きよの漫画考察日記804 からくりサーカス第23巻 | きよの漫画考察日記

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我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

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23巻からはまた過去編になります。白金・白銀・フランシーヌの出会いからクローグ村の悲劇を経て、そこからいかに現代につながるのか…この時代をしっかり理解することがラストへ向けて重要です。

お月様

さて黒賀の人形使いに襲われる勝、ここで貞義が残した人形を発見!

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ゴイエレメス!
うーむ、デカい(笑)持ち運びは非常に困難ですな。

さてさてそんなゴイエレメス、一見すると単なるパワーファイターのように見えますが…
がしかし!
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単なるパワーファイターでした(笑)


さてここで重要キャラ登場。勝にゴイエレメスの動かし方を教えてくれる自動人形が…

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グリュポン!
うしおととらにおけるイズナ的な立ち位置のマスコットキャラクターですな。それにしても自動人形を動かしている擬似体液はゾナハ病を撒き散らしてるはずですが、勝は大丈夫なんでしょーか?


そしてゴイエレメスに続き第2の人形登場!

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その名はキャプテン・ネモ!
この名前のモデルは「海底2万マイル」のネモ船長でしょう。ちなみにこの海底2万マイル、有名なSF小説ですが原題は「海底2万リュー」です。リューとはフランスの単位で1リュー=およそ4km。マイルでいえば3マイル=1リュー。つまり「海底2万リュー」を正確に訳すと「海底6万マイル」になるんやけどな…

さて、リューとかマイルとかよく分からん単位が出てきました。世界的にみれば長さの単位は「メートル」を使うことで一致してますが、アメリカだけがこれに賛同しねーからややこしいことになっとるんよね…ちょっと整理してみましょーか。
アメリカでの長さの単位はまず「インチ」です。「1インチ=2.54cm」テレビの画面のサイズはインチで表されますな。50インチのテレビであれば、その画面の幅が1m27cmとゆーことです。
そして「12インチ=30.48cm=1フィート」バスケではゴールの高さは10フィートです。つまり3.048mということです。
そして「3フィート=91.44cm=1ヤード」1mよりもちょい短いのがヤードなわけだ。
さらに「5.5ヤード=5.0292m=1ロッド」カヌーの長さは1ロッドなんです、だいたいが。
さらに「4ロッド=20.1168m=1チェーン」そんな単位聞いたこともねぇ…
さらに「10チェーン=201.168m=1ハロン」このハロンって単位は競馬でよく使われますな。
そして「8ハロン=1.609344km=1マイル」です。およそ1.6kmが1マイルなんです。競馬好きには分かりやすいんやけどな…
ラストは「3マイル=4.828032km=1リーグ
うーむ、ややこしすぎる(笑)

これに関連してたまに聞く面積の単位「エーカー」これはとんでもなくややこいガーン1エーカーとは1チェーン×1ハロンなんです。なんで幅と長さを違う単位にしたのか理解に苦しむが1エーカー=およそ4046㎡です。さすがアメリカ、単位がデカい!

これに輪をかけて難しいのが重さ。
まずよく使われるのが「ポンド」ボクサーの体重はポンドで表示されますが、「1ポンド=0.45359237kg」です。細かっ!
女の子は自分の体重を答えたがらへんけどさ、それならポンドで答えたらええねん。例えば60kgの女の子なら「私の体重は132ポンドよ」って答えればええねん。より重く捉えられかねんけどね(笑)
ちなみにボクサーのグローブの重さに使われる単位はこれ「1/16ポンド=約28.35g=1オンス」一般的な16オンスのグローブでおよそ45グラムか…
そしてポンドより重い単位が「25ポンド=約11.3kg=1クォーター
さらに「4クォーター=約45.3kg=1ハンドレッドウェイト
そして「20ハンドレッドウェイト=約907.1kg=1トン」なんです。日本では1トン=1000kgやけども、アメリカの1トンはこれより100kg近く軽いんです。キン肉マンに出てきたキングザ100トンっていう超人はアメリカ出身の超人なので、その体重は実際には100000kgではなく90710kgだったのかもなぁ(笑)

ちなみに宝石で使われる「カラット」これは何かというと「1カラット=200㎎」です。なんかカラットって聞くと輝きの単位みたいに聞こえるが、純粋に重さなんやね…

長さ、重さとくれば次は容積。日本では「リットル」やけども、アメリカでは「約946㎖=1クォート」沖縄では飲み物が1リットルの瓶ではなく946㎖の瓶で売られておるのはこの名残りだそーな。
さらに「約3.7ℓ=1ガロン」車のエンジンオイルとか買いに行くとこのガロンが出てくるね。
そして「31.5ガロン=約119ℓ=1バレル」です。たしかに石油取引ではこのくらいデカい単位の方がええのかもな…

ここまできたらとことん脱線しよう。尺貫法に突入だぁ(笑)

まずは長さ。これは「尺」を基本とします。「1尺=約30.3cm」です。アルプス一万尺なんていうけれども、本場ヨーロッパのアルプス山脈の最高峰モンブランは4,810mだから1万尺以上。日本アルプスの最高峰は北岳の3,193m、これはほぼ一万尺なので、アルプス一万尺の歌に出てくるアルプスとは日本アルプスの事だと考えるべきでしょう。
尺より短い単位は「寸」です。一寸法師でイメージしやすいね。「1寸=1/10尺=約3cm」ですな。
そして「6尺=約1.8m=1間」「10尺=約3m=1丈」です。丈って単位はなかなか使わねえが。
ちなみに東日本だと1間=6尺で畳の大きさは5尺8寸×2尺9寸です。これに対して西日本では1間=6尺5寸であって畳の大きさは6尺3寸×3尺1寸5分になります。西日本の方が畳がデカいんです。東日本人は器だけじゃなくて畳も小さいんだのぅ!
さらに長くなると「60間=約109m=1町」そして「36町=約4km=1里」になります。一里ってのは結構遠いな…

さて、お次は重さ。基本はもちろん「貫」ですな。「1貫=3.75kg」なので、100貫デブというのは体重375kgのデブのことを言います(笑)
貫よりも軽い単位、それは「斤(きん)」です。食パンにしか使われないというこの不思議な単位、「1斤=600g」ですが、実際の食パンは1斤300~400gです。何なんだそりゃ?
そして「1/100貫=1両」そして「1/1000貫=1匁(もんめ)」となります。1匁は3.75gですがこれは分かりやすい単位なんです。なぜなら財布の中にある五円玉、これがちょうど1匁なんよ。
日本国内の商取引で尺貫法やヤード、ポンドを使用することは禁止されておるんやけど(混乱しちゃうから)、この匁だけは例外でね、真珠の取引の際に限り国際的にもこの「monme」という単位が使われているそーです。ふーむ、豆知識ですなぁ…

さてお次は面積。これは覚えやすい。「1町=10000㎡」「1反=1000㎡」「1畝=100㎡」です。がしかし問題となる単位は「坪」これは1間×1間の面積、すなわち約3.3㎡。畳二枚分だといいますが、この坪という単位はピンとこねえ。空き地を見たってこれが何坪あるのか全くもってピンとこねえんよ…

お次は体積。「約18㎖=1勺」「10勺=約180㎖=1合」お米を炊くときはこの「合」を使いますな。でもお米ってのは2合や3合で炊いても美味しくないんよね…やはり20合とかで炊いたご飯の方が美味しい。
そして「10合=1.8ℓ=1升」日本酒一升瓶一気飲みは男のロマンではあるけども、さすがに1.8ℓは飲みきれねえよな…
さらに「10升=18ℓ=1斗」です。ちなみに一斗缶とポリタンク、その容量はほぼ同じです。
そして「10斗=180ℓ=1石」です。江戸時代の石高制度、TOPは加賀藩前田家の103万石ですが、その後は島津家、伊達家、尾張家、紀州家と続きます。この後はなかなかにレアで、熊本藩細川家、福岡藩黒田家 、広島藩浅野家、長州藩毛利家、佐賀藩鍋島家と続きます。石高が高かったのは伊達を除けばほぼ西日本なんやね…

いやー、キャプテン・ネモの話からここまで脱線できる俺って凄えな(笑)


さぁ勝の人形にかなわない黒賀の人形使いは最後の手段に!

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ミサイルランチャーを撃つのはええけどさ、撃つ時に自分で「発射!」って叫ぶのはダセぇな(笑)

それでも勝は第3の人形を使って脱出!

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ジャック・オー・ランターン!
カボチャのお化けだと捉えられがちですが、本来はカボチャではなくカブなんです。アイルランドで生まれたカブのお化けジャックオーランターンはアメリカへ伝えられた際にカボチャに変化したそーです。アメリカ人は何でも自分達に都合のいい方向にもってくよな…


なんとか脱出した勝、だけども勝の拉致を命じたのはこの爺様でした!

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この23巻以降はこの正二の記憶を辿る旅です。鳴海が追い続けるフランシーヌ人形の所在、柔らかい石の行方、エレオノールの出生の秘密を知るのは世界に正二とギイだけ。ルシール亡き今となっては生前の白銀に会ったことがあるのは正二と白金だけ。まさに物語のキーマンです。

そんなわけで正二の記憶を遡り…
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からくりサーカス、次の舞台は1816年の長崎!
ヨーロッパではナポレオンの時代。日本では12代徳川家慶の時代で鎖国の真っ最中。からくり的にいえばフランシーヌがクローグ村で散ってから25年後の時代ですな。それにしてもいろんな時代を駆け回る漫画だわ、これは…

そしてこの長崎の出島で活躍するオランダ人の医師が…
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このお医者さん、まさか…まさか…
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白銀・白金・フランシーヌの物語は遠い異国での物語、だけどもここでついに日本と繋がりました!
白銀はクローグ村でフランシーヌを失い、そして白金と別れ、日本に辿り着いてたわけですな…

だけどね、もう白銀の心はもう死んでもとるねん…
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フランシーヌをあんな形で失っちゃった心の傷は癒えることがないんやね…
まぁ現実にも「生きている意味」ってのを即答できる奴は少ないかもしれんけどね。自分を「もう終わった者」という奴は少ないだろうが、中にはそーゆー老人もいるのかもな…

がしかし、そんな白銀の心の傷を癒したのが幼き日の正二郎の言葉なわけです。
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正二郎「先生は病を治して皆ば助けてくれとるじゃなかですか…」
白銀「私は先生ではない。名前は白銀…そう呼んでくれた弟も…妻すら救えなかった男だ。」
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正二郎「先生は昔、志ば持って人形使いの家ば出なさった。それは先生ば縛りつけちょる何かを切ったちうことじゃなかですか!その先生じゃけん、今度じゃてできなさるに決まっとります!辛かお名前ば捨てるこつ…」
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白銀「し・ろ・が・ね…?」
正二郎「先生のお名前ば日本じゃこぎゃん読むとです。先生!先生は終わっとらんばい、わしにとってほんなこつ立派なお人たい、じゃけん…じゃけん…」
にゃるほど、人形破壊者「しろがね」の語源はここに行き着くわけかぁ…


それにしても長崎弁のセリフはめんどいのう(笑)俺は思うんやが「読む」ということに関しては標準語がぶっちぎりで優れとる。方言を文章にすると読みづらい、これは間違いのない事実。
だけども俺はブログを書いたりメールを打ったりするときには関西弁を織り交ぜていく。もしかすると読みにくいかもしれん、だけどね、やっぱ借り物の言葉じゃ気持ちが伝わらへんねん!標準語で書いた文章には俺の気持ちが乗りきらへんねんよ!
地方人が標準語で文章を書くってことは、日本人が英語で小説を書くよーなもんなんよな、言うてみれば。そんな小説が面白いわけないもんな…
そーゆーわけで俺はこれからも関西弁で文章を書きます。読みにくい?そんな事知ったこっちゃねえ(笑)読みやすいけど魂のこもってない文章を書くよりよっぽどマシや!


がしかーしここで事件が起きます。正二郎の兄貴がとっ捕まって処刑されちゃうんです!
その一部始終から目を背けることなく全てを正二郎は見届けました…
正二郎「兄上の顛末ば…全部見とかんと…いかんかったけん。」
白銀「顛末…?」
正二郎「兄上はわしによう言うとりました。「しまいまでやれ」ち。」
白銀「だからおまえはじっと見ていたのだな…」
正二郎
「ばってん…ばってんわしは役立たずじゃけん…せめて兄上の言うたとおり…」{8EA5E0AB-9DB2-4A1B-8071-948D90C9BB14:01}

この正二郎の言葉が白銀に大切な事を教えてくれるねん…

白銀「おまえは役立たずじゃない。」
正二郎「先生…」
白銀「先生はおまえの方だ、正二郎」
正二郎「え?」

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白銀「それをおまえは私に教えてくれたのだ。」
「最後まで見届ける」か…実際には物事を最後まで見届けることはほとんど無いのかもな…いろんな物事を途中で放り出さねえと前へ進めねえからな…


そんなわけで白銀はオランダへ帰国します。
白銀
「私は昔、しまいまで見届けずに逃げた。しかし、何が始まって何が終わったかを見るのが…兄弟の務めなのだろう?」

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白銀と正二郎は二度と出会うことはありませんでしたが、この約束は果たされるねん。どーゆーことかと言うと、白銀はアンジェリーナの意識の中に溶けて正二郎と2人で人形を作るわけやからね…


そんなこんなで白銀は日本を去ります。
白銀「ここで私は日本語の名前をもらいましたので。」
オランダ人
「ほう、誰からもらったのかね、マルヤマのユウジョからかね、キングからかい?」

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最古のしろがねはルシールではないねん。最古のしろがねは白銀なんよね…

そーゆーわけでしろがねと名を変えた白銀はその後クローグ村へ戻り、そこで白金によってゾナハ病に感染させられたルシール達と出会い、そしてアクア・ウイタエに身を投げたわけやね…

これでやっと白銀の人生の全てが明らかになりました。からくりサーカスはこの白銀の他に白金、フランシーヌ、フランシーヌ人形、ルシール、正二郎、アンジェリーナ、エレオノール、この8人の人生を完全に把握しなければ物語の全体を掴むことはできません。現時点でその人生が全て明らかになったのは白銀、フランシーヌ、ルシールの3人だけ。だけどもこの正二郎の記憶を遡ることによって残り5人中4人の人生は明らかになります。この辺りまでたどり着けずにからくりサーカスを読むのを投げ出した奴は多いが、そんな奴はお話にもならん。例えるならばドカベンを柔道編までしか読んでないよーなもんです。からくりサーカスの面白さってのはね、全部読み切った後にもう一度最初から読み返してみて初めて伝わるもんなんです!


そして時代は進み1842年!アヘン戦争の時代です。36歳になった正二郎が出会ったのが…

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あやかし太夫!
ついにこの子が出てきましたなぁ…その正体はもちろんルシールの娘であり、体内に柔らかい石を隠されたアンジェリーナです!

彼女は柔らかい石をいったい誰に託したのか?それこそがからくりサーカスの核心であると言っても過言ではないかもな…
ちなみに「太夫」とは最高位の遊女の事。関東でいうところの「花魁」ですな。遊女は売春婦のことやけども、ここでのあやかし太夫は現代でいうところのNo.1ホステスみたいな感じですな。

そんなアンジェリーナ、なぜ日本なんかに居るかというと、2年前にルシールからキュベロンを追い出されたんです。ルシールはアクアウイタエをアンジェリーナに渡し…
ルシール
「それを誰かに飲んでもらうといい。」

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アンジェリーナ「な…何を…おっしゃるんですか?私は…」

ルシール「人の人生の時間は限られている。大きなことを為す時に、人は必ず何かを犠牲にする。それは不死人しろがねにも言えることさ。しろがねはその長い人生全てを使って自動人形を破壊している…でも…もし…その時間を別のことに使えるなら…この呪われた体も…何か意味があるのかもしれない。」
アンジェリーナ
「なんですか!別のことって?私にどうせよとおっしゃるんですか⁉先生…」

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ルシール「さようなら、アンジェリーナ。」

この母の気持ちをアンジェリーナは理解できなかったわけですな。そりゃそーだ、突然出ていけなんておかんに言われちゃさすがにキツい(笑)


そんなわけで生きる目的を失い、かといって死ぬこともできず、永劫に続く時の中でアンジェリーナは苦しんでおったわけです。誰かに助けてもらいたい、だけども普通の人間にアンジェリーナの苦しみが届くわけもないんよね…

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がしかし正二郎は違います!

正二郎「おまえの笑い顔が気になるな…」
あやかし太夫「は…?」
正二郎「こう座っていても立ち居振る舞いに無駄がなく、実に立派な女子だ。」
あやかし太夫
「それがなんとしたでありんすか。」

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正二郎「まるで木を彫ってこしらえた人形のようだ。」

からくりサーカスに登場する女性はほとんどがこーです。心から笑うことができないんです。エレオノールはもちろんのこと、エリ公女も、リーゼさんも、ルシールも、フランシーヌ人形も、そしてアンジェリーナも。心から笑う事はできない。なぜなら皆「操られてる人形だから」これはからくりサーカスの根底に座するテーマなんやけども、この操り糸を断ち切らない限り女の子は心から笑う事はできないんです!操り人形の女を人間に戻す、そのために男達は血を流す、それがからくりサーカスなんですよ…

そんなわけで人形呼ばわりされたアンジェリーナ。これはアンジェリーナにとっては屈辱。エレオノールやリーゼ、エリ公女ならそこまでは傷つかへんかもしれんけど、自動人形によって撒き散らされたゾナハ病に苦しみ、人形破壊者として生きてきたアンジェリーナにとっては「人形」と呼ばれるのは屈辱の極みでしょーな…
アンジェリーナ
「人形…人形のような笑顔…そう…そうよ…」

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うーん、屈折しちゃってますなぁ…


そんなわけでイラついたあやかし太夫は正二郎に質問!
あやかし太夫「お待ちなんし!永久に死なぬ身ならば、あなた様は何をなさるでありんすか?」
今まで誰も満足いく答えを返してくれることはなかったこの質問、これに対し正二郎は…
正二郎「死なぬ身ね…よかなァ。」

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正二郎「おいらんのように知恵のある者はわからぬかもしれぬが…私にとって人生は短すぎる…学ばねばならぬことや研究をせねばならぬことが山ほどあるのでな。よって嫁をもらうなどは考えも及ばぬことなのだ。私のような者が女子をしあわせになどできるはずもないからな。」
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アツいねぇ正二郎!

永久に死なない身だったら何をする?と聞かれて「一人の女に惚れ抜く」なんて答えられませんよ、普通は。普通は「数えきれぬほどの女を抱く」こっちの発想に流されるもんです、男ってのは。


以上が急展開を迎えた23巻の内容。鳴海がエリ公女の操り糸を断ち切ったのと同じように、勝がリーゼさんの操り糸を断ち切ったのと同じように、正二郎は永遠の闇の中を1人歩き続ける女アンジェリーナの操り糸を断ち切って笑顔を取り戻させることができるんでしょーか⁉

ここから先のからくりサーカスの展開は泣きますよ!