乗り越えなければいけない壁の数々 | Piece by piece. The next step and beyond.

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人生はパズルを1ピースずつはめながら作っていくもの。夢を叶えるため、日々パズルのピースを探し求めています。

空と飛行機をこよなく愛する元フライトドクターの日記です。

はいさい!(←やっぱりこっちのほうがしっくりくる(^^) ヨシバードです。

 

七月も今日で終わりですね。日本は夏休み、お盆と「夏」本番到来だと思いますが、赤道直下のこの国では四季はありません。夏至、冬至もなく毎日ほぼ決まった時間に太陽が昇り、沈んでいきます。ただ、経度的にはバンコクとほぼ同じなのに、だいぶ東寄りの台北と同じ日本-1時間で標準時は設定されているので、太陽が7時前に出て、7時半過ぎに沈むという朝は日本の冬、夜は夏並という変な感覚です。


ルームメイトのT君は今日新天地ドバイに飛び立ってしまいました。昨夜は搬送があったため帰りが深夜となってしまい、大したお別れの挨拶もできず申し訳ないことをしちゃいました。でも同じ会社で働いてればきっとまたどこかで会うでしょう。でも、さすがに一人だとガラーンとしすぎてる。今週から来週にかけてまた世界各地から人が集まり、満室になるみたいなのでそれまでの一人城主です。


このまま生活編だけだと、「旅行してるだけなんじゃないのー?」と突っ込まれそうだから、今日は仕事ネタをちょっと




トレーニングも明日で折り返し地点。先週は講義の中間試験がありました。OPENTEXTというなんとも欧米系な試験形態でしたが、問われるのはこれまでの講義を実践応用に活かせるかというもの。ネットからの情報を駆使したり、社内情報を活用して問題を解いていくので頭をフル回転しました。




そして、今週からは本格的に実際のアシスタンスセンターでのOJTが始まりました。あふれる情報から、瞬発的に患者に必要なものを選択していかないといけません。これまでやっていた救急医療のERでの業務を英語でTelemedicineで行うんでしょと思っていましたが、それが甘すぎたことに気づかされました。



医学はあくまでも最低限必要な知識の一つ。

まずは、語学の壁。一般英会話ならまだしも、医療英会話を常時話すというのは思いのほかしんどいものです。特に電話品質の悪い途上国からのコールは、ただでさえ聞き取りにくいのに、それが訛りの強いフランス英語だったり、インド英語だったりすると本当に何をいってるのかさっぱりということもあります。しかも、患者さん本人からだったりすると声も弱いので更にヒアリング環境は劣悪化します。

 

そして、次々と入ってくるタスクに対応するためには、聞きながらのTypingが必須。救急室では診察優先で、カルテ記載はあと回しだったので、訴えと症状を聞きながら診断名を思い浮かべ、鑑別に繋がりそうな質問を「英語」で行って、尚更パソコンで同時記載いくのは至難のわざです。医療クラークさんがほしいです

 

「ちょっと待ってね」と電話を切るわけにはいかないし(場所により再度つながる保証なし)、電話で沈黙してしまうこともできないですからね。

 



先輩ドクターたちは「目かくしをされて、手を縛られた状態で診察しているものだよ」とはよくいったもので、電話での声のトーンや強弱と、問診内容から患者の重症度判断、どういう希望があり、医療アシスタンスを提供していくのか考えるのが、Coordinating doctorの仕事ですが、乗り越えなければいけない壁はまだまだあり険しいです。


 

タイムリミットはあと3週間。野に放たれるまでに、日々右脳左脳を最大限に使って成長していくしかありません。

 

Piece by Piece。来月までには使い物になれるように頑張ります!