1.学校運営について
①吉川市立小中学校における教職員の状況
ア、全国的に教職員不足と言われる中、吉川市における教職員本務者の配置・欠員状況は
イ、臨時的任用教職員等の未配置未補充件数は
年度当初においては未配置はなく定数を満たしていたが、4月以降は本務者の出産休暇や育児休業、病気休業や退職が多かったことから代員の補充が追いつか ず、9月1日現在で小学校で5名、中学校 で1名、計6名の欠員がある。
産休や病気、やめられたことについて、どの方がどのような状況とそれら背景についてこの場で細かくお伺いはしない。教職員不足の状況に懸念のお声を届けてくださった多くの保護者さんたちも、私も、学校現場教職員の大変な状況を承知している。この一般質問の内容が現場教職員の方々が心理的安全性を担保できないまま働くような状況にならないよう、私自身も留意し質問を続ける。受け取られた方々にもそのようにお願いしたい。
ウ、教職員不足による児童生徒への影響は。
児童生徒にできるだけ影響が出ないよう、学校では教務主任や担任以外の教員が担任業務を行ったり、受け持つ授業を組み替えたりしながら対応をしているところだが、1学期途中からは授業が予定どおりに進まず、一部の教科において定期テストが実施できなかったことから十分な評価材料が集まらなかったため、1学期末に評価をつけることができなかった学校があったことを把握している。学校が県教育委員会と連携し、代員や非常勤講師を任用している。緊急的に市費で短時間の任用をするなどし、子どもたちへの不利益が生じないよう授業を進めている。
定期テストができない状況が、これまでにも起こったことがあったか。
当市においては初めてかと思う。今回については、休業の先生方が重なり県の補充が追いつ かなかったことが理由。テストは各教員がつくっており、成績のつけ方にしてもテストだけではなく普段の授業の様子といった成績評価の観点がある。代員の教員では成績評価が難しかった という現状があったと聞いている。
中学校ともなると進路、入試の際に影響があるのではないか。不利とならないよう確認はとれているか。
今年度、中学校1校において、主要 5教科のうち1教科において、2学年がテストができず成績がつけられなかった。また主要5教科以外の1教科において、 1学年から3学年がテスト実施できず 評価がつけられなかったという事例があった。
まず主要5教科の事例については、 2学年であることから高校受験等への影響はない。現在では英語の免許を持っている教諭3名体制で分担して2学年の当該教科の授業を行っている。成績についても1学期2学期分を合算し、2学期末に評価をする。
また主要5教科以外の事例については、 3学年において高校への進路相談の際に直近の成績が必要になることがあるため、9月2日にテストを実施した。また26日に当該教科の成績が入った 通知表を再配付することとしている。1・2学年については高校受験への影響はない。先ほどの主要5教科と同じく、1・2学期分を合算して2学期末に成績の評価 をしていく。
1・2学期分合わせて評価をするにしても、テストの機会が少なければ生徒たちが自分の 力がどれぐらいかということを知る機会は失われた。テストが実施できない状況に至るまでに、日頃から自習が多かったと伺っている。大変大きな影響が出ていると認識する。
いただいた声を紹介する。
・自習があまりに多い
・自習ではわからず、自信がなくなり諦めの気持ち
・とある学校の学校運営協議会で「市も教育負担軽減策、システムの導入などご尽力くださっている。我々教職員も業務の見直しなど整理できるとこはしてきた。でもこれ以上どうしようもない、根本的に先生が足りなさすぎる」との話
・学力に直結する主要5科目も大事だが、特別教科は人生の教養の基礎になる。家庭環境によって触れる機会が少ない子もいる。非常に懸念する
・PTAとして学校とやり取りする必要がある際、各委員会がバラバラ担当の先生に連絡するのではなく本部で一括しシンプルにまとめる工夫をしているが、そのやり取りを取るのも申し訳ない状況
・教職員が忙しそうで、児童生徒が相談を遠慮してしまう
様々お声をいただいてきたが、ついにテストができず評価もつかなかった状況。
教職員人事は、そもそも県管轄なので県にしっかり担保していただきたいと思いながら、できていないのであれば、市としてさらに力を尽くさなければ吉川市の子どもたちの学校で得られる学びや体験に不利益が生じてしまう。
オ、吉川市独自の教職員確保策の有無は
県費負担教職員については県教育委員会が 採用や任命を行っているが、市教育委員会としても県の任用基準を満たさない短時間での任用を緊急的に市費で行ったり、広報よしかわへの募集要項を掲載、公民館や吉川美南駅等の公共施設へのポスター掲示、市内の教職員にも知人への呼びかけを依頼するなど様々な手段を使って教職員確保に努めている。
教育部として人材掘り起こしに積極的に動いているか、具体的な事例は。
指摘があったように、県の教職員採用については県が全て行うもの。市として何ができる かというと、掘り起こしとしては、一 昨年に免許更新制度が廃止になったことをご存じない方がいらっしゃるかもしれないというところで、免許制度を更新しなくても教師になれるということをPRしていく必要があると考えている。なので、ポスター掲示た広報掲載ということを県に代わり、広報支援としてやって いる。来年度の任用希望として一件応募があった。掘り起こしの方も抜本的改革まではいっていない。市として、県の代員が来るまでの間リリーフティーチャー 制度や少人数指導員を急遽配置替えするなどして子ども 達の学びの継続が止まらない よう学校運営を進めている。県教育委員会、また学校と連携て子ども達たちに不利益が生じないよう努めていく。
教職員の持続的な確保とはまた違うかもしれないが、現場教職員から、ポイントポイント でも見ていただける先生がいるだけで本当にありがたいという声が届いている。週に2・3回、1日に2~3時間という細かい時間で学校に入られている方もいらっしゃると伺っている。ここまで柔軟な臨時的な働き方ができる、というところを打ち出して募集のPRをしていただけないか。
県教員採用については県の任用基準があり、短時間での任用というのは行われていない。そこをカバーするため、市としてリリーフ ティーチャー制度や少人数支援員制度を使い短時間での任用で間をつないでいるような状況。県においても、この問題は全県的な教員不足で危機的な状況と把握している。県の人材確保策として、大学 3年生が一次試験の一部科目で受験できるようにする大学3年生チャレンジ専攻や、教員免許保有者を対象にしたペーパーティーチャーセミナー、県教育長自らが教育部のある大学等に行き学生に対して魅力をお伝えしているというようことをしている。
県での任用ができていない、募集してもなかなか来ない、子ども達や現場が困っているなら市は尽力しなければいけないと思う。
幅広く柔軟に、短時間でも学校に入れるような制度が必要。
市教育委員会が他の業務に当てられたはずの時間を調整にあてていることへの負担感を訴えなくてはいけないし、市単費での支出もおかしい。吉川市の市議会議員として納得がいかない。
教育長には吉川市の教育行政の長として、強く県とやり取りしていただきたいがいかがか。
今回のことについては、子ども達の教育の機会、また学ぶ 権利を保障できず、保護者の皆様、子ども達、そして地域の皆様に心からお詫びを申し上げる。 あってはならないことであったと深く反省をしている。私どももまずは第一に、授業を成立させることを主眼に動いてきた。私が知り得る限りの全てのネットワークを使い、電話をかけ、自分で出向き、知り合いに話をし、加えて私が授業をするような気持ちで何とか人を確保できないかと奔走した。指導主事も同様。そのような中でなんとか人を見つけ、今は授業を成立させることはできている。納得されないことはご指摘の通りと思う。県のシステムにより、見つかってすぐ明日からというわけにはいかず、発令日が決まっており、発令日までの間リリーフティーチャーとして市費を使わせていただいている。教職員不測の現状は、全国教育長会議また都市教育長庁会議等々全ての会議において大きく話題になっている。吉川市だけではなく他自治体においても、教職員が足りない、途中で辞めてしまう、新任教員も短期で退職をしたいという教員が複数出ている。本当に由々しき事。教職員不足をどう食い止めるのか、質の高い教育をどのように保障するのか、県に考えを伺い、吉川市の子ども達に不利益があってはならないよう教育長として要望し訴えてまいりたい。
教職員になりたいという人が減ってきている中、せっかく先生になった方も短期で辞めたいとおっしゃる状況。本来であれば、現場で経験を積む新任教職員のサポートをするはずの管理職教職員が担任を持ち忙しく、助言をいただきづらく心が折れるという状況は容易に想像がつく。ご答弁いただいたように強い働きかけを。
県よりも、一番市民に近いのは市役所、また市議会議員。市民のみなさまに一番近い私たちがこの問題をしっかりお伝えできるよう、柔軟に働けるような形のご案内ができるよう、整えていただきたい。
---
教職員不足については都度都度やり取りをしてきましたが、1学期末に保護者の方々からいただいた状況が一線を超えてしまったので一般質問で取り上げました。
教えていただけなかったら知り得なかったので、本当にありがとうございます。
教員普通免許がなくても短時間でも学校で働けるということを、児童生徒保護者対象の説明会を広いている自治体もあります。
もちろん「教育の質の担保は?」という懸念にすぐぶつかりますが、
児童生徒だけで自習が続くよりはマシなはずです。
ちゃんと免許を持っている人がきちんと配置されるべきなことは前提に、それが県教委によって果たされていないなら(全国的な課題です)
市教委は子ども達の学びを保障するためよりご尽力いただけるますようお願いいたします。