褥瘡 | care_matsu

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臨床的には、患者が長期にわたり同じ体勢で寝たきり等になり、体と支持面(主にベッドや布団)との接触局所で血行不全が生じることにより周辺組織が壊死を起こしたものをいう。
床ずれとも呼ばれる。

原因としては外的因子と内的因子に大別される。

外的因子 …外力に対して組織内部に発生する内力としての応力が主たるもの。
身体とベッド等支持面との接触部分にかかる応力は2つに分けて考察される。
1.組織に垂直に作用する圧力(いわゆる「体圧」)に対して生ずる圧縮応力
2.組織と支持面の間の摩擦・ずれにより生じる引っ張り応力・剪断応力

内的因子 …加齢、低栄養、麻痺、乾皮症などの皮膚の状態等多岐にわたる。
通常検査は、血液像(特に貧血の有無)、血清アルブミン、血中の亜鉛の定量など。

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仰臥位で生じる部位
肩甲骨部、肋骨角部、脊柱巨棘突起部、仙尾・仙腸部、踵骨部

側臥位で生じる部位
側頭部、耳介、肩峰部、肩甲骨部、肋骨角部、腸骨稜部、大転子部、腓骨頭部、内・外踝部

座位(車椅子の使用時など)で生じる部位
尾骨部、坐骨部


褥瘡は、やむを得ない発生事例もあるとはいえ、予防の余地の大きい疾患である。
褥瘡のケアの基本は、除・減圧(支持面の調整と体位変換)、皮膚面の保湿と保清(清潔)、栄養管理が主体となる。入浴(不能な場合はせめて足浴)は創の有無を問わずおおいに推奨される。また、水出納の管理(脱水予防)も含め、近時では管理栄養士の役割が飛躍的に重要となっている。他に重要な関連職種として、薬剤師、リハビリテーション療法士があげられる。

●体圧分散寝具を使用する。メディカルムートン(羊毛皮)・ウレタンフォーム(単独・複合)マット・エアマット(圧切換型・静止型)・ウォーターマット・高機能寝台(自動体位変換)などがある。
●定期的に十分な体位変換を行う。2時間ごとが基本とされるが、最近では上記の体圧分散寝具を使用した上で、4時間あるいはそれ以上の間隔で行なわれる場合もある。最近では褥瘡などの創傷治癒に特化した皮膚・排泄ケア認定看護師が活躍している。
炎症除去と皮膚局所の血行改善に努める。炎症除去にはステロイド外用剤が使われることもある。血行改善といっても、褥瘡部位の組織・血管は脆弱化していると考えねばならず、創局所のマッサージやドライヤー等による加熱・乾燥は禁忌である。
●表皮にびらん・潰瘍が生じた場合には、創の乾燥を防ぎ湿潤環境を保持する治療である湿潤療法(moist wound healing)が創治癒の基本である。この目的のためには、創傷被覆材による創面保護が一般的に第一選択である。ただし、感染や壊死組織がある場合にはその管理を優先させる。
●湿潤療法以外の治療としては、肉芽形成・上皮化促進のため外用剤が使用される。ただし同様に、感染や壊死組織がある場合はその治療を優先させる。
●水疱は疱蓋のむやみな破壊を避けるのが原則であるが、実際には臥床生活の中で自然に破壊されてしまうことがしばしばである。このため清潔に小孔を開け水疱液を排出(穿刺)することも考慮してよい。
●創はまず洗浄を定期的に(毎日)行なう必要がある。洗浄は、創周囲をむしろ主に、薬用石鹸等を使用して愛護的に行ない、生理食塩水や水道水などでよくすすぐようにする。