ある保護者から質問がありました。
「作文のネタはどこから仕入れるんですか?」
僕は「新聞やニュースを使いましょう」と答えた後、
実際に新聞を使ってネタ集め法をお話ししました。
「新聞を読みなさい」みたいな話はよく聞きます。
しかし、作文や小論文を書くために
新聞を上手く利用するにはコツがあります。
僕にとっては当たり前のことでも、
生徒や保護者の多くは案外それを知らないものです。
だからこそ、
方法論をしっかり教えることが大切なのです。
さて、新聞というと、
多くの生徒たちは一面記事を見ます。
しかし、作文や小論文を書く上では、
一面記事はほとんど役に立ちません!!
一面記事に載っているのはタイムリーな話題です。
一般常識としてそうした話題を知るには有用な面ですが、
自分の意見を書く上では情報が足りません。
一面記事に載っているのは、事件や出来事の概要だけです。
それだけ見て考えた意見は、大抵薄っぺらいものになります。
「●●県▲▲中学校でいじめ自殺が起きた。
被害者の少年が同級生から金品を奪われていたという。
このような悲劇を二度と繰り返してはいけない。」
こんな誰でも書けるような作文を書いてもダメですよね?
もちろん、社会面を見れば、
事件や出来事のことがもう少し詳しく書かれています。
それでも、作文や小論文のネタにはなりません。
なぜなら、それらの記事には、
事実の概要しか書かれていないからです。
作文や小論文で大切なのは、
事実を淡々と紹介することではありません。
「自分の意見」を述べることが大切なのです。
とはいえ、ここでいう「自分の意見」とは、
オリジナルの意見である必要はありません。
以前こちらの記事 でも書きましたが、
意見はどこかから拝借すればいいのです。
ただし、そうした意見は
筋道が通っていなければなりません。
論理的な構成を大切にしながら、
作文や小論文を書いていくことが求められます。
そうした構成の参考になるのは、
一面記事や社会面ではなく、
文化面や科学面、暮らし面、社説などです。
そうした面には、
過去の事件や文化に関する情報があり、
識者の意見や対談が載っていることもあります。
情報がまとまっている上に
さまざまな意見まで読めるのでお得なんですね。
基本的には、これらの面から情報収集し、
ファイリングやスクラップブック作成を通して、
情報や意見をストックしていくことがコツなのです。
「そんなの当たり前じゃん!」
そう思う大人は多いでしょうが(多いと信じたい)、
ほとんどの子どもたちは新聞の一面記事しか見ていません。
そんな子どもには、
「新聞を開いて、中も読んでみようね」
とアドヴァイスしてあげましょう!