[逓信省/奄美大島]赤尾木無線送受信所

鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木

 

昭和13年11月に開設された赤尾木無線送受信所の無線塔。昭和18年頃、長雲峠に陸軍通信隊が設置されこの無線塔は軍事用としても使われた。

 

奄美郷土研究会報第40号によれば、赤尾木無線送受信所は南に送信所、1キロ離れた北に受信所が設置されていた。往時は受信用無線棟が5基・送信用無線棟が5基あった。塔の高さは30メートル(送信)と25メートル(受信)。塔の高さが違うのは立地問題(標高差)か?

 

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赤尾木無線送受信所

 

黄色=送信側(現存する無線塔1基)

赤色=受信側(現存する無線塔2基)

出典:国土地理院 1946/04/19(昭21) USA-M57-120、抜粋・加筆

 

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送信側の無線塔(現存1基)

 

 

 

amamin99さんのブログ「鹿児島県奄美諸島の沖縄戦」に、米軍機による赤尾木無線送受信所空襲の詳細が書かれています!

要約すると、昭和20年4月5日に米軍機(第30戦闘飛行隊F6Fが4機と第30雷撃飛行隊TBMが6機)は古仁屋の水上機基地を攻撃するために奄美大島に飛来したが、上空が厚い雲に覆われていたため、代替目標として赤尾木の無線局に向かった、とのこと。

機銃掃射の痕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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受信側の無線塔(現存2基)

その①

 

 

 

その②

 

 

 

東側の無線塔近くには逓信省境界石があった。

 

 

 

赤尾木無線送受信所は昭和22年に復旧。名称を名瀬統制無線中継所赤尾木分室と代えて、昭和37年8月まで存続した。

 

昭和43年に無線棟5基が撤去された。現存は受信用の無線塔1基・送信用の無線塔2基の計3基のみ。受信用の無線塔1基は見学可能。赤尾木の三つ叉道路の奥に並ぶ2基は、アダンを含む樹海の中にあり、近寄るのは困難(ハブいるし)。

 

 

終わり

 

 

 

 

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