きよの漫画考察日記799 修羅の刻第3巻 | きよの漫画考察日記

きよの漫画考察日記

我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...


photo:01



お月様

さて修羅の刻には毎回ヒロインが登場するわけですが、今回のヒロインは病気療養中の沖田を看護するこの子!

photo:13


オランダ人と日本人のハーフの蘭ちゃん
この幕末の時代に茶髪は尋常じゃなく目立っただろうし、奇異の目で見られたことでしょーな。
俺は女の子の髪の色はどーでもいい。黒髪だろうが茶髪だろうが金髪だだろうが可愛い子は可愛い。だけども赤や緑はさすがにムリか…

そんな蘭ちゃん、自分の容姿にコンプレックスが。
「やっぱり沖田様も私のことがお嫌いですか…?今まで町を歩いてると皆が振り返るんです…変でしょ私って…髪も眼も黒くないし…似合わないから髷も結ってないし…」
これに対して沖田は…

photo:11


ナチュラルジゴロですな(笑)女の子に向かって「綺麗だね」なんてなかなか言えません。俺は人生で一回も言ったことないかも。「可愛い」なら言えるけどな…

そしてここで事件が。

photo:12


近藤勇が斬首された訳です。
この近藤勇、局長なのに土方や沖田に比べて人気が無い。その理由として新撰組内部での権力闘争が醜かったというのもあるけども、やはりその死に様。近藤は戊辰戦争で官軍に投降するわけやけども、その際に偽名を使ってなんとか生き延びようとしたわけです。その辺の死に際の潔さに欠けるのが近藤勇の人気がない最大の理由でしょな…

そんなこんなで1868年5月30日、この2人が4度目の出会い!

photo:03


つーわけで陸奥八雲vs沖田総司!

まず陸奥がこれからいきます!

photo:04


弧月ですな。神武館の木村さんを倒した技ですが、これをかわした沖田に対し…

photo:05


さらに蹴り足が戻ってくるんです!これが「弧月の裏」!
陸奥圓明流の全ての技に表と裏があるのかどーかは判明してません。が蛇破山、弧月、雷については表と裏があることが分かってます。

さて天才剣士沖田には分かってます。陸奥を刀で斬ることは不可能だと。陸奥を捉えるにはこれしかないということを!

photo:06


俺は真剣を握ったことはないが、剣術における最強の技は突きなんじゃないでしょーか。正直言って相手から突かれたらどーやって防御していいか分かんねーもんね…
ちなみに剣道だと突きが認められるのは高校生からです。もちろん危険やからなんやけど、フェンシングは子供がやっても大丈夫。この違いはどこにあるかというと「両手で突くか片手で突くか」やはり両手で体重を載せる剣道の突きは破壊力がありすぎるんやね…


がしかし病み上がりの沖田は倒れちゃいます。これに対し出海は涙を拭いながら…
出海
「立て…沖田。立って…もう一度さっきの突きを見せろ。」

photo:07


病気で苦しむ人間に必要なのは優しくいたわる言葉なのでしょーか、厳しく叱咤激励する言葉なんでしょーか?俺は後者だと思うんやが、まぁ人それぞれ。

つーわけで沖田は人生の最後に最高の三段突き!出海もこれに応える最高の蹴り!
出海「凄い突きだ…沖田、おまえはやっぱり天才だ…」
沖田「あなたの蹴りこそ…神業でした…」

photo:08


色白の美形剣士が雪の中で吐血…うーん、美しい。
とまぁそんな感じで沖田総司といえば美形だと言われておりますが、実際の沖田の似顔絵はこちら。

photo:02


美形剣士???
まぁこの似顔絵は沖田の死後に描かれたものなんで正確ではないでしょーが、それにしたってこんなソラ豆みたいな顔の奴が沖田総司だなんて信じたくはない!!

沖田「陸奥さん…最後に一つお願いを聞いてください。」
出海「聞こう…」
沖田
「北へ…そして土方さんに伝えてください…「総司は幸せでした…」と。そして…陸奥さん…」

photo:01


沖田死す。この時沖田総司25歳…若い…若すぎるな…
がしかし伝説に残る男ってのは早逝であることが条件の一つみたいなとこはあるからね。ジョンレノンしかり、マリリンモンローしかり、尾崎豊しかり…

そして沖田を弔う出海…

photo:03


いつの日か俺もおとんをこーやって抱える日がくるんやろう…何年も会ってないけど何回も入院しとるらしいからなぁ、きっと軽くなってしもとるんやろな…



さて近藤勇が死に、沖田総司が死に、それでも戦い続ける土方歳三。だけども新撰組にはまだこの男もおるんです。

photo:04


三番隊隊長、斎藤一!
るろうに剣心で有名になった斎藤ですが、新撰組には10番隊まで存在します。ちょっと新撰組のメンバーを紹介してみましょーか。

局長はもちろん近藤勇。大河ドラマで香取慎吾がやってた役です。初代局長は芹沢鴨(佐藤浩市)でしたが近藤一派に暗殺されました。
副長は土方歳三。大河では山本耕史。
副長の下のポジションに総長ってのがあって、これが山南敬助。堺雅人が演じてましたが逃亡して切腹。
そして参謀が伊藤甲子太郎。前巻で坂本龍馬を暗殺したあの伊藤ですな。
一番隊隊長はもちろん沖田総司。大河では藤原竜也。
二番隊隊長は永倉新八。ぐっさんが演じてましたが、新撰組で一番強かったのは永倉だと言われてます。次が沖田でその次が斎藤。
三番隊隊長が斎藤一。オダギリジョーです。牙突が必殺技だったかどうかは不明。
四番隊隊長は松原忠司。新撰組柔術師範。殺した相手の女房を妾にしてたとかどーとか。
五番隊隊長が武田観柳斎。大河では八嶋智人。暗殺されました。
六番隊隊長は井上源三郎。大河で演じてたのは古畑任三郎の向島巡査ですな。
七番隊隊長は谷三十郎。新撰組槍術師範。新撰組といえば刀ですが、実際には槍も頻用してたことでしょう。
八番隊隊長は藤堂平助。新撰組の特攻隊長的ポジション。
九番隊隊長は鈴木三樹三郎。最終的には新政府軍につくんですが。
十番隊隊長が原田左之助。四番隊以降の隊長では一番有名かね。

新撰組の隊士の名前を覚えても人生で役立つわけではないけどさ、1000年以上続いた「武士」というものの、最後にして最強の集団として男心をくすぐるんよね、新撰組ってのは…


さて土方を追う出海、それをさらに追う蘭ちゃん。がしかし蘭ちゃんは足をくじいて崖から転落!

photo:05


ぶははっにひひこんな危ないとこ歩いとるのがそもそもダメでしょ(笑)

そしてこれを当然助ける出海。その助け方はちょっと凄いです。

photo:06


蘭ちゃんの体重が15kg以下ならこの助け方も可能かなぁと思うけどね。それ以上だとさすがに片手一本でぶん投げるのはキツかろう…

これで骨折しちゃった出海。だけども何の問題もありません。

photo:07


片手抱っこ(笑)これは…体重40kg以下ならなんとかなるか…
それにしてもさ、子供を抱っこしとるお母さんてパワーあるよな。抱っこに慣れてないってのもあるが、俺は2,3分抱っこしたらもう疲れてまうもんな…



さて出海が骨折を治してる間に土方はここまで敗走…

photo:07


函館、五稜郭!
以前熊本城に行った時にその堅固っぷりに「この城を落とすのは無理やな…」と思ったが、大砲というものが登場すると日本の城郭は全く無力だったそーな。だからヨーロッパ型のこーゆー形の城を築いたわけやね…

つーわけでこの五稜郭に退却してきた幕府軍の総大将が…

photo:02


榎本武揚!
非常に有能な政治家だったそーです。だけども武人としてはいかがなものか。幕府軍の艦隊を指揮しながら全く戦うことなく函館まで逃走したってことで「腰抜け」というイメージはやっぱあるよね…

さてそんな腰抜け榎本の作戦は降伏。これに対する土方の態度は…
土方「榎本さん、あんたがこの蝦夷共和国新政府の頭だ。あんたが決めればいい。だが…最後なら、新撰組は勝手にさせてもらいます。ここまできて生きのびたら…あの世で待っている近藤や沖田に会わせる顔がない。」
榎本「土方君…どういう意味だね…?」
土方「別に…あんたは生きればいいと言ってるんです。悪いとは言わない、生き方の違いだ…」
榎本
「なら君はどうすると言うのだ⁉新撰組、新撰組と言うが生き残りが何人かいるだけでもはや隊としてそんなものはどこにもない!」

photo:03


くぅ~土方かっちょええのぅ!

そんなわけで最後の戦いに向かう土方、その服装はもちろん…
土方
「さぁて…行くか…」

photo:04


有名な新撰組のダンダラ羽織ですな。これを着てない土方なんてやっぱ土方じゃない!
ちなみに新撰組がなぜこのダンダラ柄を選んだのかというと、これは赤穂浪士が吉良邸に討ち入った時に着てた柄なんです。まさに男の柄な訳です…


そしてなんとか戦場に間に合った出海。出海は土方との闘いの前に蘭ちゃんに刀を託します…
出海「よく考えたら…まだ名前を聞いてなかったな…」
「ら…蘭…そう言います。」
出海「いい名だ…別嬪だしいい処へ嫁げる。死んだ男の処へ嫁ぐ女を見るのは一人でたくさんだ…事がすんだら嫁にいけ…」
「い…異人の血の混じった娘など…誰ももらってくれません…」
出海
「なんだ…そうか…そうだったのかよ…オレは気がつかなかった。」

photo:05


蘭ちゃんのその後は分かりませんが、出海と結婚したと信じたい。
ちなみに陸奥圓明流伝承者の母親が明確に判明してるのは虎一の母親と狛彦の母親、そして九十九の母親の三人だけですが、仮に修羅の刻シリーズのヒロイン全員が陸奥に嫁いだのだとすれば、修羅の門の主人公陸奥九十九は源義経、織田信秀、雑賀孫市、真田昌幸、真田幸村、そしてオランダ人のDNAを受け継いでおることになります。そーなると源頼朝、織田信長、豊臣秀頼、徳川家光といったあたりは親戚筋とゆーことになります。
まぁ源義経のDNAを受け継いだ時点で56代清和天皇のDNAを受け継いだということになりますからね、陸奥一族と天皇家は親戚なんです!

ちなみに現在の天皇陛下は125代目。ここでちょっと考えてみますが、仮に天皇家の人が2人の子供をもうけたとしましょう(実際には子沢山の人も子供に恵まれなかった人もいるでしょーが、まぁ平均して2人くらい)これが125代続いたとすれば、天皇家の血を引く人間は2の125乗にまで増えることになります。これは何人かというと42535295865117300000000000000000000000人です(笑)分かりやすくすると42澗5352溝9586穣5117抒3000垓です(1垓は10000京、1京が10000兆)
計算上ではこんなふざけた数にまで天皇家のDNAは広まるということを考えるとさ、日本人で天皇家の血を引いていない人を探すのはほぼ不可能なんでしょーな。もちろん俺の血の中にも確実に天皇家の血が流れておるんでしょう。そう考えると無許可で皇居に入れそうな気がしてきた(笑)


無駄な脱線をしてしまいましたが、そんなわけで始まります、
陸奥出海vs土方歳三!

photo:06


その答えは「男だから」です。DNAが叫ぶんです、「戦え!」と(笑)




さて出海vs土方、この闘いもアツいです!

photo:01


この攻防は凄いんよ。二段突きにいった土方、それをかわして蹴りにいった出海なんやけども、土方は脇差を抜いて出海の蹴りを止めておるんです!
作者はよくこんな攻防を考えついたよな…

この攻防で優位に立った土方。がしかし出海は負傷した右足で迷わず飛び蹴り!
土方
「オレが鬼なら…」

photo:02


鬼はあくまで日本の妖怪にすぎませんが、修羅(阿修羅)は闘いの神様でありインドあたりでは最高神レベルでしょ、格が違いますな…

そして両雄最後の激突。振り下ろされる土方の渾身の一刀に対し出海は!

photo:03


なんと踏み込んで日本刀を肩で受けるんです!
たしかに刀の根元で人体に致命傷を与えるのは困難でしょーな。バットの根元でボールを打っても飛ばないよーなものか(笑)

そして出海の疲労度合い、および土方がこの後動けた事から判断すると、ここで出海が放ったのは無空破ではなく虎砲と解するべきでしょう。

そんなわけで長かった土方の闘いの人生、ついに終焉の時がきました…
土方
「これで…思い残す事は何もない…オレくらい戦って戦って…戦いつくした男もおらんだろうさ…さぁて…往くか…地獄の門が…開いている。」

photo:04


そして新政府軍からの一斉射撃…

photo:05


今まさに殺されようかという時にさ、楽しかったなんて言える奴はおらんでしょ。この熱い死に様、これこそが土方歳三なんです!
実際には馬上で指揮してた際に銃弾を腹にくらって命を落としたなんて言われてますが、そんな歴史は無視します。土方の死に様はこれでええねん!

ちなみに土方は沖田とは違って写真が残ってます。

photo:06


うーむ…やはり鬼の土方、威厳を感じるわ…