タイ南部:プーケット・カオラックの鳥たち(2023/8/6~13)/後編 | yoshiの鳥見Diary

yoshiの鳥見Diary

野鳥との出会い・ドキドキを求め、都心中心・たまに遠出・・・観察記です。

タイ・カオラックの鳥たちとの出会い、の続きです。

 

ナンヨウショウビンにたまたま出会い、海やプールでしばらく泳いだ後、夕方前には部屋に戻り、夕飯食べに行く前の空き時間、妻と子供はホテル敷地内散策→再びビーチへ戻ってサンセットを見に行くとのこと。迷ったのですが、朝の鳥見の実績から、敷地内より、かえってホテル入り口前の車道沿いが実は鳥見のホットスポットな気がし、別行動、別途ビーチで待ち合わせ、ということに。結果、この選択が吉と出ました。

 

敷地内のようす。鬱蒼と木が茂っていて、リスや昆虫、カエルなどは多いのですが、

鳥はそこまでみかけず。いたとしても、高木のうえで見づらい・・・

 

ホテル入口。フツーのタイの田舎的な風景ですが、電線や木々に、

このあと、前日まで見かけなかった鳥がひっきりなしに登場します。

 

ホテル入口に来ました。すでに鳥の声があちこちから、騒がしいです。

 

早速、バナナの木に小鳥の気配、口ばしが長いのでドキリとします。シャイな

"小さいスパイダーハンター”、コクモカリドリが、花の蜜を吸いにやってきました。

 

入口にある熱帯らしい花が咲き乱れている木の前で出待ちします。お目当ては、Sunbird、

タイヨウチョウの仲間です。♀タイプは前日(体調不良ながら苦笑)やこの日朝の鳥見でも

見かけたのですが、派手な色彩の♂は見ておらず。早速♀が来たあと、また別の個体らしきが

来ました。ファインダーをのぞき、思わず「おー!」と声が出てしまいました。

 

キバラタイヨウチョウの♂。名前のとおり、目の覚めるような黄色の腹に、

♂は喉のところにかけてメタリックなブルーがきらめきます。

 

全身がやっと見えた!ですが、手前の小枝がまあ邪魔なこと・・・

 

やっと♂が見れて興奮度MAXなところに、別の個体がブーンとやってきたのを目視。

 

ん?・・・な、な、なんじゃこりゃ!!!!!!!燃えるような真っ赤な小鳥!

 

ファインダーのぞいた目に強烈な赤色が飛び込んできた瞬間、「ドキン!」と心臓が

鳴ったような気がするくらいの衝撃・・・この世のものとは思えない美しさ・・・

とにかく動きの速いせっかちな鳥、ムシクイや花に来たメジロのように一時も静止せず、

そして時々ホバリングして吸蜜する姿はまるでハチドリのよう。

 

「絶対に撮影ポカできない」の言葉が頭に浮かび、無我夢中でシャッターを切ります。

なんとか撮れたのがこちらでした・・・ネットで予習した時点では完全にノーマークだった、

キゴシタイヨウチョウの♂、でした。

 

英名Crimson Sunbird、真紅のタイヨウチョウ、ですが、なんで和名が

キゴシなのか・・・腰黄色くないし、青いし・・・額の青色、構造色なんでしょうが、

太陽光を反射してメタリックに水色が輝き、赤とのコントラストが際立ちます。

 

宝石のようなタイヨウチョウの仲間が数羽、波のようにやってきたあとは静かに。

興奮冷めやらぬ中、ねぐら入り前なのか騒がしく飛び交うヒヨドリの仲間やインドハッカ

等々を眺めます。少し坂道を下り、ホテルの方の坂を見上げると、突然、ドデカい鳥が1羽、

高木の茂みから道路に舞い降ります。

 

デカい!一瞬ワシの類と思ったら、ビックリ・・・クジャクです。

 

このあと幼鳥らしき3羽がさらに舞い降りました。近隣のホテルで勤務を終えたらしい

地元の方が近くをバイクで通ったりしてもまったく逃げず。インドクジャク、調べたら

タイには野性下では生息していないらしいので、移入種になります。

 

早朝や夕方になると、ヨタカのような打楽器的なリズムでコ、コ、ココココココココッ・・・

と高木の樹冠から響き渡る声。いかにも熱帯雨林の雰囲気を醸し出してくれる

正体がやっとわかりました。見づらいですが、シロボシオオゴシキドリでした。

 

他にも前日や朝に見た種類の鳥がひっきりなしに飛び交い、大満足で

一旦ビーチに向い、家族と合流、ホテルを出て夕飯に、と思ったら、

先ほどまで鳥見していた入口付近の電線にカワセミのシルエット・・・

 

やっと見れたアオショウビン!以前のタイ旅で見た時は遠方でマメ粒サイズ、

初めて至近で見れました。夕方で薄暗く、きれいな背中の青も見たかったですが、

贅沢言いません。

 

鳥以外では、クリハラリスは1日何度も見かけるくらいの個体数、

一度だけ、こちらのヒマラヤホオジロシマリスを見かけたり。

 

都市部でも見られるミズオオトカゲも一度だけ。

 

カオラック最終日。早朝、当地最後のガチ鳥見で、これまで現れなかった

鳥に何種か遭遇。ホテル前の、バナナやココナッツが植えてある畑地のようなところ、

遠方にうごめく鳥が。これも想定外、のインドトサカゲリ。湿地でも無いところに

いるとは・・・環境適応力が高いのでしょうか。幼鳥1羽がそばにいました。

 

そして、何度かメタリックな青の腰をチラつかせ、なんだろう?と思っていた

鳥にようやく会えました・・・チャガシラハチクイです。ハチクイの仲間は

初めて。頻繁にフライングキャッチします。

 

午後にチェックアウト後、荷物を預けて車がピックアップに来てくれる

までの小一時間、最後に名残惜しく敷地内を散策していた時でした。ビーチ前、

ナンヨウショウビンに出会った芝生エリア、思い思いに宿泊客がくつろいでいる中、

巨大なカラス大サイズの鳥がバサバサと木にとまります・・・!も、もしや・・・の?

 

慌ててカメラを持ち出し、そーっと近寄ります。周りに宿泊客もいるので

それほど警戒心も無さそう。やはり!見まごうとなきシルエット、サイチョウの仲間!!

キタカササギサイチョウです!!!!

 

そのサイズ、巨大な口ばし、鳥というより、恐竜、動物、というような存在感。

 

鳥見あるある、もう撤収間際、あるいはガチの鳥見中じゃない時に限って、

スンゴイのが現れる・・・あとで知ったのですが、サイチョウの中でも比較的、

森林伐採等開発圧にも強く、都市部の大きな公園でも見られることがある種類とのこと。

それでも、熱帯雨林を代表するような鳥が最後の最後、登場してくれて感謝、です。

 

プーケット島に戻り、空港近くの安宿に1泊、翌朝帰国に向け出発。LCCあるあるの遅延で日曜夜の羽田空港発の京急終電に間に合わず、結局始発まで空港のイスで一晩明かすハメに苦笑。

 

ガチの鳥見旅では無かったので、鳥見用双眼鏡をお留守番させたことをちょっと後悔、

それでも、早朝や夕方等の空き時間の鳥見で、記事掲載以外にも下記の鳥を確認しました;

 

コサギ、不明アジサシ(@プーケット島)、シロガシラトビ、不明ワシタカ、

リュウキュウツバメ、マレーアナツバメ、オオハリオアマツバメ(たぶん)、ヒメアマツバメ、

チャノドコバシタイヨウチョウ♀(たぶん)、オオバンケン、オナガサイホウチョウ、

ミドリサトウチョウ、キビタイヒヨドリ、スズメ、シマキンパラ、ハシブトガラス

 

他に「なんだ今の?」みたいな小鳥に何度も遭遇、プラス5~10種はいたと思われます。

 

コロナ禍があり、久しぶりのタイ、物価も高くなったなあ、とか、野犬が少なくなったなあ、

とか変化を感じつつも、ゆる~くて大らかな人や町の気質は変わらず。学生時代~20代、

バックパック背負った貧乏旅行で東南アジアまわってた思い出が久しぶりによみがえりました。

 

一方で、カオラックに行く道中、道路両側にまるで工場のように無機質なアブラヤシや天然ゴムのプランテーションが、不気味なほど際限なく広がっているのを目の当たりにし、自分も大好きなカップ麺やスナック菓子、チョコレートにアイスクリーム・・・加工食品に使用されている「植物油」や「ショートニング」として大量に消費されているパーム油需要のために熱帯雨林がことごとく伐採・乱開発され、どれほど鳥や他の生物が追いつめられているか、テレビやネットの情報でなく、自分の目で見れたのは、珍しい鳥が見れた以上に一番の収穫でした。

スーパーやコンビニで買い物する際、RSPO認証(持続可能な、環境に配慮した生産方式によるパーム油)マークがあるやなしやが気になり、せめてものアクションを起こさねば、と・・・

 

ネットで鳥の画像や和名が簡単に検索できる時代となり、写真や記憶とネット画像を照合、種類を特定していくのが、鳥見を始めたばかりの小学生の頃、図鑑とにらめっこし、街中でも見られる冬鳥や漂鳥が識別できるようになってきて、「鳥っておもしろい!」と思った感覚と同じで、海外鳥見旅も、お金と時間の問題さえ無ければ、ドハマりしそうです。(この問題、そう解決しないんですが苦笑)

 

でも、国内の鳥でも、いまだにカモメの若鳥が苦手なレベルの識別力・・・精進せねばです。