共通テストの自己採点は脳に危険!二日目に成績悪化?【受験専門の心療内科】
自己採点で自殺が増加する心理メカニズム
もっと正確に言うと、翌日の試験を休む理由を作るために、無意識のうちに、自殺のフリのようなものをしたくなる衝動が生まれるのです。
その結果、もともとは、自殺しようなんて頭の片隅にもなかった受験生が、今日の深夜か明日の未明に自殺騒動を起こして、結果的には明日の共通テスト二日目は欠席となります。
中には、後から私のカウンセリングの中で検討しなおしたら、1日目の点数だって、それほど悲観するような出来ではなかった…。
ただ、共通テストの真っ最中だと、本人にはプレッシャーが大きく、そういうバランスの良い判断もできなくなっているわけです。
こうしたことも含め、今晩の自己採点は絶対に禁止!!!!
こちらについては、以前、詳しく解説していますので、以下の記事をご参照ください。
自己採点で2日目の成績が下る脳のメカニズム!
まず、1日目の試験が思っていたほど点数が取れていなかった場合についてです。
実際には、1日目の失敗を取り戻そうとして、二日目に無理をしてしまい、それが裏目に出て落ちてしまう場合が圧倒的に多いのです。
これがどういうことなのか、わかりやすいように、典型的な具体例を示しながら、ご説明しましょう。
だから、ほとんどの受験生が、こうした見切りの付け方が頭ではわかっているのです。
ところが、1日目の試験が思ったよりはできていないと、精神的に追い詰められてしまい、2日目の試験で、適切なタイミングで見切りをつける判断ができなくなってしまうのです。
結果として時間配分で大失敗をしてしまい、これが最終的に入試に落ちる直接の原因となるわけです。
また、その正反対で、焦ってしまって、とにかく先の問題に進みたいという衝動が高まり、じっくり考えることができなくなるというタイプの受験生も多いです。
この場合は、上滑り思考になって、結局、こちらも正解率が極端に悪くなってしまいます。
このようなデメリットが出てしまうので、1日目に点数が悪かったという事実は、知らずに2日目の試験を受けたほうがいいわけです。
自己採点の結果が良かった場合も点数が下がる理由とは?!
では、思った以上に一日目の点数が良かった場合は、どうなのか?
この場合は、二日目に良い影響が出ると思っている人が多いようですが、現実にはなかなかそのようにはいきません。
入試は、ギリギリの精神力で学力を競い合う勝負です。
一日目の点数が良かったということを知っていると、心の中でそれが貯金であると認識し、そのぶん、脳がギリギリのところに追いつめられると、ついつい守りに入ってしまい、失点につながります。
こちらも具体的に言うと、この選択肢は違うと心の奥底ではわかっているのに、一般的には正解にありがちな、それっぽい表現で書かれていると、心が守りに入ってしまっている場合、衝動的にそちらを選びたくなる・・・。
それから、脳に疲労がたまってきたところで、最後のひとふんばりができず、集中力を落としてしまう・・・。
これによって、ケアレスミスも増加する傾向があるのです。
簡単に言うと、一日目の点数が良かったことで、心にスキができるということです。
サッカーや野球でも、得点を取ってリードした途端に守りに入って大量失点してしまうというのは、よくあることですが、脳で起こるい現象は入試とまったく同じです。
では、入試で最も点数をアップさせるメンタルとはどういうものか?
答えは、今だけに集中するということ。
昨日のことはもちろん、今日だって、終わった科目は、すでに過去。
先のことも考えない。
今、受けている科目で、1点でも多くとるように、自分のすべての能力を集中させることです。
ただし、もちろん、明日の試験が終わったら、しっかり自己採点をするのは当然ですが、それだけでなく、試験中のメンタル面や脳の働き方について、自己分析をしてください。
これから、私大入試が本格的に始まりますし、国公立の二次試験もあります。
メンタル面や脳機能に問題があれば、いくら学力が高くても、それだけでは合格できません。
現在では脳医学が発達しており、ごく短い期間でも、かなりの回復を期待できます。
そこで、私のクリニックでは、「入試直前特急コース」も設けており、今年の受験シーズンに間に合わせる治療を行っています。
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