≪ブラジルニュース(マツエ版)≫ 日本語版のみ連載 1811 番外 | 私たちの50年!!

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1962年5月にサントス港に着いたあるぜんちな丸第12次航の同船者仲間681人の移住先国への定着の過程を書き残すのが目的です。

≪ブラジルニュース(マツエ版)≫ 日本語版のみ連載 1811 番外

 

W50に転送します。広橋

 

On Tue, Jul 2, 2024 at 11:40 AM Takashi Matsue 

アマゾンの孤立した部族にインターネット。

 

みなさん

2007年まで徘徊していたアマゾン地方で、当時私が体験していたことのもっと近代化しつつある、未開インデイオ世界、での現象が、報告されています。

私が回っていた頃は、未開の土地に簡易発電機が持ち込まれ、パラボラ―アンテナを設置して、未開社会でも 「サッカーのワールドカップカップ」を彼らが観戦している事実 に接していた(摂著「身近なアマゾンⅠ,Ⅱ」で説明していた)のですが。

最近の報告では、彼らが「私の知らない スターリンク」までやっていて、超現代化し始めた、というニュースが出ました。

いろいろコメントしたいですが、今日はそのニュース掲載だけにします。

世界は変わりつつあるようですね。

イトゥイ―川というのは、去年話題に上ったインデイオ・観察者の英国記者ドン氏と、元フナイ(インデイオ保護局)関係でインデイオ保護者のブルーノ氏が組織によって殺害された ジャバリ川 の支流のインデイオ居留地です。

   サンパウロ  マツエ

 

アマゾン奥地の先住民族の生活は、“ある日突然インターネットを使えるようになった”ことで一変した

6/29(土) 10:00配信

イーロン・マスク率いるスペースXの通信衛星サービス「スターリンク」は、アマゾンの孤立した部族にインターネットをもたらし、彼らを外の世界と結びつけた。

その一方で、インターネットが引き起こす問題をめぐり、部族内部では意見が対立している。

 

 【動画】アマゾンの奥地でインターネットに熱中する「先住民族のいま」

2023年9月、突如としてインターネットを使えるようになったマルボ族が直面する変化と課題を、米紙「ニューヨーク・タイムズ紙」が取材した。

 演説が長引くにつれ、人々の視線はスマホ画面へと逸れていった。インスタをスクロールする10代の若者たち。ガールフレンドにメールを送信する男性。そして、グループ初の女性リーダーが演説中だというのに、スマホに群がりサッカー中継を観戦する男性たち。 どこにでもあるような、ありふれた光景だ。だが、これが起きているのは、地球上で最も隔絶された地域の一つにある、先住民族の集落なのだ。

 マルボ族は長年、アマゾンの熱帯雨林の奥地を流れるイトゥイ川沿いに、何百キロにもわたって点在する共同小屋で暮らしてきた。彼らは独自の言語を話し、森の精霊とつながるために幻覚剤のアヤワスカを飲み、クモザルを捕まえてスープの材料にしたりペットにしたりする。 ブラジルに数百ある先住民族の一つで、約2000人いるとされるマルボ族は、隔絶された環境で、何百年もこのような生活様式を守り続けてきた。 ところが、2023年9月、米宇宙企業のスペースXが提供する通信衛星サービス「スターリンク」によって、彼らは突然、高速インターネットを使えるようになったのだ。

 

「インターネットのせいで、若者が怠け者に」

スターリンクは2022年にブラジルに参入して以来、世界最大の熱帯雨林全域に普及し、地球上で最後のオフライン地帯の一つにインターネットをもたらした。 

 隔絶された小さな文明がいきなり世界に開かれたら、何が起こるのか──「ニューヨーク・タイムズ」紙はそれを知るために、アマゾン奥地にあるマルボ族の集落を訪れた。 「インターネットが開通したときは、みんな大喜びでした」。

ツァイナマ・マルボ(73)は、マロカと呼ばれる、部族の人々が寝食を共にする高さ15メートルの小屋の土床に座ってそう話す。 遠く離れた家族や友人とビデオ通話で話すことができたり、緊急時に助けを呼べたりと、インターネットは確実に利益をもたらしてくれた。

「でも、いまは状況が悪化しています」 彼女は体に塗る黒い染料の原料となる、ジェニパポの実を練り潰していた。身に付けているのはカタツムリの殻を繋ぎ合わせたネックレスだ。

最近、若者たちはこうした染料やアクセサリー作りに興味を示さなくなったという。 「インターネットのせいで、若者は怠け者になってしまいました。白人のやり方を学んでいるのです」 だが、彼女は少し間を置いてからこう付け加えた。「でも、どうか私たちのインターネットを取り上げないでください」

 

スターリンクと共に激変する世界

スターリンクの導入からわずか9ヵ月で、マルボ族はすでに米国の家庭を長年悩ませてきたのと同じ問題に直面している。

スマホに釘付けのティーンエイジャー、ゴシップだらけのグループチャット、依存性のあるSNS、ネット上の見知らぬ人々、暴力的なゲーム、詐欺、フェイクニュース、そして未成年者のポルノ視聴などだ。 インターネットが容赦なく普及するなかで、現代社会はこうした問題に何十年も取り組んできた。

しかし、世代を超えて近代化を拒んできたマルボ族のような先住民族はいま、インターネットの可能性と脅威に同時に直面しており、自らのアイデンティティや文化にネットが及ぼす影響をめぐって、議論が巻き起こっている。 

 そうした議論の火付け役となったスターリンクは、かつてアマゾンのような僻地では考えられなかったサービスを提供することで、世界の衛星インターネット市場を瞬く間に席巻した。

 スペースXは6000基の低軌道衛星を打ち上げることで、サハラ砂漠やモンゴルの草原、太平洋の小さな島々など、地球上のほぼ全域に、一般家庭よりも高速のインターネット通信を実現したのだ。

 ビジネスは急拡大している。同社を率いるイーロン・マスクは最近、スターリンクが99ヵ国で300万人以上の顧客を獲得したと発表した。

アナリストの推定では、年間売上高は前年から約80%増の66億ドル(約1兆500億円)に達する見込みだ。

 だが、おそらくスターリンクが最も変革をもたらしたのは、以前はインターネット網の範囲外だったアマゾンなどの地域だろう。現在、ブラジルのアマゾン地域では6万6000件の契約が締結されており、同地域の自治体の93%にスターリンクの影響が及んでいる。

 ネットのおかげで、森林地帯に住む人々に、新たな職や教育の機会が開かれた。その一方で、アマゾンで活動する違法伐採業者や採掘業者に、当局の追及を逃れるための新たな通信手段を与えることとなった。 

 マルボの部族長の一人、40歳のエノケ・マルボ(マルボ族はみな同じ名字を持つ)は、スターリンクの可能性にすぐに気づいたと語る。森の外で何年も暮らしてきたエノケは、インターネットが部族に新たな自治権をもたらすと確信していた。

インターネットがあれば、活発なコミュニケーションが可能になり、自分たちの情報を発信し、独自の物語を伝えられるはずだと彼は考えた。 2023年、エノケとあるブラジル人活動家は、スターリンク導入の支援者を募るため、50秒間の動画を撮影した。

エノケは伝統的なマルボ族の頭飾りを被ってマロカに腰を下ろし、動物の歯を繋げたネックレスをつけた幼児を横に座らせて、撮影にのぞんだ。

 動画が公開されてから数日後、米オクラホマ州在住の女性から連絡があった。

 

(続く) マルボ族にインターネットをもたらした女性とは誰なのか? 後編では、インターネットによってマルボ族が直面するポルノ視聴などの問題、そしてそれが引き起こす内部対立を追う。