出張教育委員会への事前質問書への回答
議員との出前会議を開き、その後も何度も集まって参加者の意見を集約して質問書を作って事前に教育委員会に渡したにもかかわらず、それは無かったかのように、教育委員会が会を仕切ってスタートしました。
それに口頭で回答を求めたものをまとめました。
2017年8月31日19時~片岡会館で実施
吉田町の教育を語る会から14名が参加。
教育委員会
浅井啓言氏(教育長)、栗林芳樹氏(理事兼学校教育課長)、八木邦広氏(学校教育課長補佐)、竹下知行氏(主席指導主事)、三輪洋士氏(主席指導主事)、塚本昭二氏(理事)
1 教育委員会はどのような方法で教職員、保護者、児童・生徒の意見を把握し、その結果どうで
あったか教えてください。
(A)説明会
対象 |
期日 |
内容 |
教職員 |
2月15日 |
校長会で説明 |
2月28日 |
教育委員会から校長に教職員への説明・資料配布実施を要請 |
4月 |
PTA総会 教職員も参加 |
6月27日 |
学校説明会(管理職対象、意見聴取実施) |
7月 |
教職員対象アンケート実施、町教委回収 |
7月26日~ |
各学校にて教職員対象に意見聴取実施 |
児童・生徒 |
|
役場に来る子どもから聴取 |
報道の質問を町教委が聞く |
(B)意見内容
対象 |
内容(全部は答えらえないが) |
教職員 |
子どもの立場から近隣が夏休みで吉田だけ授業はモチベーションが上がらない |
報道で知った |
来年度に向けてしっかり心構えをしていきたい |
中体連や1日体験との関係をしっかり考えていかなければならない |
16日間夏休みがあれば十分だ |
2 外国語教育のため小学3年生から6年生までの授業時数を35時数増やすことへの対応策はいくつかあると思います。検討した策を教えてください。
そして、何故授業日数を220日以上する策に決めたのか教えてください。
(A)教育委員会逆質問
夏休みが減ると何ができなくなるのか教えてほしい。それを基に考える材料とする。
(逆質問に対する議論あり)
・土曜日活用 :土曜日は生活として休みと定着している。
土曜、日曜、祝日は教員の休みとして設定されている。土曜出勤するとどこかの平日に休みを取らなければならない。よって、土曜日授業の選択は無い。
・週1時間授業増:6時間日が増え、教職員の多忙化が増加する。これから主体的に学べるように、深い学びに繋がるように授業内容を変えていかなければならない時に授業準備の時間が減る。
・長期休業日減 :教員の多忙化解消の観点から上記2案より良い。
→ 長期休業日を減らすデメリットは。
(A)夏休みにできていたことができなくなる。(上記下線部と矛盾)
3 教育委員会の回答として「学校だけではなく家庭や地域の人々と触れ合う経験を通して、子どもが大きく成長する面も大きく、重要な時間であると考えています」とあるのに、何故夏休みを大幅に減らすのですか。
(A)教育委員会逆質問
夏休みを減らすことによって失われるものを教えて欲しい。
個別にということであれば、我々も個別にしか答えられない。
(逆質問に対する議論あり)
4 勉強以外のことで頑張ろうと思っている子はたくさんいます。教育委員会も「学校以外の活動として行われている活動も子どもの成長に大切な役割を果たしていると考えています」と回答しています。にもかかわらず、それを犠牲にしてでも学力が最優先だとおっしゃるのは何故ですか。
(A)「学力」という言葉を使っているが、本プランの実施によって学校教育が充実しますと捉えて欲しい。授業準備とは国語、算数の準備だけではなく、音楽、家庭科、図工、学校行事、総合的学習の時間、道徳などの全ての授業に対する授業準備の時間を取って欲しいとの観点。これらを含めて「学力」と称し、それだけではなく、体育における健やかな身体、道徳でいう豊かな心などの生きる力全てを育むことを目的としている。
5 TCP Triwinsプランは全国初とのことですが、実験台として最初に犠牲になる子どもの将来が心配です。教育委員会のご意見を聞かせてください。
(A)答えようがない。犠牲とは先ほどの(夏休みが短くなる事によって)失われる面と共通すると思うが、個々に対してでないと答えようがない。
6 吉田町だけ夏休みを大幅に減らすことへの対応として、どのような機関やグループと交渉しているのですか。また、その進捗状況を具体的に教えてください。
(A)交渉中であり明確に全てを答えることはできないが、以下を紹介。
対象 |
現状 |
クラブチーム |
エスパルス榛原、ヒーローFC、榛南FC、焼津リトル等小中学校に児童・生徒が通っているクラブを確認し、町教委が直接クラブチームと交渉中。吉田中の生徒が多いので吉田中のスケジュールに合わすことは可能。そもそも指導者も働いているので夏休みも夕方から練習していた。現在交渉中のクラブは好意的返事。 |
高校1日体験 |
県教委、各高校と交渉中。体験入学を午後に設定することは可能。
吉中生が多く入学する学校は吉中生のためだけの日程可能。 |
中体連 |
県教委、県中体連と交渉中で具体的なことは答えられない。 |
7 住吉大祭は金土日で行われます。今までなら夏休みで練習もできましたが、次の日学校があり、宿題もあるので子どもの負担が大きくなります。地域性を壊してしまわないか心配です。ご意見を下さい。
(A)不明な点あり、質問したい(このまま終了)
8 放課後児童クラブに入所している児童数、支援員の方の配置状況を施設ごとに教えてください。
放課後児童クラブの入所基準を拡充する方針とのことですが、現在よりもどのくらい増えると見込まれていますか。それに見合う施設、支援員の確保をどう考えていますか。
(A)放課後児童クラブの現状
施設 |
支援員 |
児童 |
住𠮷小 |
4 |
44 |
中央小児童館 |
3 |
37 |
中央小第2 |
4 |
50 |
中央小第3 |
3 |
39 |
自彊小校内 |
3 |
44 |
自彊小神戸集落センター |
4 |
61 |
今後は希望者の人数把握の後、施設増設、支援員増員を検討する。
9 夏の登下校に関して「子どもの健康安全を第一に考え、登下校中の持ち物の削減、帽子等の着用、水分補給など熱中症対策に関する指導を徹底してまいります」との回答がありました。具体的にどのように進めるのですか。
(A)健康づくり課と検討する。
→回答記載の対策は既に行っている。毎年、7月下旬から熱中症警戒が出ている。今まで以上の熱中症対策とは。それをしっかり考えるのが教育委員会の仕事ではないか。これをやるから登下校は可能と判断したというものを聞かせて欲しい。
(A)現状、回答で記載したこと以上は答えられない。
10 授業の質が悪いから学力が低下しているのですか。教育問題と教員の多忙化の関係をどのようにとらえていますか。
(A)学力の低下は授業が児童・生徒の実態に合っていないことが考えられる。子どもたちに合う指導方法は何かをしっかり検討することができていないからではないかと町教委は考えている。児童・生徒の実態を見極めて指導することが重要。
教育問題が何を指すのか不明で答えられないが、様々な教育問題と教員の多忙化は関連していると思う。
11 住吉小学校で「未来の学校『夢』プロジェクト」を行っています。どのようなことを行っていて、その結果はどうですか。
(「未来の学校『夢』プロジェクト」中間報告に記載の「校務洗い出し・分類と整理」の表に基づきお答えください)
(A)主な重点取り組み
①校務の整理
・学校運営組織、先生の分掌(役割)、会議時間の見直しを実施。バランスの良く
ないところは年度途中でも変更実施。
具体的には高学年担任の負担軽減、学年部の推進の強化(学年間の共通理解の推進)、
部会構成メンバーのバランス向上、級外の先生の充実。
諸活動の見直し、プール介護の廃止、クラブ・委員会・夏休みの課題の軽減、業務
時間内の時間の確保(ex.月曜日の会議の中止)、担任教師の空き時間確保、学び方
サポーターとの連携強化。
・教員でなければできない業務と教員でなくてもできる業務を整理、後者に対しては業務アシストントの3人を配置で対応している。そのうち1人はICT担当で情報処理を実施。
②教職員の意識改革
・3週間の定時退庁(小学校:19:00、中学校:19:30)ウィークを設け、タスクマ
クマネジメント、タイムマネジメントをしてもらう。
・2か月間(11月~1月)の超過時間の厳格管理を地域、保護者に説明して実施。
達成率 :モデル4校;70%、住吉小;89.7%(一般職95.5%)
・夕方の緊急電話を管理職が集中管理。今後ボイスレコーダーを検討。
・勤怠管理にタイムレコーダーの採用を検討中。
⇒ 今後、吉田町他校や他市町にも波及させていく。
*町は昨年から多忙化解消委員会を設置し、検討中。
12 8月2日の県知事の報道に「町長のリーダーとしての方針が ①一人歩きしていないか ②学校の先生も賛成しているか ③父兄先生PTAからも声が上がりプランを進めているか」等のコメントがありました。つまり、子どもたちのために地域ぐるみで取り組むべきとの指摘だと思います。これに対する教育委員会のご意見を聞かせてください。
(A)県知事の発言に対して町教委はコメントする立場にはない。
13 TCP Triwinsプランを実施するための町の予算はどのくらいと見込んでいますか。
(A)本プランに関わる予算としては幼児教育推進プログラム作成、学校閉庁日の警備に関わる予算、放課後児童クラブの拡張による予算などがある。各担当に於いて詳細検討ではある。現時点でいくら位になるとは公表できない。
14 TCP Triwinsプランについての会議録は、2016年度は2月23日分しか開示されていません。
町のHPによると、2015年度は複数回、総合教育会議が開催されているようです。過去にさかのぼり、授業日数を増やすことについて話し合われ、段階的に夏休みを減らすことを決めた会議録をすべて開示願います。また、2月23日の会議では、年間授業日数220日以上ということしか決まっていません。この後、長期休暇を減らすことのみで対応すると決めた会議の会議録を開示してください。
(A)今日は持ってきていないが、(2017年)2月23日以前の会議録は開示する。
15 TCP Triwinsプランを最終的に決めるのはいつですか。それを決めるのは誰ですか。
(A)町民からの意見・要望を踏まえながら各担当で検討し、状況が整い次第、教育委員会、教育総合会議で決定する。
16 今年の夏休みも既に大幅に少なくなっていますが、昨年、一昨年との効果と問題点、また、夏休みの多い他市町との比較はどのような指標で行うか教えてください。
(A)今年は昨年に比べ夏休みが5日間少なくなっている。それにより、4時間日が増加しており、「放課後の時間に授業準備の時間が取れるようになった」、「業務時間内に職員会議などの打ち合わせが設定可能になった」などの効果としての意見を聞いている。学校教育活動を運営していく上での課題に関する意見はまだ聞いていないが、今後も先生方の意見に耳を傾けていく。
17 学校教育課から報道に対して小学校の始業式について「インタビューについては、式終了後から9:10の間で、体育館にて、学校が指定する児童のみを対象として行ってください」「先生のインタビューについては、校長先生のみとさせていただきます」との連絡を入れたとのことです。
この連絡を出した趣旨を教えてください。
(A)以前、報道から中央小学校の1学期の終業式を撮影したいの要請があり、承諾した結果、撮影だけでなく、教員や子どもへのインタビューが行われた。
町教委の認識:撮影のみ 報道の言い分:撮影とはインタビューも混み
上記意見の食い違いが発生。その時点で子どもに関しては親の許可が必要と考えインタビュー中止、教員に関しては式終了後業務があるので校長が代表で担当とした。
よって、終業式の事を踏まえて、今回の報道への通知を行った。
決して報道統制をする考えはなく、子ども・親への配慮と教育業務に支障をきたさないための処置である。
* 授業日数増加、長期休業短縮が良かったのかどうか検証してほしい。昨年から今年にかけて夏休みは減っている。それを検証するなり、本プランを実施してみて、数値目標を定め、達成しなければやめるくらいの覚悟でやって欲しい。客観的に評価する場を持つ考えはあるか。
(A)施策である以上、その効果は問われている。その結果を公表することは重要であり、そう
しなければならないと考えている。どういう形でというのは今後が考えていく。
* 予算も決めていない状態で、先生の意見も聞かず、子供の意見も聞かず、保護者の意見も聞かず、今年2月に教育委員会がこのプランを決めたのか。
(A)予算に関しては、最終完成案決定した後、11月~12月に要求、1月末に概要が固まる。その後、議会の承認を得なければならないので、そこで説明責任を果たす。
プランに関しては、最終完成案をまとめるために現在ご意見を伺っている段階であると理解して欲しい。