)とはだいぶ風変りしています。お化けの人形たちも無造作に置かれていますが、その人形は実際にこれまでの(オフィスバーン製作の)お化け屋敷で使われていたものです。自分が知っているやつだけでも、かつて後楽園ゆうえんち時代「楳図かずおのお化け屋敷」で使われていた日本人形や1993年「赤ん坊地獄」の赤ちゃんの人形、2003年~の「13ドアーズ」で使われていた人形・仕掛け、2006年「呪いの黒髪屋敷」での髪の毛、2009年「血の妖面屋敷」でのお面などが確認できました。人形や仕掛けの配置も当時と同じようになっている所もあります。
入口にて「人形の目玉」を渡され、倉庫内をしばらく進むと両目の空いた人形がありますので、持ってきた目玉をどちらかに入れます。入れた後の仕掛けは当初は「人形の手が動く」でしたが、会期終盤である9月頃から「鐘の音と共に、周辺の2~3体の人形がお客さんを取り囲むように近づいてくる」に変更されました。
その先、倉庫から中庭へと出て、そこにある井戸の中に"2つ目の目玉"があるのでそれを取ります。井戸には水が張ってあり、目玉を取ろうとすると脇から手が飛び出してきます。そしてその近くにある2ヶ所目の人形に目玉を入れますが、入れると奥からアクターが飛び出してきます。
終盤、目の前にぎこちなく動く人形があり、2010年の「足狩りの家」と同じく死角から人形が飛び出してくる。
最後は倉庫の電気を消すためにスイッチを切りますが、切ると人形が飛び出す仕掛けがありました。
・2014年 新潟でのリメイク
2014年夏には新潟にて「丑三つ人形倉庫」としてリメイクされました。基本的な仕掛けや演出は東京版と同じで、超絶叫編を基にして作ってあるので中盤中庭に出て井戸から目玉を取るシーンもあります。ただし、コース全体が右回り(東京版は左回り)、中にある人形(造形物)に東京版になかったものがある、終盤の演出が「ロープでぶら下がっている人形が、実はアクターで突然動き出す」、一番最後の仕掛けが「人形の箱を占めると影から生首が飛び出す」と変更&パワーアップされていました。
○2013年「呪い歯 ~密十号の家~」
お化け屋敷の中は、古めかしい日本家屋。生活感溢れる家具や、この家に住んでいた者の写真もあったりして不気味です。歯が埋め込まれた奇妙な願掛け人形、苦痛に耐えながらペンチで歯を抜く母親、(おそらく黒い歯が生えた直後の)子供を抱く絵美子、そして口に包丁が突き刺さって死んでいる姑と夫・・・。どれも言葉で表す以上にインパクトがある、グロテスクな描写がされています。
家の奥まで進むと、口を開けたままの絵美子の遺体があり「歯を抜いて」との声も聞こえてきます。絵美子の口に1本だけ見える黒い歯を抜くと、老婆(※)の人形が脇から飛び出し、その先の廊下もずっと追いかけてきます。
※呪いの始まりである、明治時代に強い怨みを抱いて亡くなった女性「ミツ」。ミツの呪いは現代まで伝染し、憑りつかれた者は密○号と呼ばれる。
その先はお墓もある「中庭」を通り、屋敷内に戻ると「黒い歯の幽霊に取りつかれた母親」(アクター)が、上記の2010年「足刈りの家」のように怨みがこもった凄い形相でこちらを見てきます。この場所を通るのは相当怖く、自分も足が竦んで進めなかった程でした。
最後の出口にて抜いてきた黒い歯を納めますが、ここでお馴染みとなる人形が飛び出す仕掛けがありました。
○2014年「恐怖のかくれんぼ屋敷」
途中何ヶ所か押入れがあり、1つ目は「カラスが潜んでいる」、2つ目は「男の子の生首が飛び出す」、3つ目は「アクターが飛び出す」…。
終盤の台所ではカーテン越しに足首だけ見える「母親」がいて、頭上からアクターが飛び出す演出がありました。
そしてその先の押入れには、10年という年月を経て「大人になった」男の子が潜んでおり、首がお客さんの方向を向きながら動きますが、最後は別の場所に潜んでいたアクターが飛び出してきました。
出口には男の子のメッセージ(「また遊んでね」と意味深なメッセージ)があって、それを読みますが確か横から人形が出てくる仕掛けがありました。
・2017年 千葉柏でのリメイク
この「恐怖のかくれんぼ屋敷」は翌年以降も各地でリバイバル開催され、2017年には柏高島屋で実施されました。デパート地下2階にて仕切りを作って開催しています。基本的な仕掛けや演出は2014年東京ドームシティ版(上記)と同じですが、細かい違いとして
・最初の部屋でのストーリーナレーションが新規に
・コースが右回りに(東京ドームシティ版は左回り)、部屋の構成や順序もちょっと違う
・「男の子」が映っているテレビがある部屋が追加
・3つ目の押入れからアクターが飛び出すのが、下から出てくるのから後ろから追いかけてくる演出に変更
・一番最後の演出が若干変更
○2015年「呪い指輪の家」
○2016年「赤ん坊地獄」
今回は20年前(1996年)に開催された伝説のお化け屋敷「赤ん坊地獄」の再演(ストーリー的には続編)、赤ん坊を抱いて歩くお化け屋敷です。
赤ん坊は序盤、篭の中で寝ているのでそっと抱いて連れていく。しかし、その近くには赤ん坊を霊界に拐った「産女」(※)が・・・。彼女はこの先何度も現れ、赤ん坊を狙ってきます。ある部屋ではしつこく何度も飛び掛かってきて、本当に触りそうなほど手を伸ばしてくるのが怖い。
※産女(うぶめ) :死んだ妊婦が妖怪化して赤ちゃんを連れ去ると伝えられている。お化け屋敷入口近くで流れているストーリーによると、「赤ん坊の母親の夫(赤ん坊の父親)には前妻がおり、彼女は妊娠中病で亡くなった」とあるので、お化け屋敷内で出てくる幽霊はこの前妻の幽霊と思われる。
赤ん坊も最初は静かですが、なぜか突然泣き出したり笑ったりと変化。進むにつれ泣き声がだんだんと大きくなってくる。
後半は蜘蛛の妖怪(?)に人体が埋め込まれた通路など、どんどんヤバイ場所になっていく。終盤には赤ん坊のお母さんらしき人がいて、「顔を見せて」と言われるので屈んで見せると、頭上からアクターが飛び出してくる。最後、出口でお母さん(の絵)に置かれた籠の中に赤ん坊を返しますが、絵が突然開いて人形が飛び出してきました。
・最初はストーリーを聞く部屋、続いて僧侶の遺体がある部屋で、次の部屋に赤ちゃんが籠で寝ているので、抱き上げて連れて進みます。すると籠の前の女性が動き出し・・・
・亡霊だらけの牢屋、隙間からたくさんの亡霊(人形)が覗いている通路を進みます。勿論、いるのは人形だけでなく?
・最後は赤ちゃんのお母さんがいるので、目の前の籠に戻して(置いて)あげますが、上の方から・・・!
今回のお化け屋敷の舞台は「疑惑心から奥さんの首飾りをカミソリで切ろうとして、誤って首筋を切って殺してしまい、自らも首筋を切って自殺した店主」がいたという、惨劇の起きた理髪店。
最初の部屋は、椅子に鏡、その他備品と「理髪店そのまま」の部屋で、まずここの椅子に一人ずつ座ります。扉が閉じられると部屋が暗くなり、ストーリーが流れる。後ろに店主(アクター)がカミソリを持って近づいてくる…。
上記のストーリーが終わると、椅子横の机に首飾りが置かれているので、それを付けると奥の扉が開き、先に進めます。練習用のマネキンが大量に置かれた部屋、店主の自室や鏡台がある奥さんの部屋、なぜかカミソリがたくさん吊るされた(首すじを狙うように?)部屋等があります。
廊下に出ると、先の方に血塗れの店主(アクター)がいますが、それは鏡に映った姿であり、本当は真横にいて突然脅かしてきます。
その先一端庭に出て、動く人形が2体もいる部屋などを進む。その先たくさんの惨殺遺体があちこちにある、悍ましい光景の通路を進みます。
終盤には首筋をざっくり切られた奥さん鏡台の前にいますが、実は鏡台は鏡ではなく何もない空間、つまり鏡に人形が映っていると思わせといて目の前にアクターが飛び出すという、驚きの仕掛けがありました。
最後、出口で身に着けてきた首飾りをアクセサリーボックスに返却しますが、予想通りボックスを閉めると人形が飛び出してきます。