
麺王 「今日は珍しいカップヌードルを食べてみよう」

ユリア 「何? 冬の限定品?」
麺王 「ああ、それも去年の冬のな!」

ユリア 「おい、賞味期限から半年も経ってるじゃん」
麺王 「うむ、一年寝かしたカップヌードルだ」
ユリア 「それは、ちょっとヤバいんじゃ・・・」
麺王 「フッ、誰も食べられないヴィンテージ物だ」
ユリア 「何、言ってんのよ」
「だいたい、ヴィンテージって言葉はワイン以外で使って欲しくないわね」
麺王 「え? 古い車とかヴィンテージカーって言うじゃないか」

ユリア 「それは、物を知らんバカだな」
「そもそも、ヴィンテージって言葉の語源はワイン+エイジよ」
「ワインの為に生まれた言葉なのよ」
麺王 「古くて希少って意味じゃないのか?」
ユリア 「単なる古物と一緒にしないでよ」
「時間とともに醸される味わいに意味があるのよ」
麺王 「カップヌードルだって、醸されてるかもしれんじゃないか」
「新品には無い味わいが!」
ユリア 「そうね、油が酸化しまくってることでしょうね」
麺王 「これから食べるんだから、そういうこと言わないでくれる?」

麺王 「特に変わった様子は無いな」
「普通に美味い」
ユリア 「容器の匂いが移ったりしそうだけど、そんな匂いもないわね」

麺王 「うむ、流石は日清」
「いや、日本の技術力!」
ユリア 「ちょっと、賞味期限の概念を考え直すべきかもね」
麺王 「まだまだ食べられる物を廃棄にするのは忍びないからな」

ユリア 「それはそうだけど、買ったら忘れずに食べなさいよ!」
「一年前のカップ麺が発掘される方が異常でしょ」
麺王 「他にもあるんだが、まあ、急いで食べなくても大丈夫そうだな」
ユリア 「いつか、お腹壊すわよ」

麺王 「自己責任でやらせて頂いてます」