南魚沼の鳥たち・後編(2023/4/30~5/7) | yoshiの鳥見Diary

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野鳥との出会い・ドキドキを求め、都心中心・たまに遠出・・・観察記です。

GW南魚沼での鳥見レポート、つづきです。

 

スキー場エリアから場所は変わり、5/2は国道沿いのハイキングコースへ。

標高を少し上げ、といっても700~800m程度だと思いますが、それでもより

深山の鳥に出会えます。

 

割と大きい河畔林もあり。時々クマタカが舞うことも。雪国らしい夏鳥、

ノジコも見かけたことがありました。

 

濁った地鳴きのコガラがお出迎え。高いところばかりで中々下にはおりてこず。
開けたエリアで定点チェックしていると、森奥からキツツキがスーッと近くに。

どういうわけだか、ここ2、3年、当地で以前は頻繁に出会えたアカゲラを

見ておらず、期待しつつ双眼鏡を覗くと・・・横腹に縦班、体もデカい・・・

 

アカゲラじゃない!オオアカゲラ!写真撮ろうと思った次の瞬間、森奥へ…。


オオアカゲラが飛び込んだあたりを懸命に捜索していると、何やら後ろからヒーッ、ヒーッと複数のか細い声が聞こえます。逆光の真上を見るとレンジャクの

ルエット!と思った次の瞬間、こちらも一斉に10羽弱の群れで飛び立ちます。

鳴き声からヒレンジャクだと思います。

 

どうもみんな警戒心が強く、じっくり見ることはできず。しばらく行くと、

渓谷沿いからオオルリの美声が割と近くに。ようやく姿もじっくり見られます。

 

雪解け水を集めた沢の多い南魚沼地方、夏鳥の中でもとりわけ

オオルリの生息密度は濃い方だと思います。

 

オオルリの姿と声を堪能し進むと、小さなトンネルがあります。くぐりぬけた

途端、「ギェッッ」というような大きな獣の警戒音・・・!

ギョッとなり、「クマ?」「カモシカ?」頭に獣の名前がよぎります!

ふと視線を感じ、山肌の上を望むと・・・ニホンザルでした・・・

 

トンネル抜けた出会いがしら、むこうもビックリしたのでしょう、こちらも

心臓がとまりそうで・・・熊鈴鳴らしておくべきでした。これがクマだったら

一発アウト・・・気をつけねば、です。

 

来た道を引き返し、オオアカゲラのいたエリアに戻ると、地上あたりを

スーッと鳥が。シーッというツグミ系の地鳴き。双眼鏡をのぞくと・・・

綺麗なクロツグミ!

 

距離はありましたが・・・シックな黒と白のコントラスト、

いで立ちといい、とても美しい鳥です。

 

しばらくするとかなり静かに。そろそろ路線バスで山を下りねば、

と思い、撤収モードに入りかけたまさにその時でした。

「ピッピリリロッチリリリチュイ」というような、ミソサザイとアオジの

中間のような音色と節回しの美声が、前方の地上付近からします。

 

今度はそのさえずりが樹上からします。地上付近から樹上に、

ホオジロ系の音色と節回し、でもアオジじゃない・・・当地では久しぶりの

ノジコ?! 一気にアドレナリンがでてきます。

 

懸命に声がする方を探しますが、それらしき小鳥はおらず・・・

それでも、声が明らかにするところにシルエットが、双眼鏡をのぞきます。

 

えっ・・・??

 

口開けてさえずっているように見えるんですが、これって・・・

キバシリだよね?と自問。

 

いや、近くに別の鳥がいるはず、と懸命に探すも、みつからず、

バスの時間まで残り3分、ダッシュしてギリギリ間に合う時間。次のバスは

2時間後・・・なんでよりによってこのタイミングで現れるかな・・・

後ろ髪ひかれつつ、バス停まで猛ダッシュし、なんとか間に合いました。

 

で、あとで念のためとYouTubeで「キバシリ さえずり」で検索すると・・・

まさにあの声、なんなくモヤモヤも解消・・・笑。こんなさえずりとは

知りませんでした。キバシリ=キツツキっぽい=美声なハズがない、さらに

過去にノジコを観た先入観や経験だけで安易に決めつけてはいけない、

と反省・・・。

 

日は変わり、5/5は少しだけ川の下流、山地からさらに開けた里山なエリアへ。

こちらの山の中に、味もボリュームも雰囲気もすばらしく、そのうえ

お値段も手ごろなイタリアンレストランがあり、昨年初めて行って以来、

家族共々今年も行くのを楽しみにしていまして、再訪しました。

 

昨年は、市民バスを利用したのですが、祝日は無く、調べにしらべて

途中までタクシー、そこから山道を行けば徒歩30分弱で行けるということで

ハイキングがてら歩きます。

 

低山ながらなかなかの急こう配。暑いし、クマは出そうだし・・・

でも、新潟、いや、日本が誇る野鳥の聖地、松之山のような良い雰囲気です。

初夏にはブッポウソウやチゴモズがいても全然おかしくありません。

 

汗だくになってようやくレストランのある開けたエリアへ到着。

田園に隣接する森からは、クロツグミの「キョロロン、キョコキョコ」という

美声が風に乗って爽やかに、優しく響きわたる・・・もうほんと・・・

桃源郷のような美しいところです。

 

サラダ・スープ(今回は新玉ねぎのスープ、絶品!)・パスタ・

ピザ2種類(←これがすばらしく美味い!)デザートにコーヒーもついた

コースで破格の¥1,900!山道を苦労して歩いてきた価値あり、です。

(車で行けよ、って話ですが・・・)

 

大満足で食事を終え、近くの小さな池を散歩していた時でした。

 

カワセミが飛んだり、地元の方が釣った雷魚の子供みたり、子供がみつけた

アマガエルみたりして一周して戻って休んでいた時、突然、携帯電話の

緊急地震速報がけたたましく鳴り響きます。

 

その数秒後・・・突然、真昼間で静かだった周囲の田んぼから一斉に、

アマガエルとシュレーゲルアオガエルが「ゲコゲコ」「コロコロ」、

うるさいくらい、何事か?というくらい鳴きだし、大合唱となります。

 

そしてその数秒後・・・農道にとめてある車がガタガタ言うくらい、

かなりの強い揺れ・・・能登半島が震源地の地震でした。当地は震度4、でした。

 

人間が感じる数秒も前に、カエルたちは何か感じていたのだと思います・・・。

あの大合唱、ちょっと不気味というか・・・怖かったです。

 

そして鉄道駅まで戻るため登ってきた山道をくだる道すがら、さらなる

ハプニングが・・・

 

車がすれ違うのにギリギリの幅の山道をくだっていくと・・・正面右下のカーブ

から、大型の犬、そしてバイクが共に走って上がってきます。

 

「ボルゾイ?こんな超大型犬をリードもつけずに、いくら人も車もほとんど通らない

山道だからって・・・やめてよ・・・」「念のため、子供を守らなきゃ」この間、

約1秒。人間の脳、意外と1秒でもいろんなことを考えられるものです。

 

次の2秒ほど、その間にもどんどん近づいてくるなか、ハッ!となりました、

「ボルゾイでも、ゴールデンレトリバーでも、アフガンハウンドでもない・・・

 カモシカだ・・・これ・・・!」

 

家族共々ただ凍りつくしかなく、わずか数メートルまでとなったところで、

バイクのクラクションに追われれるように、ニホンカモシカは山道の横に

それていきました・・・。バイクはそのまま、山の上の方まで、走り去りました。

 

子供は「まだ胸がどきどきする!」なんて言って、親的にはGWのいい思い出に

なった、なんてその時は思いましたが、冷静に振り返ると、両サイド、崖や

ガードレールがあって横に逃げることができなかったとしたら・・・と思うと、

ゾッとします。

 

バイクに追われるカモシカに出会った山道。

 

ああ・・・ずいぶん長々と文章ばかりになってしまいました(苦笑)。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

1週間前が夢のよう・・・今すぐに戻りたいです・・・!

 

<4/30~5/7 南魚沼地方で確認した鳥(Sは声のみ)>

カワウ、アオサギ、カルガモ、コチドリ、イソシギ、トビ、ノスリ、サシバ、
カワガラス、ミソサザイS、ヒヨドリ、サンショウクイ、メジロ、キジバト、
ツバメ、イワツバメ、カワセミ、ヤマセミ、キセキレイ、セグロセキレイ、

ハクセキレイ、エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ、コガラ、コゲラ、

アオゲラ、オオアカゲラ、キバシリ、ツツドリS、ヒレンジャク、ウグイス、

ヤブサメ、センダイムシクイ、エゾムシクイS、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、コルリS、クロツグミ、アオジ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル、シメ、ヒバリ、

スズメ、ニュウナイスズメ、ムクドリ、コムクドリ、カケス、ハシボソガラス、

ハシブトガラス 計54種