春節は花火と爆竹の迫力とお祝いの凄さに圧倒され、感激に溢れました
それとは別に今回のホームステイで特に衝撃的だった事をお伝えしたいと思います
ある朝、お父さんに夕飯の事を聞かれました。
父:「今晩は何が食べたい?」
私:「お母さんの作る料理は全て美味しいし好きなので特に贅沢は言いません。」
父:「お前は鶏肉は好きか?」
私:「好きです、中国に来てからもっと好きになりました!」
父:「それじゃ今晩は鶏鍋を作るから、お前に最高の鶏肉を食わせてやろう」
私:「はい、楽しみにしてます!」
父:「これから準備するから手伝え、俺に着いて来い」
農家の夕食は大体15時~17時の間に食べますが、朝9時前後でもう夕飯の準備
今までは14時くらいからお母さんが夕食の支度を始めているので、何をするのか分かりませんでした。
お父さんと一緒に出掛けて買出しに行くのかと、、、
お父さんに着いて行った先は家の庭でした。
父:「この中から好きなのを選べ」
私:「は?どういう事ですか?」
父:「今晩は鶏鍋って言っただろ、これから鶏を殺すんだ。」
私:「家畜を殺すんですか?」
父:「当然だ、そのために居るんだ、どれがいい?」
鶏たちは食べるために飼われていたんですね…。
他の家もみんな同じそうです。。。
今回は2羽殺すという事なので、1羽は私が選び、もう1羽はお父さんが選びました
捕獲後、暴れないように翼の根元と脚を紐で縛ります。
それから最初に血抜きをしてどんどん捌いて行きます
以下よりグロテスクな内容のコンテンツがございます。
苦手な方は閲覧を控える事をお勧め致します。
気分を悪くされたり、その他何かあった際は自己責任にてお願い致します。
準備が出来たら顎の下の羽を5センチ程手で毟ります。
鳥肌を露出させて首を斬り易い様にです。
その後、頭をしっかり抑えて包丁で首を斬り血抜きを行います。
この際に態と「切れ味の鈍い包丁」を使うそうです。
お父さん曰く、切れ味が良いと鶏の首を簡単に切断してしまい千切れてしまうからダメだそうです
ここで注意しなければならないのが、切断時に鶏が物凄く暴れます
慣れてない人が行うと暴れてそのまま首が千切れてしまうみたいです
また反撃に遭って包丁で自分を傷つける可能性もあります。
まず1羽目はお父さんが行い、私はそれを良く観察していました。
お父さんは手馴れた感じで血抜きを行いました
血抜き後もまだ生きているので、かなり暴れ周ります。
血抜きをした血液も大切な食料として扱います。
血液から湯気がモクモクと上がっていました…
そして2羽目はお父さんに手伝ってもらいながら、私が首に包丁を入れました。
私は日本の実家でインコを飼っているので、鶏を殺すのには結構抵抗がありました…。
可哀相…、お父さんがしっかり抑えて「早くしろ!」と言うのですが、鶏が泣き叫びながらじっと私を見詰めて来るのです…
包丁を持った右手がブルブル震え、なかなか斬る事が出来ませんでした…
私の後ろで肖が「これはペットじゃないよ」と言いましたが、やっぱり殺すのは辛い…。
お父さんに何度も急かされながら、遂に包丁を入れました。
私は躊躇いがあったため、上手く斬れず中途半端に刃を入れてしまい、首から鮮血が噴出してしまいました…
私の手と顔が血まみれになり、鮮血の温もりを感じました…。
殺ってしまった…。
私では完全に血抜きが出来なかったため、お父さんが最後に処理をしました
包丁を手放した後も手の震えが暫く続きました。。。
今まで日本でも鶏肉を何度も食べてたのに、直接殺して食べるというのは私にとっては相当な衝撃でした。。。
そして、血抜きが終わったら熱湯を掛け流して羽毛を全て取り除きます。
でもその前にお母さんが一部の羽を抜いて煤払いを作るために利用するそうです。
首の周りと尾の羽は抜いて利用します。
熱湯を掛け流し、羽毛処理。
処理した羽毛は家畜の餌にもならず、捨てます。
羽毛を全て取り除くとこの様になります。
丸裸です…。。。
そしたら捌いて不要な内蔵類を取り除いて行きます。
肝臓、心臓などは捨てずに使います。
こちらは砂肝。
砂肝は取り除いただけではダメです。
砂肝自体も捌いて中に溜まっている砂やゴミを取り除きます
その他の内臓は食べずに家畜の餌として利用します。
そして不要な物を全て取り除いた鶏の表面全体を火で軽く焙ります。
その後使い易い様に捌いて鍋にしました。
これが鶏鍋
すご~~く美味しいです
殺したてホヤホヤの鶏を使ってますから。
殺した時の辛い気持ちはこの鍋を食べたら吹っ飛びました
もちろん一度に全部使い切れないので保存します。
冬場は冷蔵庫ではなく、寒い厨房に吊るして保存するみたいです。
凍ってカチカチです…
今回殺した2羽は私が滞在している間に全て使って食べさせてくれました
今回の体験は街では中々出来ない事でもあり、大変衝撃的でした
スーパーでは既に捌いた鶏肉が売っていますが、農家では全て自分で行います。
これも私の記憶から消えそうにない一つになりそうです。。。