お兄ちゃんは意識の無い中、

たまに小刻みに震えている。
 
最初に診てもらった病院では、
これも痙攣だと言われたが、
この病院では違うと言われたと、
パパが教えてくれた。
 
寒いのかな。
熱と闘っているのかな。
痙攣ではありませんように。
 
お兄ちゃん。
声をかける。
少しお兄ちゃんが反応する。
でも、少し眼を開けるだけで、
眼の焦点はあってない。
また眠りに入る。
 
先生が大きな声で話しかけてみたり、
足をつねったりして様子を伺っている。
能が反応しているか、確認されているようだった。
反応は鈍い。
 
今はまだ、
痙攣止めの薬を数種類使っている影響で頭がぼーとしているのか、脳炎なのかは判断がつかないと先生に言われた。
 
脳炎??
脳炎って、あの脳炎??
先生から聞いたとたん、
病院では我慢していた涙が止まらなくなってしまった。
言葉にされると、急に現実味を帯びてきた気がする。
 
怖かった。
もしこの子が目を覚まさなかったらと思ったら、
とてもとても怖かった。
 
でもその後、
痙攣止めの薬が抜け始めると、
少しずつ意識を取り戻していった。
 
先生は夜中に何度も病室に来てくださり、
寝ているお兄ちゃんを無理矢理起こし、
朦朧としているお兄ちゃんに、
「名前は?」
「学校の先生の名前は?」
「つねられたら痛い?」
「ほら、立ってみて。」
と根気よく聞いてくれた。
 
朦朧としているお兄ちゃんも、
ろれつは回ってなかったけど、
頑張って答えてた。
 
頑張れー。
頑張れー。
脳みそ沢山使って、働かせてー。
 
そんなやり取りを数回して、
数をこなすうちに、
少しずつはっきり答えるようになってきた。
夜中に先生が、
もう大丈夫でしょう。
と言ってくれた。
 
長い長い一日だった。
 
ああ良かった。
本当に良かった。
 
インフルエンザの高熱で、
熱性けいれんを起こし、
そのまま痙攣重責発作となったらしい。
 
熱性けいれんは小さい子のイメージだったので、
下の子に対しては(弟も熱性けいれん経験者)、
インフルエンザになったときの対処法を、
たまたま小児科にかかったときに先生に質問してた。
でも、まさか小学生のお兄ちゃんが、
熱性けいれんを起こすなんて思ってもみなかった。
でも、インフルエンザは小学生低学年くらいならおこしますと先生からお聞きした。
特に今年(去年)のインフルエンザは痙攣を起こしやすいと言われていると教えて頂いた。
 
先生と看護師さんのおかげで、
次の日には大分回復し、
その翌日には熱はあるものの、
いつものお兄ちゃんに戻った。
 
 
ああ、よかった。
本当によかった。
またあなたとこうして話すことができてよかった。
またあなたの笑顔を見ることができてよかった。
あなたの温もりを感じることができてよかった。
あなたのママーと呼ぶ声が聞けて、
本当によかった。
 
 
今回はたまたまだったと思う。
たまたま助かったのだと思う。
 
あたりまえのありふれた日常が、
実はあたりまえなんかではなく、
とても大切で、キラキラしてるものだと知った。
いつ何が起こるかわからない恐怖は、
直ぐとなりにあるということを知った。
 
 
あなた達が元気で笑ってくれるなら、
ママはそれで幸せなのかもしれない。
 
 
そのこと、忘れちゃうけどね。
あたりまえすぎて。
 
 
何でもない時でも、
子供たちをぎゅーとしてみてね。
子供たちの肌を、
鼓動を、感じてみてね。
この子たちは大切な存在だったと、
思い出してみてね。
 
 
また風邪の季節。
皆さんもご自愛下さいね。
 
 
 
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子育てがやっぱり辛くて辛くて、
誰かに苦しい気持ちを聞いてもらいたい。
誰かに寄り添ってもらいたい。
助けて、助けてって思ったら、
ヨリソイ相談室に、
あなたの心の内側を聞かせてください。
 
 
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今日もありがとう
ヨリソイ