倒産閉学の大学の先生と学生の教育環境について

 

 最近の18歳人口のさらなるいっそうの減少のために、全国の大学の閉学倒産を伝える報道がいっそう巷間を賑わせている。社会において、また、受験の高校生たちの間で、そのように倒産閉学する大学について面白可笑しくうわさされている。

しかし、日本全国のすべての大学が閉学倒産したり、その危機にあるのではない。現在、閉学倒産したり、その危機にあるのは、小さな私立大学、そのような大学は日本では、たいてい、女子だけを学生とし、大学全体の学生定員が4000名前後以下である いわば小さな私立女子大学だけである。

先日、報道で知得したが、九州の福岡市内に所在する福岡女学院の大学が次年度から入試を行わないということである。これは、次年度から、新入学生を入学させないで、現在の在学生がすべて卒業する数年後に、福岡女学院の大学は閉学するということであろうか。福岡女学院によれば、新入学生の人数の著しい減少が次年度入試の中止の理由であるようである。

数年後には閉学すると決定したことで、それまでの閉学以前の数年間について、在学生は大変に教育を受ける環境が悪くなるのではないのかと憂慮する。

福岡女学院の大学の先生たちは、閉学後、基本的には労働法で認められる適法な解雇になる。倒産閉学した大学の先生は、収入がなくなる。倒産閉学した大学の先生は、大学の閉学倒産によって、住宅ローンの破綻やそれによる破産という事態に遭遇する可能性が高くなる。

それで、倒産閉学の決定が行われた大学の先生たちは、大学閉学までの可及的早期に他の大学に移りたがり、そのために、あちらこちらに、他大学への自分の転任運動を行い、数年後の閉学が決まっている現職の大学での授業は休みがちになるのではないか。それでは、学生たちは十分に授業を受けることがままならなくなる。

数年後の閉学が決まっている大学の先生たちが授業を休みがちにするのは、他大学への自分の転任運動のためだけではない。数年後の閉学が決まっている大学の先生たちが自宅の住宅やマンションを購入するのに当たって組んだ住宅ローンの返済や住宅ローン破綻回避のためにも、数年後の閉学が決まっている大学の先生たちは授業を休み、他の大学に転任し移ろうとする。

大学の先生たちが大学閉学で、大学から解雇され、収入がなくなり、住宅ローンが所定の金額で数か月に亘り返済することができなかったら、それは住宅ローン滞納になる。住宅ローンを滞納している大学の先生は、いわゆる個人信用情報機関に金融事故の記録が登録される(いわゆる ブラックリスト化 される)。これは書類上のことであるので、住宅ローンを滞納している閉学倒産の大学の先生がブラックリストに登録されているという事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。

金融機関の住宅ローンの場合たいてい、自宅を担保に住宅ローンが組まれている。住宅ローンの返済ができなくなった場合、金融機関は担保にとった自宅について、裁判所に差押を申し立て、裁判所は職権で差押さえの法務局登記を行う。この差押えで、住宅ローンの債務者である住宅の所有者としての閉学倒産の大学の先生は、恣意的に自分だけの一存で自宅を処分することができなくなる。これも書類上のことであるので、住宅ローン滞納の大学の先生の自宅が裁判所の職権で法務局登記で差押されているという事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。しかし、これは、住宅ローン破綻の入り口である。

倒産閉学の大学を解雇され、収入がなくなった大学の先生がそのように住宅ローン返済を数か月に亘って滞納すると、住宅ローン滞納の大学の先生は、数十年に亘って分割で住宅ローンを返済する権利を喪失する。

それで、倒産閉学の大学を解雇された住宅ローン滞納の大学の先生は、金融機関に対して、住宅ローンの残額を 全額、一括で、 返済するように金融機関から求められる。金融機関は、そのような残額全額の一括と即刻の返済を、先ずは、以上の通り、住宅ローン借主である解雇された大学の先生に求めるが、そのように返済されない場合、次に、住宅ローンを組む際に住宅ローン返済の保証を行なった保証会社に求める。

保証会社は、通常、金融機関からのそのような返済の求めにはすぐに応じる。これも書類上のことであるので、この事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。保証会社のこの返済は、住宅ローン借主としての解雇された大学の先生という本来の住宅ローン債務者に代わる保証会社の債務者住宅ローンの代位弁済である。そしたら、保証会社が金融機関に代わって、自分が今度は、住宅ローン借主の大学の先生に対して、住宅ローンの貸主になる。これも書類上のことであるので、この事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。

それで、住宅ローン借主の大学の先生に対して今や債権者となった保証会社は、住宅ローン借主の大学の先生に対して、自分が肩代わりした、言い換えれば、代位弁済した住宅ローン残額返済金を 即刻、全額で 求償するように求める。これも書類上のことであるので、この事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。

住宅ローン借主の大学の先生が保証会社のその求めに応じることができない場合、保証会社は、裁判所に対して、住宅ローン借主の大学の先生が所有するが、すでに裁判所の職権での差押登記が行われた大学の先生の自宅について競売を申し立てる。その競売を裁判所が認めると、裁判所から「競売開始決定通知」が住宅ローン借主の大学の先生に送達される。これも書類上のことであるので、この事実は、その先生の自宅の近所の人たちには知られない。

ところが、その後、競売に向けての準備のために、裁判所の執行官が住宅ローン借主の大学の先生の自宅を調査のために来る。その際、裁判所の執行官は、外観や室内の写真を撮ったりして、競売の基準価格を決めるための査定を行うが、この時、同伴させた不動産鑑定士に自宅不動産について調査させる。これは書類上のことではなく、昼間に、裁判所の執行官が不動産鑑定士を帯同させて、その2人で、住宅ローン借主の大学の先生の自宅の内外だけではなく、自宅近所や自宅周辺道路などを歩きながら、写真撮影したり、メモ書きしたり、話し合いしたりしながら、競売対象である住宅ローン借主の大学の先生の住宅について調査するので、競売対象である住宅ローン借主の大学の先生の住宅が住宅ローン破綻のために競売されることになったという事実は、その先生の自宅の近所の人たちに知られる。

そして、住宅ローン借主の大学の先生が所有する自宅について公開の競売が実施される。競売で競売先という競落先が決まる以前に、住宅ローン借主の大学の先生とその家族全員は、競売対象である住宅から退去引越しをしなければならない。

大学の先生本人とその奥さんは羞恥心で耐えられず、子どもも泣き叫ぶので、近所の人たちに知られないように真夜中に引越し夜逃げする場合もあれば、昼間、近所の人たちに退去引越しの挨拶と住宅ローン破綻と大学の倒産閉学による大学解雇での収入途絶という理由説明を行いながら退去引越しする場合もある。

それらの何れの場合でも、住宅ローン借主の大学の先生が勤務する大学の閉学予定が報道された時から、また、元々、裁判所の執行官が来ていろいろな調査を行った時から、近所の人たちには、大学の先生の家族についての今後の見当がついているので、近所の人たちから住宅ローン破綻については気付かれる。

住宅ローン借主の大学の先生が所有する自宅がその競売で売却されたことでの売り上げ金額は、大学の先生が滞納した住宅ローンの残額に充当されるが、それでも、大学の先生が滞納した住宅ローンの残額が完全に返済されない場合、保証会社は、住宅ローン借主の大学の先生の住宅以外のすべての財産や財物や現金や預貯金に対して強制執行し、財物については競売のために保証会社に引き渡し、現金や預貯金については保証会社に転付する命令を出すように裁判所に申し立てる。

住宅ローン借主の大学の先生の住宅以外のすべての財物については競売での売り上げ金額と住宅ローン借主の大学の先生の現金や預貯金も、大学の先生が滞納した住宅ローンの残額に充当されるが、それでも、まだ、大学の先生が滞納した住宅ローンの残額が完全に返済されなかった場合、債権者としての保証会社は、住宅ローンの残金額を滞納している大学の先生について、裁判所に対して破産宣告を申し立てる。

裁判所から破産宣告が行われたことで、住宅ローン残額滞納の大学の先生は、一方で、税金、養育費、慰謝料などの一部の例外を除き、残りの借金の返済が免除されるが、他方で、金融機関の個人信用情報に掲載され、あらゆるローンが組めないし、クレジットカードの作成もできなくなり、住居や郵便物、職業の点で制限される。

以上で述べたことは、社会で生活していく上で、自由を極めて制限されるので、社会人として大変なことであるので、倒産閉学が決まった大学の先生は、破産宣告を受けないように、倒産閉学が決まった在職中の大学にそのまま在職し続けたとしても、倒産閉学後は、解雇になり、収入がなくなり、住宅ローンの返済ができなくなり、上述のようになって破産宣告を受けることになるので、大学の閉学までの可及的早期に他の大学に移りたがり、そのために、あちらこちらに、他大学への自分の転任運動を行い、数年後の閉学が決まっている現職の大学での授業は休みがちになるのではないか。それでは、学生たちは十分に授業を受けることがままならなくなる。

最初に述べたが、最近の報道で知得した数年後の閉学決定の福岡女学院の大学の先生たちや学生たちは大丈夫であろうかと憂慮するところである。