〇気の基本概念
東洋思想には気という概念があります。気とは何でしょう?英語ではエネルギーやパワー、フィーリングという言葉を使って説明することが多いですが、正確にいうのではあれば”qi(チー)”といい、中国語の読み方と同じです。つまり、気にはそれ一つの概念を表す言葉があるということです(エナジーなどで置き換えられない)。では、改めて気とは何でしょう?
〇気の特徴
気とは宇宙を構成する基本要素で、それらが変化して、人間のの体や生命活動を含むあらゆるものを生み出す。気は形なきものであり、万物を形成する大元(気一元論)であり、気が集まれば形を成し、気が拡散していくことで形が散っていく。人体では肉体的にも精神的にもすべて「気」で成り立っている。気が運動変化することで、万物が流転し、総合的に強調された世界が形成されます。つまり気が人間のかたちに集まることで人間となり、その気が散っていくことで形を失う(死)ということ、気が常に運動し集まったり離れたりしながら全体として世界が存在しているということです。
〇人の気の始まり
「人以天地之気生、四時之法成」【素問】
訳「人は天地の気から生じ、四時の法則に則って生きる存在である」
人は季節や食べ物によって大きく影響を受けるということです。天地の気から人が生じる時3つの精を持ちます。
・先天の精
父母からもらう気で補充することは出来ず、ろうそくのようなものです。
・後天の精
飲食物が脾胃の働きによって、気血津液となり(水穀の精微)、後天の精となって先天の精の消耗を抑制する。もし先天の精が尽きても後天の精が十分にあればしばらく生きることが出来る。植物が根を切られても、水に浸しておけばしばらく生きていられるようなものです。
・腎精
腎の臓に蓄えられる精のこと。先天の精と後天の精がここに蓄えられ、温存される。腎精がしっかりしていると成長が正常となります。