昭和残侠伝 血染めの唐獅子(1967) | YOSHI DESIGN

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            昭和初期の浅草を舞台にした任侠映画。


          ご存知「健さん」主演であります。

          鳶職(とびしょく)を中心に当時の風俗が描かれている。


            仲見世通りのセットも思いっきり狭くしています。


            半纏(はんてん)の模様もモダンだな。


     芸者の染次(牧紀子)さん、秀次郎(高倉健)が除隊してくるので嬉しそう。

             後ろは(雷門)のセット(仁王様の足だけ)


             「染めちゃん きれいになったね」

             「まぁ、嬉しい事を言ってくれて」


             いいですねぇ染次さん、色っぽいなぁー


          「あ、兄貴 ふ、文ちゃんが、 待って いる ぜ」

           弟の竹(津川雅彦)。どもりの役が際立っています。


                「ただいま帰りました」

               健さん得意のケーレイ・ポーズ。


               「着物が縫える様になったんだ」 と

          まぬけなセリフにこの顔、ちょっと珍しい健さんですね。


      「ヤボな秀さん 3年も待っていたのよ

       帰ってきたら そっと後ろから 抱きしめてくれると 思ったのに」

       と文さん(藤純子)可愛いこと言ってくれますね。


          纏頭(まといがしら)の音吉(山城新伍)は

          染次にホレていて、せっせと通い詰めているが

          借金の片に身請けさせられそうになっている事を知る。


          纏(まとい)を質草に金を染次に渡す音吉。

          染次の縦縞の着物が粋だねぇ。


         「おい染次、無理に俺にホレなくたっていいんだぜ

          金でお前ぇを縛ったりしやしねぇよ

          その替わりお前ぇがホレている誰かを諦めるまで

          俺は待たせてもらうからよ 江戸っ子だけど気は長ぇんだよ」


          グッとくる粋なセリフ廻しですねぇ。


        こちらの半纏の模様もいいね。(政)の字は無い方がいいかな・・

        文の兄、重吉(池部良)も渋いぜ。


          堪忍袋の尾が切れて殴り込みに出かける秀次郎に

       「あんたが着てくれて 喜んでくれると思って 縫った着物なんだよ

     死装束(しにしょうぞく)の為じゃないんだよ」 と文の口説きが泣けます。


         連行されていく秀次郎がすれ違う文に、そっと身体を押す。

         何も語らず、目も合わせずに、情愛が伝わる見事な場面です。

         背中の唐獅子牡丹(からじしぼたん)がはだけてしまったので


          そっと振り向いて着物を掛け直す所作の美しさ

          決めてくれました。

          いよっ 音羽屋!(これはまだ先か)