昨年同様、GW中ずっとお山に籠っていたので、東京湾界隈のシギチの渡りが気になっていました。情報見る限り、今年も渡来状況はあまり芳しくないようでしたが、年に2回の貴重な機会、フィールドに足を運びます。
とその前に・・・森の夏鳥の通過状況も気になるので、明治神宮もチェック。
5/10(金)早朝、テレワーク前に訪問。
森はひっそり、かろうじてキビタキ数羽とエゾムシクイのさえずりを確認。まあピークは過ぎたようで、こんなものかな、と思って森奥に進んだところで、遠くからホイホイ、と聞こえた気が・・・
空耳?念のため声のした方に進んでいくと、
プイピ、ホイホイ!急いで声の方へ向かいます。
懸命に捜索、常緑樹の大木のこずえの方、ヒラヒラと舞う姿をなんとか見つけます。
途中から常連バーダーさんとお会いし、2人で姿を目で追います。
遠いし暗いので証拠写真がやっとこさ。尾がとても長い個体です。
ずーっと高木を見上げているので首が痛くなって仕方ありません。この個体とは別に、尾の少し短めの♂個体も近くにいました。
できればもう少し近くで出会いたいところですが、姿を見れただけでも御の字でした。
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5/11(土)、久々の葛西訪問。潮回りもよく、時期的にもこのあとは、渡りも終息に向かう中、今シーズンのシギチ観察のハイライトともいえる週末です。
渡りの小鳥はグゼるキビタキ程度。先に池を覗いたり護岸もチェックしますがシギチは見当たらず、開門と同時に西なぎさに向います。
橋のたもとにチュウシャクシギ。良い声で頻繁に鳴くので目立ちます。
東西なぎさ間水路では、少しのキアシシギやチュウシャクシギ程度。キョウジョシギは10羽くらいの小群が飛ぶのを見たくらい。
キリッ、キリッと潮風と共に、声が近くからします。颯爽とやってきました、
コアジサシ。春、というより夏を感じます。
強い南風に逆らい、近くに数羽が来てくれて盛んにダイブ。
東なぎさにいる群れもカウントすると、少なくとも70羽程度もいます。
振り下ろした翼がこんなに長大とは・・・越冬地のオーストラリアや
ニュージーランドあたりからはるばる渡ってくるのも、この翼だと納得。
イマイチ東西なぎさ間水路にはシギチが現れませんので、鳥類園まで戻って
下の池覗くものの、かろうじてキアシシギが1羽いるくらい。
鳥類園前に大きく出た干潟に向います。ここでも、キアシシギについで
目立つのがチュウシャクシギ。
チュウシャクシギ達の親分みたいに大きい、ホウロクシギも1羽。
キアシシギは全部で40羽程度、チュウシャクシギは20羽程度、数はそれなりにいても、他の種類が見当たらず。キョーキョーと、なんとか遠方にアオアシシギ1羽を認めたくらい。
撤収間際になってようやく、東西なぎさ間でチラ見したソリハシシギも
キアシシギの群れに混じります。
全部で3羽いました。大きいカニを採食していました。
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翌日5/12(日)。早朝、明治神宮チェックでは出会ったのはキビタキくらい。連チャン鳥見、9時半頃現地着で昨秋以来となる、多摩川河口に向います。
前日の葛西の状況からして、まったく期待せず。それでも、いないという事実を記録に残すことも大切、データを蓄積していき、市民科学へ貢献するための使命感から、重い足(笑)を運びます。
ポイントに着くと、早速、消波ブロックにたたずむ1羽のチュウシャクシギを発見。
とりあえずボウズは回避、ホッとします。
さらに少し離れたところに、牡蠣殻に紛れて1羽のメダイチドリを見つけます。
コンクリートの塊が捨てられたような人工的な磯のような環境に
チュウシャクシギの小群も発見。この絵を見れただけで来た甲斐がありました。
この後、この群れと思われる集団が大きく広がり始めた干潟に舞い降り、
全部で11羽を数えます。
しばらくその大きな干潟の前で粘りますが、他のシギチは一切来ず。ここいらで打ち止めか、
午後から用事あるので撤収に向けて上流へと歩きます。
往路、メダイチドリのいた場所にはコチドリが1羽。頻繁にゴカイを引っ張り出しています。
それなりにエサはあるようなのに、なんでこんなにシギチが減ったのか・・・
道中、鉄パイプで足場を組んだ釣り船の船着き場にふと目をやると、イソシギがごちゃごちゃした中から出てきます。こんなところに・・・念のため出てきたところを双眼鏡でのぞくと、暗い橋げたの中に1羽のキアシシギが隠れてくつろいでいます。声は遠くから聞こえていたものの、この日姿を見るのは初めて。
その隣、もう釣り船は廃業しているのか、足場の鉄パイプがぐちゃぐちゃに崩壊した場所があり、念のため、ここも双眼鏡でチェック・・・って驚きました、こんなところにキョウジョシギの姿が。直前にイソシギを目にし⇒キアシシギを見つけていなかったら、確実にスルーしていたはず。
だって・・・ここですよ?
よ~く見るとわらわらといます。キョウジョシギ6羽、キアシシギ3羽、
チュウシャクシギ1羽、イソシギ1羽の混群。
仲良く採食するキアシシギとチュウシャクシギ。
リラックスしているのか、突然座りだすチュウシャクシギ。
キョウジョシギは用心深く、折り重なる鉄パイプの中から中々出てこず。たまに
出てきて開けた場所でエサを取る時は、ダッシュで出てきて、またダッシュで戻ります。
その姿はまるで葦原から出入りするクイナの仲間のよう。(手前はイソシギ)
続け~といわんばかりにキョウジョシギがダッシュ、キアシシギも混じります。
シギチの激減した当地、このレベルの混群でも嬉しくてテンションあがります。大授搦とか行ったら、卒倒するかも。
人工物を隠れ場・餌場として活用するシギ達の行動が興味深く、一通り写真撮ったあとは双眼鏡で観察しますが、見ていてまったく飽きません。前日の葛西の観察窓は人でごった返し、とてもゆっくり観察できず。ここでは驚かさないように地べたに腰を下ろし、こちらも人工物に身を半分隠しながら、一人のんびりシギ達の行動を眺めて楽しみます。
最後の橋のたもとの湿地帯も、チュウシャクシギとキアシシギ。それにしても、他の種類が
見当たりません・・・
葛西も多摩川河口も、エリア自体は広いので、すれ違い、見落としは当然あると思いますが、
夏羽のトウネン、ハマシギには会いたかったし、メダイチドリもアオアシシギももっと数がいて欲しいもの。それでも、かろうじてMF多摩川河口にも僅かながらシギチが立ち寄って羽を休めてくれているのは救いです。
週末しか足を運べず、あっという間にシギチの渡りもそろそろ終盤ですが、
もう少し粘って、北の繁殖地に旅立つ姿を見届けたいと思います。