星はなんでも知ってるか? | あなたの夜を埋める物

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 5/5売りのFRaUを買ってきた。『星座と私の運命─幸せをつかむ勝負日』という表紙の占い特集号だ。
 私は初めて本屋で親に買ってもらった本が小学生低学年向き学研まんがの『星座うらない』で小学校高学年の頃に買い始めたプチバースデイを皮切りにマイバースデイ・増刊マイバースデイ(Misty)そしておまじないの本と実業之日本社の占い本を愛読していた占いオタクだった。
今でも誕生日を聞けば何座かわかるし、相性に関係のある12星座の火・水・風・地の“エレメンツ分け”もクイズに出されても回答できる。1~2年に一度は付録でついてくる『大アルカナ・タロットカード』も丁寧に切り抜いて占っていた。

 たいていクラスに一人は『タロットカード使い』の女子がいて放課後教室の隅でクラスメートの恋の行方を占ってあげていたが、私が誰かを占うことも、彼女達に占ってもらうこともなかった。マイバースデイに書いてあった「あなたひとりが占うためのタロットカードには正しい答えを導き出す為にも、他の人には触れさせないようにしてください」という“タロットの掟”を死守したかったのだ。
マイバースデイを読んでは「あの子は牡牛座だから私と合うな」とこっそり友人・知人を分析し、ひたすら自分の幸せの為にデータを活用←嫌な娘だな。それだけ本気で信じていた訳だ。おお恥ずかしい。
 こうして少女時代に深く、長期に渡って占いにのめり込んだわりに少女心に「占いと現実との噛み合わなさ」の限界を感じ、高校生になってからはどの雑誌にもある『今月の占いページ』すら見なくなっていた。


 初めて見たFRaUの占い記事は “大人の女性誌”らしく『○○座が昇天する体位』とか、姓名判断の結果をホステスのタイプで仕事運と金運を見る『黒革の運命帖』といった微笑ましい占いもあったが“「リスク時代」の到来と声高に叫ばれている。もはや安心して暮らしを続ける事はできず、日本国民すべてが何かに「賭け」ていかなければならない時代になったということだ…” といったビジネス書の様な硬い文章がびっしりで読んでいて疲れてしまった。

 “占いを信じますか?”と聞かれて「いいことだけ信じる」と返す人が多いが、占いを信用してしまう基準は「悪いことが当てられた」ときではないだろうか。

 私が少女心に感じた「占いと現実との噛み合わなさ」というのは、既婚者なのに“今日のラブ運最高、新しい出会いが!?”恋人もいないのに“デートでパスタを食べると二人の仲は急進展”という活用のしようのない運気を出された時に感じるむなしさだ。占いのいい結果というのは「星のアドバイスを受け止め、努力した者にだけについてくるおまけ」なのだと大抵の占い本にこういった意味の注意書きがある。

 ならば「悪いことが当たっていれば書かれているいいことも信用できるんじゃないか」という考えになってしまいそうになったが、いいことより悪いことの方が多い、目立つ、強力、それが人間。占い師に最初に「あなた今悩みがあるわね」「身体の調子がおかしいでしょう」と言われると、どの人にも大なり小なり必ずあるものだから、必ずヒットして客はその占い師を信用してしまうのだそうだ。まあ、全部がそういう占い師じゃないだろうが、まず悩みがなかったら占いに来ないって。


 そういえば専門学校時代に一度だけ学割のあるモザイクにあった占いハウスで手相を見てもらったことがあるが占い師のおばさんが通常手相占いの合間にしていた話を今でもよく覚えている。
「パッと手の平を出した時に中指と薬指の間が開いている人は兄弟の縁が薄いの、反対に間が近いと仲が良いってことなんだけど、あまり仲が良くてもお金で頼られたりね……いくら兄弟でも少し離れている方がいいのよ」とおばさんのしょっぱい人生が垣間見えたり、最後の方には「手の平が黄色い人は肝臓が悪い」と言って「それは占いじゃないだろう」と思った記憶がある。


 女にとって占いは希望なのか気休めなのか、はたまた自分の人生への言い訳なのだろうか?


FRaUホームページ

 http://www.joseishi.net/frau/index.html