2023年「まさかの坂」第１位は手術当日に発熱してコロナ陽性で家に帰されたことでした。なんか熱あるけどセンチネルリンパ生検て副反応あるのかな？そんなわけない。ただ注射がすごく痛いだけです
これ以上気をつけようがないくらい気をつけていた時期にコロナに感染するなんてなんで？まじでわからんといま思い出してもプンプンしてしまいます
2022年末にまさかまさかの連続で告知された乳がん。乳腺外科の予約取るのにも一苦労で（そんなにも患者さんが多いだなんて）週毎にCTやMR検査に通いながら温存手術か全摘か同時再建か決めなくてはならなくて入院日まで目まぐるしい日々でした
コロナ罹患中は嗅覚が行方不明になったり戻ったり気管支炎になったりしたのですが手術がちょうど１ヶ月延びたことであらためて考える猶予ができた感じ。ウェブ記事やエッセイ漫画やSNSを読み漁りました。癌のタイプによって治療方針も様々ですぐ手術できるのは運が良かったのだと初めて理解できました。
病院は再建手術をゴリ押ししてくるのですが、皮膚伸ばしたり脂肪注入したりで最低三回の入院が必要と聞いて気が遠くなりました。あたい乳のためにそんなにがんばれない…
そもそも本来の胸がたるんと下がりはじめているのに作り物の方だけハリのあるままなのもどうなの…
そんなときにオーダーメイドの人工乳房を作ってくれる工房のことを知りました。必要なときに皮膚に直接接着するタイプで温泉好きな御婦人方に人気だそう。とりあえず術後ひと月後に予約をいれてみたらびっくりするくらい気持ちが軽くなり全摘手術を受ける決意が固まりました
入院生活は約10日。看護師さんたちの機動力とホスピタリティに感激する毎日でした。
一番辛かったのは全身麻酔の後遺症で、Spotify515分という記録が出たのはこの日です
幸いなことに転移もなく、治療方針も病理検査結果がでてホルモン療法が有効と決まりました。
楽しみにしていた人工乳房のカウンセリングは鮮烈でした。メディカル用シリコン製でとても軽い。1200色のなかから肌色を再現してくれるそうで、温泉に入って赤くなりやすいのなら火照った肌色に合わせてくれるのです。服をきれいに着るためだったらブラジャーに収まった形に製作してくれるのです。あらゆる要望に応えてこられたのだと頼もしかったです。わたしの手術痕はとてもきれいで上手な病院を選ばれましたねと言ってくれました。つれてしまって腕が上がりにくくなることもあったのだそうです。
いまはまだ傷の痛み（なぜか術後は全然痛くなかったのが不思議）もありもしかして人工乳房もいらないかも…という気持ちに傾いているけど、あのとき技師さんとお話しできたことですごく元気づけられました。真綿でくるむように心に寄り添える方にお会いできてほんとうによかった。
ゆるやかに日常生活が戻ってきました。
去年の今頃はこんな穏やかな年末を迎えられるとは思ってなくて、振り返ってみればとても贅沢で幸せな療養期間でした
困難な時も心尽くしの品々を送っていただいたり励ましていただいたり。 家族を始め、友人や知人、尊敬する方、先輩へ感謝の気持ちは言葉では言い尽くせないほどです
イラストは近代では乳がん患者の守護聖人となった聖アガタ 
権力者の求婚を拒否して両乳房を切り落とされる拷問をうけました
彼女のアトリビュートはお皿に乗せた乳房（どうして）
イタリアにはアガタの乳房を象ったカッサータ （チーズケーキ）があるそうで（どうして）
マンモグラフィーご無沙汰な方は受診してください
乳がんと検診 | ピンクリボンフェスティバル公式サイトpinkribbonfestival.jp