日本にいる人から個人的に質問がやってきた。「神社の神に点が多くありました。捨て点という、字のバランスを良くする為だとネットに載っていました。中国でもこのような文字はありますか」と。
そもそも漢字は中国から来ているので、答えは「中国にもあります」。日本語で調べるとヤフー知恵袋に同じような質問がいくつもあって、同じ人が丁寧に答えている。
ほかにはこれ。
この人は漢字を研究しているのではなく、マンホールの観察が趣味だという人。このブログに東京のマンホールの写真がたくさんあり、弁、吐など、同様に点の多い字が挙がっている。
この人はこの特殊な字が「萌える」として、「萌え点」と名付けている。私は「萌え」とか「癒し」などの昨今よく使われる単語(とその精神)が好きじゃない。正確には「捨て点」という名称であることは強調しておきたい。そしてほかに、「咎なし点」、「捨て筆」、「補空」などとも言われる。
理由の一つ、字のバランスをとるためなので、補空=空いているところを補う。いい言葉だと思う。
中国語で調べた。
・隷書では「土」と「士」が同じ形なので、区別するために「土」には点を書いた。
・「民」は、唐の太宗(皇帝)の本名が李世民で、皇帝の名前を避けるため、点を書いた。
中国元(紙幣)の民に点はないが、中華民国三年の硬貨で袁世凱の頭の上の「民」には点がある。
他の参考資料
今は日本でも中国でも、学校で教える都合、漢字は統一されているが、昔は異体字といって、一本多かったり少なかったり、いろんな字があった。「異体字」で検索するといろいろ資料が出てくる。