な、なにをいれたんですか・・・? | ムニエル。

ムニエル。

医療事務歴16年、



医療事務は楽しく♪がモットー。



あなたと、いろんなお話がしたいな・・・・。



☆診療情報管理士通信教育スタート!69期生でつ '`ィ (゚д゚)/

産婦人科のクラークをしていた頃のお話。




不妊治療に研究熱心なドクターでしたので


みなさん熱心に通院されていました。




産婦人科にいるころは

お外で患者さんにあっても

気が付かないふりをするんですよね。



プライバシーもありますし、

特に出産以外で産婦人科に出入りすることは

なんとなく、恥ずかしいという意識をお持ちの

方も多いからです。




でも、個人的には産婦人科の患者さんが

当時私は一番スキでした。



どんな理由での通院にしろ、年齢関係なく

皆さんご自分の体を大切に大切に

しておられるな、というのが感じられたからです。



婦人科の病気には色々ありますが


皆さん、純粋で、もろい、繊細な女性ばかり。


健気に痛みや、偏見や、ココロの葛藤に耐えて


真摯にご病気と向き合っておられる方ばかりだったから。





さて、不妊治療以外で来院される患者様の 


受診理由には


月経を遅らせたい、整えたい、


避妊をしたい、ブライダルチェック希望、


かゆい~とか、なんかへんだ~、とか


いろいろいらっしゃいますが




初診問診表がほとんど白紙状態だと


だいたい、過激な診察になります・・・・・・。




------------------------- 初診問診表 --------------------------


該当する欄にご記入ください。



    問1:   最終月経はいつでしたか?

    問2:   妊娠・出産経歴について


    問3:   手術経験について


    問4:   内診に抵抗がありますか?

          医師が医学的に特に必要としない以外には

          内診を希望しませんか?


 ---------------------------------------------------------------------



  

  ・

  ・

  ・

 

 ここまでは、順調にお答えいただけますが


 次からだんだん、ペンが重くなります・・・。




・本日はいかがされましたか?


    ・どのようなことを相談されたいですか?


 

この二点はほぼ、記入無し。


診察室で、明らかになります。





~40台後半、セレブ風、Aさん。~




ドクター 「 本日はいかがされましたか? 」


Aさん  「 はい、2、3日まえから違和感があって・・・ 」


ドクター 「 違和感ね。どのような? 」


Aさん  「 ・・・・・・・なんとなく・・・ 」


ドクター 「 下着に何か付いたり、ニオイとかそういうこと? 」


Aさん  「 はい・・・。すごく気になります 」


ドクター 「 パートナーから指摘は受けましたか? 」


Aさん  「 はい・・・・。その、ニオイが・・・・ 」


ドクター 「 分かりました。内診しましょうか?


       違和感があるなら、雑菌かもしれませんし、


       検査してみますか? 」



Aさん  「 え??内診は困ります 」



ドクター 「 しかし、聞くところの症状では


かなりお困りのようですし、


        年齢的にも検査をしたほうがよいですよ?


        幸いにも、パートナーさんのご指摘を


受けておられるのですから


        早くスッキリしたほうがよろしいでしょう? 」



Aさん  「 でも・・・・・。なんか抗生物質とかで


どうにかなりませんか? 」



ドクター 「 Aさん、失礼ですがこうしてお話している間


        やはり、少しにおいますからかなり


症状が進んでいると思われます。あなたも、


それが心配でこられたのでしょう?


        内診はどうしてもお嫌であれば、


別の方法も考えますが・・・・。 」


Aさん  「 ・・・・・はい。でも・・・・・」



先生は、Aさんに対してやわらかに優しく、


長い時間をかけてお話をされました。


そうしてなんとか納得して、Aさんは内診台へ・・・・。




診察中、看護師さんはずっとAさんの手を取り、



話しかけておられました。




しばらくして受付にいた私が次の方のカルテを




ドクターの席に回そうと、診察室に入ると




「 しっ! 」


と、看護師さんが

こちらに合図をしてきました。





内診台に患者様がいる時は

診察室内の出入りを極力少なくしないといけないので

物音を立てないように気を使ったのだけれど・・・・?



(yong-yoanちゃん、いまは、ダメ!)



(ど、どうかしましたか?)



診察室の中は、中学の頃科学実験で嗅いだような


あの、イオウのような、匂いが充満していました。



!!!!!!な、なに?オートクレーブの故障???




(はやく、外でて!!)


(は、はい!)


 ・

 ・

 ・

 ・



《 以下、内診台でのやり取り 》

 


 ドクター 「 Aさん、何入れました? 」


 Aさん  「・・・・・・・・・」


 ドクター 「これ、腐ってます。中でとりきれなくて残ったんでしょう 」


 Aさん  「・・・・・・・・・」


 ドクター 「  異常に気が付いたのは2,3日前とおっしゃったが

 

         これじゃあ、5日はたってます。


         お辛かったでしょう? 」



 Aさん  「 お、お恥ずかしい限りで・・・。そ、その・・・



        私が寝ている間に、た、たぶん主人が




・・・・・・・・・・・いたずらを 」




 ドクター 「  理由は結構です。


         しかし、デリケートなところですから。  


         第一、不潔ですし、けしからんですよ。


         今日は錠剤と、抗生剤を投薬しますから。


         あすから、1週間洗浄にいらしてください。 」



 Aさん  「 あ、あの・・・・。いつくらいから・・・



        ・・・・・・・・・・しても・・いいでしょうか・・・?」



 ドクター 「  治りきってからですね。


         ただしパートナーとの生活を


         見直していただいたほうがよろしいでしょう。


         そこ、野菜室じゃあ、ありませんよ・・・・・・・・ 」




 ・

 ・ 

 ・

 ・



 ドクターはこんな診察は嫌というほど経験してきたから


 なんとも思わないけれど



 女性の体を大切にしない男性が多いこと、


 そして、女性も嫌なことを嫌だと言えない弱さが


 本当に、なんとかならんのかな~、とおっしゃっておられました。



yong-yuanは当時まだ20台前半だったので



よくわからなかったけれど




「いつから、してもいいのか」




と質問したAさんは


だんなさんとの時間を大切にしたいんだな~と、


Aさんがとてもしおらしく、純粋に思えて



先生のお言葉と思い返すAさんの姿が重なり、


お会計の後、なんだか涙がでてきてしまいました。





思い出すと、きゅんと胸が痛くなる


患者様のお一人です・・・・・・・・・。