「ちょっと、こっちみてみ」
こっち・・・・?
わ!びっくりした。
隣の薬局からいっし~先生、出てきた。
「な、な何ですか先生、びっくりしますよお」
ゲラゲラゲラゲラ、いっし~先生笑ってる。
「いま、Nさんが、先生を探しに行かはりましたよ。」
いっし~先生、ふうとため息をつく。
「最近、おもしろくなくてなあ・・・・・」
ぜんぜん人の話きいてへんし。
「はあ、おもしろくないんですか?」
医者してて、患者さんにもスタッフにも人気あって
女の子もたくさん食べといて
なにがおもろないねん。
「いやあ、なんかなこのままでええんかって、思うことあってなあ」
はあ。
で、出前依頼のタイミングは、ワタシからするのかしら。
言いにくいなあ・・・・。
でも、食べたい♪
「たとえば、どんなことですか?」
「たとえばなあ・・・・。○○は何歳やっけ?」
「はい、19になりました。」
「そうか、来年就職やなあ。そうかそうか。
もう、就職先きめたんか?」
話つながってへんよ・・・・。
おなか鳴りそう・・・・。いっし~先生=差し入れって図ができているから
先生見ただけで、おなか空く・・・。
(おなかの虫って、いたら怖いな)
「まだ研修先が2箇所のこってますし・・・。とりあえずひととおり
経験してから決めようかと思ってます」
↑当時私は「ここに行きたい!」と思える病院があれば
そこに勤めるんだ!勤められる!気合じゃ!と漠然と決めていたので
(このへんは、入職試験の思ひ出をみていただくと
当時の無知さとオバカさが判ります)
『勤めたい病院が見つかんないから、わかんない』
と、思っていたんですね。(←アホ)
「わはは!○○は本当におもしろいなあ。そうかそうか。」
そんな話より、で、出前!Nさん、何しとんねん。
「そうやなあ。いろいろ教えてあげんとあかんなあ、○○には」
あ~、どうでもいい。
出前食べれるって頭に信号行ってるから
体中、準備万端なんですけれど。
(どうおしって、おんなかが へるのっかなあ~)
「○○はさ、医事課とかコメディカル(薬剤師・技師など)の子らと
いろいろ、飲んだり食べたりしてるらしいなあ。」
「あ、はい。よく誘っていただいて・・・。一人暮らしなので助かってます」
「?助かってる?何が?」
「えっと、食事代が浮きます」
やばい、おなかが空くことを連想する話題になってる!
おなか鳴る~~~~~~~~ぅ。
(おかあさん、おかあさん、おなかとせなかが)
「ふ~ん」
あれ、つまんなそう。
話題がだめだったか?
いやん、先生出前辞めるって言わないで。
「・・・・・・は、いるの?」
ほぇ?
ぷるぷるぷる・・・・・
内線だ。
「はい、医事課yong-yuanです」
入院担当の看護婦さんから、お掃除のおばさんが居ないので
院内コールで呼び出ししてほしいとの依頼です。
「はい、はい、内線112ですね。それで・・・・」
つんつん、肩をいっし~先生つつきます。
(はい?)
振り向くと、いっし~先生、机上のカルテ2号用紙に
走り書きしてる。
出前のオーダーかなあ。
あ、ちがった・・みたい。
~終わったら、ポケベル打って。×××-×××-×××~
ほぇ。
先生、去る。
廊下の奥から、Nさんと先生の声が響きます。
あ、先生、どこいってはったんですか?
おお、すまんすまん、適当に出前しといて~
了解っす!
俺、ピザでいいから
・・・・・わたしへのオーダーはどうしましょ・・・・。