左官体験 | 建築家のお話

建築家のお話

建築士とFPの資格を持つ主婦建築家がもろもろ情報をお届けします

先月になりますが、左官の勉強会&体験会に参加してきました。

お邪魔しましたのは、左官材料を扱われるTOPの会社、富沢建材 さんです。

今回の体験では、30センチ角のパネルに下塗りをしてあるのが準備してありまして、それに上塗りで土や漆喰を塗っていくというものです。



写真はまだ下塗りの状態のパネルが並んでいるところ。

体験というのはワクワクしますね。
建築家のお話-左官








まずは土壁つくりから。

むむむ。こて跡がついてしまいます。なかなか平滑にするには、コツと慣れがいりそうです。

建築家のお話-左官


お話を伺って驚いたのですが…、『左官』や『土壁』は、ビニールクロスの仕上の普及に押されて、一般住宅ではあまり見なくなってしまいましたよね?ですから、よい職人さんたちも減りつつあったわけですが…



そこまでは知っていましたが、さらに、左官職人さんの命、こてを作る職人さんも減ってきてしまっているそうです!
最近はまた土壁や漆喰壁に、人気が出つつあるのに、左官職人さんたちが必要な、こてを作る方がいなくなっては大変です!

というわけで、需要と供給の関係が成り立つ為に、新築やリフォームで左官壁を使用してみませんか??

寝室だけ、リビングだけ、と特定の部屋だけでもOKですよ、もちろん。

建築家のお話-左官




次は漆喰壁です。

土壁より、なめらかで塗りやすい感じがしました。
建築家のお話-左官


一通り平滑にして、ある程度水分が飛んだところで、わらをセンス良くまいて…

またこてでならして出来上がりです。
建築家のお話-左官




ところで、『土壁』や『漆喰壁』というと、「茶色い壁や白い壁しか作れないのでしょ?」

という印象はありませんか?






実はこの通り…






真っ黒なレザーみたいな風合いや、赤や黄色。
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茶色い土壁でも、ライン入りだったり。
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こんな風に、土でも種類によって色が色々。

建築家のお話-左官


風合いも、漆喰なら、ぴっかぴかのツルツルから、ざらっとした質感、とこれまた色々なデザインが可能ですよ。





先日、湿気で1階の寝室がカビ臭くて気になる…というお家を、ビニールクロスから漆喰壁へとリフォームしましたが、施工後はカビ臭さが消えたそうで。

漆喰の調湿効果が有効に働いたことと思われます。

1日の1/3も過ごす、寝室だけでもビニールクロスをやめて左官壁にしてみる、というのはいかがでしょうか?



ちなみに、珪藻土については製品によってはあまり調湿機能の高くないものもあるそうで(湿気をよく吸うけど、あまりはき出さないとか)、よく吟味する必要がありそうです。