先日、家庭教師先の生徒に
数学を教えていたときのこと。
その生徒が「40÷5×30」という式を書いたので、
僕は「どうして40÷5にしたの?」と質問しました。
僕の質問に対して生徒が答えました。
「細かくするため」
「はぁ?『細かくする』って何?
細かくしたいだけなら40÷5じゃなくて、
40÷10でも40÷100でもいいんじゃないの?
君の言ってることは意味わかんないんだけど?」
僕の厳しい追及に
その生徒があたふたしたのは言うまでもありません(笑)
さて、この生徒に限らず、
数学や算数が苦手な生徒の特徴として、
あいまいな言葉を使うというのがあります。
「細かくする」「小さくする」「大きくする」「1つ消す」「2つある」……
これらの言葉の何が問題なのでしょうか?
数学や算数の勉強では、
あいまいな言葉は数式化できません。
数式化できない思考に頼っている限り、
文章題などをまともに解けないということです。
先ほどの40÷5にしても、
「40個を5人で分ける」「1mあたりの重さを求める」など、
具体的な数値と四則計算の記号(+、-、×、÷)
に変換できる言葉でまずは表現できなければなりません。
「細かくする」では、
どういう式を作ればいいのか?
が見当もつかないということです。
僕ですら見当もつかないのですから、
そういう思考をしている生徒は
当然の結果として大混乱に陥るわけです。
「あれっ?40÷5だっけ?5÷40だったかな?
いや、そもそも40と5はかけるんだったような……」
生徒の頭の中はグダグダです(笑)
何の根拠もない思い付きがどんどん噴き出した挙句、
「何となくこれ!」という直感で立式して×を食らいます。
あいまいな言葉は、数学や算数では有害です!
こうしたあいまいな言葉の使用を禁止して
数式化を前提にした思考を鍛えていくことで、
数学や算数が苦手な生徒の中から
その苦手意識が無くなっていくはずです。