琉球の鳥たち(2023/3/30~4/3) | yoshiの鳥見Diary

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野鳥との出会い・ドキドキを求め、都心中心・たまに遠出・・・観察記です。

先週末になりますが、子供も春休み、ムリクリ休みを取って

沖縄旅行に行ってきました。

 

アジアな空気、自然、文化、食、音楽、人・・・沖縄大好きですが、行くのはどうしても夏休み、春のこの時期に行くのは初めてです。那覇空港に到着、外に出た瞬間、あのモワ~ンとした熱帯特有の、湿気を含んだ甘い空気、「あ~キタ~!」となります。今回は春ということで、花の香を含んだ、より一層甘い香りがしました。

 

最初の2泊は那覇にも近い宜野湾。初めて滞在するエリアです。ペーパードライバーの私、どこにいくにも公共の交通機関利用、この不便さにも慣れましたが(苦笑)、ホテル近くのバス停に到着。むこうの海には宿泊先のホテルがみえます。てくてく歩く道中、早速リュウキュウツバメや胸が少し赤茶色のヒヨドリ、そしてイソヒヨドリが出迎えてくれます。茂みからはシロハラらしい「シーッ」という声も。ホテルにチェックインし、部屋の窓から東シナ海を望むと、突然目の前にミサゴが現れたり。

 

翌朝、朝食前に一人早朝に起床し、待ちにまった鳥見タイムです。海沿いの公園、いい感じの広~い芝生広場があったり。3月末~4月頭のこの季節、もしや渡りの珍鳥に出会えたり・・・と期待が高まります。

 

開けた公園、まず目につくのはクロツグミばりの美しいさえずりを響かせているイソヒヨドリ。それにしても綺麗なオスばかりが目立ちます。

 

曇天下ながら強烈な色彩を放つイソヒヨドリ♂

 

夏に沖縄旅行で見かけるイソヒヨドリ♂、黒っぽい個体しかみたことなく、勝手に沖縄産の個体はそういう色彩なんだと思っていましたが・・・若鳥や、換羽中など、時期的なものだったのでしょうか。どの個体もすばらしく青と赤のコントラストが明瞭です。

 

そして、こちらも南国の鳥らしい声と姿のシロガシラ。タイワンシロガシラという移入種らしいですが、やたら目につきます。学生~20代の頃、沖縄に行ったときには殆どみかけなかった記憶あり。増えているのでしょうか。

 

その後、海岸にシギチの姿を求めるもまったくおらず・・・

 

なぜかビーチにカワウがいてビックリ。後でネットで調べると、こちらも最近、ここ沖縄でも急激に数を増やしているらしいです。

 

にしても・・・他になんにも見当たらず・・・。芝生にヤツガシラとか・・・なんていう淡い期待は幻想に終わりました(苦笑)。

 

ホテルに戻り朝食後、普天間を過ぎた北中城村にある中城(なかぐすく)城跡めぐりに出発。またしても路線バスを駆使して、です。(疲れる・・・)

 

なんとか到着、城壁のすばらしい曲線美、眺望を楽しんだのち、徒歩10分程度のところにある「中村家住宅」という琉球伝統家屋を見学に行くことに。

 

すでに城跡巡りでヘトヘト、そして3月末ながら晴れ間となると日差しが強烈、そんな中、城跡のある丘陵地帯を貫く国道をゆっくり歩いていくと・・・前方の電線にハトがとまっています。

 

キジバト?にしてはなんか大きいような・・・。色彩が判別できる距離まで近づいていくと、思わず足がとまりました。「みどり・・・」「沖縄で緑のハト、アオバトでなくて・・・もしや!?」普段鳥見に使用している双眼鏡はガチの鳥見旅ではないので東京でお留守番。「あれ、あそこの、ズ、ズアカアオバトかも!」ひとりテンパり、首から下げてた愛機のコンデジをいじりだす私に、「へえ。」とつれないリアクションの家族。必死に焦点合わせ、撮りました。

 

アオバトと異なり、胸のもえぎ色が無く、下腹部も白っぽくなく・・・お腹全体一色、まるで沖縄の路地に実っている青いパパイヤのような緑色です。

 

そのうち、小声で「オーアオーアーオ」と、鳴きだしました。「かわいい声!」と妻。たしかに、アオバトよりもさらに優しい感じ、笛でも吹いているようです。

 

しばらくしたら、飛び去りました。

 

それにしても・・・!!これまたガチの鳥見でないときに限って予想もしない鳥に出会う・・・またもあるあるです。ズアカアオバト、夏にリュウキュウアカショウビンを見た北部エリアや、南部の、森のあるエリアでも見たことが無く・・・初見です!しばらく興奮冷めやらぬ、でした。

 

ズアカアオバトに出会った国道から、世界遺産・中城城跡を望む。豊かな森が残されています。

 

3日目、宜野湾から移動し、読谷村へ。午後になってあいにくの雨模様。夕方、雨があがり家族で海まで散策。夕暮れの中、サトウキビやイモ畑の中を歩くと、強風吹き荒れる上空にシギ・チドリの10羽ほどの群れが!シルエット・サイズ感からムナグロでしょうか?ようやく旅の途中の鳥に出会えてうれしいです。

 

翌朝、期待に胸をふくらませ広大な畑エリア⇒海まで鳥見!連日歩き疲れた体にムチ打って早起きしてひとり出かけます(苦笑)。東シナ海に突き出た読谷村、春の渡りの絶好の季節、広大な畑地帯・・・もう俄然、期待値が高まります。

 

が・・・イソヒヨドリ、タイワンシロガシラ、ヒヨドリ、キジバト・・・どうも同じメンツばかり。

 

近くにシロガシラが来たのでパチリ。移入種かもですが、美しい鳥です。

 

特に翼のもえぎ色、光が当たるととてもキレイです。

 

セッカもいたるところでさえずり飛翔、沖縄ではちょっとでも草むらがあるといるような、

生息密度の濃い鳥です。

 

小さな溜池をのぞくと、コチドリとイソシギがいたり。

 

オオバンのそばから赤いくちばしのクイナ類、シロハラクイナ?!ではなく、バンでした・・・。海岸にもシギチはまったくおらず。

 

日中は、座喜味城というグスクへ。こちらに向かう途中、村役場でタクシーを待っていた時です。綺麗に手入れされた緑の多い中庭(?)で待っていると、

 

「ピルルルルル、ピルルルル」虫のような、抑揚のない聞き覚えのある声、「リュウキュウサンショウクイ!」と口走しるも、リアクションの薄い家族(苦笑)。これまた夢中でパチリ。

 

南国の日差しがよく似合う、オスのリュウキュウサンショウクイ。

 

巣材らしきを加えたメス。

 

営巣場所が近いようで、なんだか警戒しているよう、すぐに立ち去ります。それにしても、ここ数年、なぜか関東でも越冬組の常連となりつつあるリュウキュウサンショウクイ。やはり沖縄の自然が似合います。

 

翌日最終日も、早朝に宿近辺探鳥するも、前日とほぼ変わらないメンバー。キセキレイが溜池近くにいついていたのですが、それとは色味が違うセキレイが池から離れた畑地帯にいて、もしやのツメナガセキレイ?と、懸命に探すも草むらに紛れみつからず・・・。あと大型のチドリ、種不明が飛ぶのをみかけたくらい。

 

特に読谷では、北上中のシギチに加え、ツバメチドリ、ツメナガセキレイ、レア系タヒバリ、あわよくばミフウズラ・・・なんていう期待があったのですが、見事に空振りでした(笑)。

 

それでも、夕暮れの荒天の中、懸命に飛び回るムナグロらしきチドリを目にしたときは、なんとも熱いものがこみあげてきましたし、偶然、ズアカアオバトに出会えたことは本当に幸運でした。

 

いつかガチの鳥見旅で、沖縄本島、そして離島にもいってみたいです。

 

これからここ東京でも、南国から渡ってくる鳥たちが通過していく季節となります。出会ってエールを送ってあげたいです。