乳癌についての予後というと、
ルミナールAや、ルミナールBや、
HER2タイプの話だと思うんですが、
そういう話は、ネット上にゴロゴロ
転がっているので、
乳癌の細胞を見ない日は日曜日だけ、
くらいに見ている病理医目線での話を。
乳がんは、浸潤と非浸潤に分けられます。
非浸潤癌の予後がいいことは、
膵癌のところでもお話ししたんですが、
この原理と同じです。
膵管と乳管は、似たような構造をしていて、
浸潤してるかどうかも、同じなので、
こちらをご覧いただければ。
非浸潤であって、手術で取り切れていれば、
完治、あとは残している乳房や、
反対側の乳房に新な癌が出来ないかと
注意深く見ていくだけ。
チョビーっとだけ浸潤している場合も
似たようなものです。
これ以外に、予後の良い乳がんの組織型は、
◯粘液癌のType A
◯Solid papillary carcinomaの浸潤のないタイプ
◯管状癌
です。
唾液腺型の一部も予後はいいとされてますが、
私自身、ほとんど診断を付けたことがない
ので、省いてます。
Solid papillary carcinomaは、
非浸潤癌の一つとされてますが、
浸潤か非浸潤かを判断するための、
筋上皮細胞の『あり』『なし』は関係ない
とされてるので、一応ここに提示しました。
粘液癌は、粘液を産生する癌ですが、
他の臓器、例えば大腸癌や胃癌や膵癌や卵巣癌などでみられる、粘液を持つタイプの癌とは、また違う顔つきです。
『乳癌』においては、粘液癌は予後がいいけれど、『他の臓器』で、粘液を持つ癌は、どちらかというと、予後は悪いタイプに分類されます。
ここからが大事なんですが、長くなるので明日に続けます。
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