「山と食欲と私」賛歌 | 九仙庵日乗

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善平太(よしへいた)のブログ

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「山と食欲と私」既刊13巻を電子書籍で購入し読了しました。

 

しかし、これ、本当に面白い。

設定、登山の様子、山ごはんにフィーチャーしている点が本当に良くできてます。

登山漫画としては、「岳」に並ぶ傑作なんじゃないだろうか。

 

 

設定について

主人公・日々野鮎美ちゃんは、防犯機器メーカーの経理課に所属している会社員という点がありそうなリアル感があって良いのだ。

鮎美ちゃんの経理課としての仕事っぷりには会社員である私から見てもそれほど違和感はなく、あるある感満載なのだが、ちょっとだけ違和感を感じるのは、

1. 経理課の実務が、ほとんど小松原鯉子主任と鮎美ちゃんで回っている(ように見える)。経理課での高尾山ハイクも管理職なしの4人だった。経理課長や部長はいないのかな?

2. 経理課だったら四半期毎の決算時は大忙しで、週末登山に影響するのでは?

という点だ。まあ、いいんだけど。

 

 

登山の様子

鮎美ちゃんの登る山が、本当に「女の子が一人で登るのに安全面を考慮した」ようなセレクトになっていて妙に頷ける。

実際の山に登る様もリアル、作者の実体験が反映されているのだろう。

ただ、鮎美ちゃんは公共交通機関を利用しているにしては、夜明け前に麓にいたりと、軽快自在に移動しているのがちょっと気になるかな。

 

 

山ごはん

この作品のテーマが「登山」と「山ごはん」であり、この山ごはんがとにかく魅せる。

自分は凝った山ごはんに全く興味がないので、日帰りならコンビニのオニギリやサンドイッチ、宿泊ならアルファ米やラーメンで十分だ。

しかし、このマンガに登場する山ごはんはどれも美味しそう、登山スタイルは違えど、なんだか少しは凝った山ごはんを作りたくもなってくる。

 

 

マンガの世界では、主人公・鮎美ちゃんは永遠の27歳、話は進んでも登場人物は年を取らない。

この先の展開も、小松原主任は婚活をし、鮎美ちゃんは恋愛に目もくれず登山をするんだろうなあ。

 

で、この作品は是非是非アニメ化して欲しい。

「ヤマノススメ」や「ゆるキャン△」のように、きっと人気が出る?でしょう。

カラーで鮎美ちゃんが作る山ごはんを見てみたいです。

 

山岳ロケが広範で実写化は難しいけど、やるなら鮎美ちゃんは福本莉子か小川紗良がいいなあ。