タイガースのおっちゃん(小説) -3ページ目

第9話 平弧闘

シーズンも始まろうとしていた3月末だった。春雨の降る中タイガースオーナーの家の前で傘をさして立つ男がいた。せっかく咲きほころんだ桜もこの雨で散ってしまうのだろうか。そんな事を考えながら平 源は待ち続けていた。

依子「あんた警察呼びしょか?」

堺田「構わん!そのうち諦めよるわ、家に警察なんぞ来てみい明日のスポーツ紙恰好のねたになりかねん。」

依子「そうですか、でもなーんか可哀相になってきたし。」

堺田「そんなもん、最初から無理と分かりきった事を頼むほうがわるいんや。」

堺田はそう言いつつも平の事が気になっていた。とはいうもののプロ野球の監督はプロ野球出身者と言うのが定説であるし、その定説を覆せば世間は騒ぐ、騒ぐだけならまだいい、それで連敗最下位にでもなったら笑われ者だお、タイガースの伝統いや日本プロ野球界に大きな汚点をのこしかねない。

20XX年代に入ってからタイガースは幾度優勝したのだろうか、随分優勝という言葉からは遠ざかっている。現監督 猛田 烈が就任して以来優勝はおろかAクラス入りすらできない。

猛田の前に就任していた監督も何人かいたが、他チームで優勝経験がある監督ですら優勝がかなわぬまま、中には髪がストレスで真っ白になってしまった者さえいた。

それ程根深いチーム、一度負け癖がついてしまうととことん負けが込んでしまう。

確かに一か八か平に託しても良いのだろうが、堺田も今一つ冒険できない自分にも苛々していた。

映画「タイガースのおっちゃん」配役あくまで仮想

神雷 剛(中村 獅堂)原作年齢16歳は無理があるので脚本で調整「 雷神ナックルボール」がんがん投げ込むでーーー。

千音 千音 翔(海老蔵)でどうや!求道者たるものの宿命や千手観音投法は無敵でござる。

平 源 平 源 TVならば別として映画ならこの人健さんしかいないでしょう。けど関西弁合うかな?

船出 吾郎役(藤木 直人)スローダンスすてっぷから魔球ゴースト連発、魔球習得までの苦労とかいがいしさを演出できるか。


贅沢な配役で金いくらあってもたらへん!

第8話 平初勝利

「ホームにはダイレクトで返球された。」

平「ふうーーー。くわばら、くわばらや。いっとったら完全憤死やった。」

「好判断!平ランナーコーチレフト好返球をとっさに判断し3塁ランナーを戻しました。2アウト満塁サヨナラか延長戦に突入か、ここで平監督タイムを取りました。5番の堂山と塁上ランナーに指示を与えています。」

平「ええか、堂山わしがサインをだすよってにそれで球種を判断するんや。」

堂山「はい。」

「指示を与え平監督再びコーチャーズボックスに戻ります。」

平「魁よ、一見何の死角も無い完全なピッチャーぶってもな、その完全を目指す性格が最大の欠点になるのをしらんやろ・・・。」

「魁、第一球投げました。ストライーーーク。」

堂山「サイン通り、カーブ…・。」

「魁第二球投げましたボール。長いサイン交換漸く頷いて第三球投げました。メテオ決まったストライーーーク!カウントは2-1です。」

堂山「サイン通り、メテオ。」

「第四球投げました。またメテオだ打った、ファーーール。カウントは2-1長いサイン交換頷いて第5球投げました。メテオだーー。おっとカットしたファール。」

平「そや、メテオはカットや。」

魁「またカットしただと…。」

井神「メテオに絞って押し出し狙いか、甘い高めストレートでつってやれ・・・・。」

井神はストレートのサインを出した。

魁「これで止めだ・・・。」

堂山「最初から分かっていたらメテオはなんとかカットできる。次は・・・、ストレートか。いくど!」

「魁、第五球投げました。」

平「いけー!ストレートや・・・。」

「堂山打ったーーーーー!」

魁「なに!」

「高いバウンドでピッチャーの頭を超えて行くぞ、ショート元谷飛びつくがセンター前に抜けたーーーー。サードランナー大西が帰ってきた。タイガーーースさ・よ・な・らだーーーー。」

平「魁、おまえはメテオだけでも5種の球種がある。よってにメテオの時は必然的に首を振らんサイン交換が長くなるんや・・・・。」

阿南「うーーーん・・・・・。」

かくして平タイガースは緒戦を白星で飾った。この時日本中に歓声が沸き起こった素人プロ野球監督の初戦初勝利に。

堺田「あのおっさん口だけやない、なかなかやるやないか。本ものの鬼がついとるわ。あははは。」

第7話 激戦9回裏

「ノーアウト13塁の大ピンチを乗り越えられるか?2番古村がバッターボックスにはおります。」

軍来「スクイズ、外野フライ、内野ゴロでもサヨナラですよ。」

「内野前進守備バックホーム体制です。魁、投球に入ります。」

魁「俺にはメテオがあるんだ打たせるものか・・・。」

平「お楽しみはこれからや。」

「第一球投げました。カーブだストライク先ずはカウントを取りに行く。ここでスクイズはおうおうにして考えられます。第2級投げましたメテオだ、ストライーーーク。みるみる内に2-0です。」

軍来「これでスクイズはないでしょう。」

「長いサイン交換、魁頷いて第3球…投げましたーーー。バントしたスクイズだー。サード琉島打球を処理した。しかしセカンドランナー高杉はスタートを切っていた。3塁ランナーはスタートきっていない。サードは琉島はファーストへは投げない投げない。満塁にしてしまった。ノーアウト満塁だー。」

軍来「セーフティースクイズを警戒したのでしょう。」

阿南「うーーーーん。」

平「乗ってこんかい…くそったれ。」

「ノーアウト満塁で3番大垣です。ここで止めをさせるか。」

阿南「むしろこのほうが戦いやすい。」

「平監督はここで累上のランナーを全て集めて指示を出しています。」

平「高杉キャチャーのサインの出し方をようみとくんや。

高杉「わかりました。」

「おーーーーーと、メテオ決まった空振り三振!3番大垣三振だーーーー。」

軍来「さすがですね。」

「そして、4番村本が打席に立ちました。ヒット、外野フライでも1点なのですが。」

「ここで平監督が代打を告げました。4番に代打です。代打に公文が告げられました。」

軍来「なにか策でもあるのかな?平さん。」

「魁、公文に第1球なげました。ボール」

井神「何の策も無い、心配するな急造の選手に何もできるもんか、ここにメテオだ・・・・。」

魁「分かってるて、井神さん。次は決めてやる・・・。」

「魁第2球投げました。メテオだがー打ったーーーー。打上げたレフト鈴田バックするが、外野フライには苦しいか?鈴田は強肩だぞ、でも3塁は俊足車田タッチアップの構えだ。」

平「ええかいくでーーー。」

「レフト構えてーーーー、補給したーーー。」

平「ゴーー!」

「タッチアップした。レフトバックホーム。」

平「あかん車田帰れーーーー!」

「3塁ランナー引き返す。」

第6話 平・コーチャーズBOX

「鈴田の打球はレフト頭上を越えて行ったー。3塁ランナーホームイン、1塁ランナーバッカーも2塁蹴って3塁へ、打球はフェンスを直撃し転がっている。そしてレフトが漸く打球を処理しはじめた。バッカーは3塁に到達して、回った回った!ホームへ帰ってくるぞ、レフト堂山のボールが中継されたショート廉見バックホームした、バッカーはスベリコンダーーー。いい球だ浮田タッチした。クロスプレー判定は?ア・アウトーーーー。」

平「ふうー。首の皮一枚や。」

「同点!同点に追いついたベイスターズ。後1球コールから同点になってしまったタイガース。打ったランナーは2塁です。」

後続を断ち切りタイガースは9回裏の攻撃にはいった。

「9回裏、打順は9番ピッチャーからですが代打が告げられました。大西です。」

「タイガース選手の交代をお知らせいたします。ピンチヒッター大西背番号85。」

「大西が起用されました。平監督はなにやらアドバイスをあたえておるようですが。」

平「ええか!あいつのシンカーを叩くんや、竹堂の新兵器で求道はイメージできとるはずや、必ず投げてきよるよって打ち損じるな他の球は無視してええ。」

大西「は、はい。」

「魁、大西に第一球目なげました!ストライーーク!カーブから入った。」

軍来「追い込めばシンカーでしょう。」

「第2球投げた!ボール。」

軍来「積極的にいかなきゃ。まさかメテオ打つつもりじゃないでしょうに。」

「第3球投げた。ストライーーク。追い込まれました大西まだ一度もバットを振っていません。」

大西「来い、来い・・・・。」

平「しばいたれ・・・・。」

「第4球目なげました。」

阿南「ジエンド、オオニシ。」

「シンカーを打ったーーーが、ピッチャー前ゴロだ!」

平「あほな!」

「しかし、しかし、打球に変な回転がかっているようす、魁処理にてこずっているぞ!」

平「走れ、走れーーーー!」

「打球を処理してファーストへ!セーフ間一髪。ノーアウトのランナーが出ました。」

平「ターーーイム!代走車田。」

「大西に替えて代走車田です。おお!平監督は1塁コーチャーズボックスに向かいました。何をもくろんでるのやら。」

「バッターは1番高杉、さっそくバントの構えです。送るのでしょう。」

軍来「けん制球を執拗にしてますけど、投球に影響でなければいいですけどね。」

「魁、第1球目なげました。ボール。ランナーリード大きい、キャッチャー1塁へ送球、セーフ。」

軍来「盗塁したいのがみえみえですな。」

「魁また牽制の後2球目投げたー。またリード大きいキャッチャー1塁へ。」

平「ゴーや!」

「しかし、車田は2塁へはしるぞ!ファースト慌てて2塁に送球!球がそれた。セーフ!」

軍来「ははは。シグナル盗塁ですな、やりますね。」

「シグナル盗塁?と申しますと。」

軍来「敢えて1塁に送球させてキャッチャーが投げたと同時に2塁に走ると言う盗塁ですよ。コーチャーの腕とランナーの足の速さにかかってますよ。」

「カウント0-2、高杉はヒッティングの構え、魁3球目投げたバントだーーー。しかも三塁方向に転がっている上手いバント。三塁ダッシュして打球処理、高杉は俊足だ、間に合うかセーフ、セーフ!ノーアウト1・3塁タイガースサヨナラのチャンス。阿南監督たまらずマウンドに向かいました。なぜか平監督は3塁コーチャーズボックスに移動しました。」

阿南「相手の小細工はここまでだ。全力投球しろ、打たれる事はないメテオで勝負だ。」

魁「はい。」




第5話 魁のメテオ

7回裏に登場した魁は長身187cmで腕も長く右腕でサイドハンドのフォームからから140km台中心の変化球を主体とした投球をするピッチャーだ、しなやかなフォームと長い腕から繰り出される変化球はカーブシュート、カットボール、チェンジアップ等と自慢の強力シンカー「メテオ」があり、それは七色の変化球と称されいる。また投球時のテイクバック時の形がまるで北斗七星のように見えることから。球界では彼事を「星の王子」ともよんでいる。

「1アウト満塁でリリーフ「星の王子」魁の登場ですが。」

軍来「彼のシンカーは打なかなか打てないですからね、後続は苦しいですよタイガース。」

「魁第一球投げました。ストライク!見事な変化球。」

阿南「とんとん拍子でいこうや。」

「三振!最後はメテオでしとめた三球三振です。魁4番村本を斬ってとりました。」

魁は5番の堂山も三振にしとめた。3者残塁で攻撃を終了し8回表も新井が三者凡退とし8回裏タイガースの攻撃も魁の前に三者凡し最終回にはいった。

「さあこの回を凌げば平らタイガース初戦で初勝利、前人未踏の快挙ですが。」

軍来「確かに、快挙ですね監督が監督ですから。」

「ベイスターズは先頭バッター山本からの攻撃になります。タイガースは押さえの切り札木津がマウンドに上がります。緊張の後1イニング。」

阿南「このまま負けるわけにはいかん。なんとかしろ恥だど負けたら。」

平「このまま行かせてもらうで。」

「打ったー先頭バッターが出塁です。木津打たれました。」

阿南「よし、よし。」

平「あたー!」

2番元谷はバントしランナー2塁に進塁した。

「ワンアウト2塁で3番バッカーです。」

「おーっと平監督はマウンドに向かいました。キャッチャーも呼んで、勝負するか否かの指示でしょうか。」

軍来「1塁空いてますからね。ダブルプレーをするという思惑もありましょうし。しかし次キャリーも今日本塁打打ってますけどねー。」

「タイガースバッテーリ-、どうやらここは歩かせるようです。

ワンアウト1・2塁で4番キャリーがバッターボックスに入った。

「木津キャリーに第一球投げました。ストライク!」

「踏ん張るんや!」

「第二球投げました。打ったー三遊間に強烈な打球廉見飛びついたー。よくとったー廉見、振り向いて2塁にそして1塁に転送ーーーアウトーーーか。いやセーフ!セーフ」

平「なんやてー!アウトやろがー。」

「ここで平監督、一塁塁審に猛然とダッシュ!猛抗議しています。」

平「なんでや、今のアウトやろーーー!」

1塁塁審「セーフだセーフ!」

軍来「際どいけどね。覆りそうにないね。」

平の抗議は受け入れられず2アウトランナー1・3塁で5番鈴田の打席、その鈴田も2-2と追い込んだ木津。

「木津勝利まで後一球です。「あと一球コール」が沸き起こる甲子園、さあ、木津六球目投げた!打ったーーー。」

平「おおおーーーーー!な、なんやーーてーー。」

第4話 平旋風

軍来「3塁にボールを取らせて、3塁ランナーは3塁のベースカバーが入っていない事を確かめつつリードしてますね。それで1塁に送球された途端にホームに突っ込んでます。うまいうまい。」

リプレイを見ながら解説する軍来。

この回は4人でチェンジ、回は進んで4回にはキャリーにツーランホームランを浴びて2-1と逆転されてしまうも、その裏にタイガース6番のニドーがタイムリーを放ち同点に追いつく。

そして7回表横浜ベイスターズの攻撃。

「ベイスターズはこの回345とクリーンナップの打順です。今日6回まで好投したカインに替えてタイガースは新井をマウンドにあげました。新井サウスポーのサイドハンドピッチャーです。ここ最近は一点を必ず奪われてしまう内容、やや不安があります。

軍来「なめられやすいのかなあ彼は。もうすこし思いっきりがあればいいのになあ。」

「3番バッカーがバッターボックスに入りました。新井第一球投げました。打ったー初級ヒッティング、ピッチャー返し、新井の足元をかすめ、センター前ヒット!」

平「早速うたれよった。」

「次は4番キャリーですが、先ほど5回にはツーランホームランをバックスクリーンに叩き込みました。一発を要注意ですが・・・。新井1塁牽制、第一球、ボールとんでもない所になげてた。キャッチャー立ち上がってとりました。」

平「あいつ、びびってしもうとるがな。」

「バッカーはまず走らないですから、ランナーに神経を使う必要はありませんが。」

軍来「うまく打たせればダブルプレーだけど、そういくかだね。」

「ここでベンチ、タイムを取りました。平監督マウンドに向かいました。キャッチャーもマウンドに向かいます。」

平「なあ!びびる必要なんぞあらへん、せっかく出できたんやキャリーうちとったれよ。打たれる事を考えるな。イメージすんのは空振りだけでええ、立ち向かえ、逃げるな。内外内外際どいとこにバシーッと投げこんだれ。」

「アドバイスが終わり引き換えしていきました平監督。」

「平監督のアドバイスが聞いたのかキャリー2-1と追い込まれました。」

軍来「内外・内外とキャリーの嫌いな攻め方してるね。」

「新井第六球投げた!打ったがぼてぼて内野ゴロだ、6・4・3ダブルプレー。」

軍来「最後にインコースの際どいところ、打つしかないしね。」

新井は後続のバッターも討ち取り7回表終了する。

「タイガース7回表の攻撃ですが、ここはピッチャー新井の打順ですが、代打のようですね、如月が代打として告げられました。」

「すっぽ抜けのフォークも増えてくる頃や、ここは一気に叩くで。」

「さあ、代打如月はカウント2-2でおいまれましたが、福田得意のフォークでしとめますか。」

軍来「あぶないなあ。疲れてきてるだろうしね。」

「福田、第7球投げました。打ったー。打球は以外に伸びて行くぞライトバックバックフェンスに貼りついたが、ライト諦めたホームラン2-3タイガース逆転。代打的中如月ソロ第一号ホームラン。」

軍来「やっぱり、すっぽ抜けですよ。狙われていましたね。」

その後タイガースは連打で1アウト満塁。

「福田つかまりました。ここで阿南監督出てきて・・・。どうやらピッチャーを替えるようです。」

阿南「ピッチャー交代、魁!」

「おーっと阿南監督、連続無失点投手魁をここでコールしました。」

平「ほら、出して来よった。」






第3話 平の力

「横浜ベイスターズ1回表の攻撃です。タイガース先発はカイン、ここまで0勝2敗と芳しくありません。今日は平 源タイガース新監督就任の初試合・甲子園はいつになく取材陣で一杯の様子です。プロ野球史上初のプロ野球未経験監督の采配が今からご覧になれるわけですが、さてどうなるか。

コーチも猛田烈内閣時のコーチは全員解任、竹堂ヘッドコーチがベンチにいるだけです。ランナーコーチは控え選手が行います。まるで高校野球さながらの首脳陣です。今日はタイガースOB浪速のスラッガーと言われた軍来さんをお迎えしております。軍来さんどうでしょう。」

軍来「そうですね、平監督は乗り越えるべきハードルが二つあります。それはベイスターズに勝つこと、選手に自分の指導力を認めさせる事です。4連敗で辞任といった以上勝ちにこだわらずをえない状態です。それにプロ未経験ですから、選手たちにしても平監督の実力がいかなるものかと一挙手一投足を観察しているわけですから、この一日で全てが決まってくるといっても過言じゃありませんよ。」

「バッターボックスには1番山本が入りました。カイン振りかぶって第一球なげました。空振りストライク!」

平「球は走っとるっとるようや。」

竹堂「カインちゃん乱れんといてや。」

カインは山本を三振、元谷はショートゴロに討ち取った。ベイスターズベンチでは監督の阿南が平についてヘッ

ドコーチと話していた。

阿南「タイガースのオーナーも物好きだよ、きっと恥の上塗りになるよ。」

芦谷「選手の中に平の事しっているのいるみたいですよ。」

阿南「ほう!てことは、高校野球の監督とかやってた人」

芦谷「そうらしいですね。」

「3番バッカーがバッターボックスに入ります。ここからが見所ですカインは今までカインを打っています。」

軍来「ここは平監督がバッテリーにどう指示しているかですね。」

「カート第一球なげました。ストライクー!空振り外郭ぎりぎり一杯に変化球でとりました。」

軍来「よく研究していますね。バッカーはストライクゾーンが広いですからね。今の攻めはグッドですよ。」

「第二球インコース攻めをひっかけたファーストゴロにしとめました。スリーアウトです。」

ベンチに引き上げる選手達、

平「おっしゃー!ナイスピー」

「バッターボックスには先頭バッター高杉が入ります。ベイスターズ先発は梅田ここまで1勝0敗防御率も3点台勝星こそ少ないですがのまずまずの成績です。振りかぶって第一球投げました。ストライク!まずはスライダーでインコースをついてきました。」

高杉の頭の中には試合前の平の指示が浮かんでいた。「ホークのすっぽぬけ。」を叩けが繰り返された。

高杉「フォークのすっぽぬけなんてそう簡単に・・・・・・。」

カウンとは2-0と追い込まれ、スライダーをカットしていった。

「高杉2ナッシングから粘って2-3としました。」

軍来「高杉君フォークを見極めてなんとかしてるね。梅田君時々投げそこなうんですけどねフォークボール。」

高杉「すっぽぬけなら、タイミング遅れながらも合うか・・・。」

「梅田第9球投げました。」

「打ったー!一塁線に痛烈な打球、流し打ちだ、長打コースになりそう、ライトが打球を処理する高杉は2塁。」

平「よう狙うた。すっぽ抜けはスピードがない。」

「初回からチャンス到来タイガース。」

軍来「すっぽ抜けですよ。それ狙ったのかな?」

「さて次は古村ですが送ってくるのか?」

古村はバントで高杉は3塁に進んだ。

軍来「今のバントもいきなりバントの構えをせずせず3球目にセーフティバントみたいにやりましたが、以前はこんな小細工なっかったですよね。」

「さて、3番大垣ここは外野フライで一点入る場面ですが。平監督大垣にもなにやら指示を与えていました。コーチ兼監督ですから大忙しですね。ワンアウト3塁先制のチャンス。」

「梅田大垣に第一球投げました。おーーーーと!バント、バントです。サード突っ込む打球を取って一塁に送球。その間に3塁ランナーがホームにくるどー。一塁慌ててバックホーム。セーフ、セーフ奇襲作戦!3番バッター大垣のセーフティースクイズ、タイガース1点先制。」

つづく



第2話 平初陣

翌日のスポーツ新聞の見出しは、平 源の監督就任に対する記事が一面を飾った。「なんでやねん!」「何考えとんねん!」のタイトルで始まっている紙面が多かった。

平の過去を洗おうとする動きうも見受けられた。「マイナーリーグの監督なのか。」「大昔に多国籍でいた大リーガー選手だろう。」とありもしない詮索も報じられた。

その日は平の初陣となる日、対戦カードは横浜ベイスターズだった。午後一時選手を集めてのミーティングを行った。平以外に指揮を執るのは、ヘッドコーチの竹堂だけだった。後のコーチは誰もいない。だが高校野球の監督を長年経験した彼にとってはなんら苦痛でもなかった。

平はベンチ入り選手全員を前に挨拶をした。

平「平 源ですよろしく。皆も知ってる通りチームは最悪の状態や、一応わしの背番号やけどこれや。」

振り向いてみせた背番号は20と書かれてあった

平「わしの背中に鬼が貼りついた。そうや勝つためにはわしは鬼になる。それにな、今この部屋の中で一番負けん気が強いのはわしや、その次は誰や思う?お前らやないで。」

選手「・・・・・・・・。」

平「それはな、ファンや、ファンの方がお前らより負けん気つよいで!」

平「今のお前らはもう気持ちで負けてしもうとる、気持ちでな。野球をする本人自身が気持ちで負けててどうすんのや。勝てるんかよ!」

平「今日からは気合いれていったれ!」

選手達は平の気迫に圧倒された。

平からその日のスターティングメンバーが発表された。

タイガーススターティングメンバー

1番 ライト  高杉

2番 セカンド  古村

3番 センター  大垣

4番 サード  村本

5番 レフト   堂山

6番 ファースト ニドー

7番 キャッチャー 浮田

8番 ショート   廉見

9番 ピッチャー カイン

平「今日のベイスターズの先発はローテから言うて梅田やろ、梅田の配球パターンはカウント取りでスライダーと釣り球で直球をボールゾーンに投げてくる。追い込んだらフォークを投げてくる。でもなこのフォークがようすっぽ抜けしよんのや、前半はよう見てフォークを見極め叩くんや。失投を見逃すんやない。

フォークが打たれだしたら、カーブとチェンジアップで打たせてとろうとしてきよる。しょんべんカーブを狙い打つんや。6・7回くらいからはカートとか言う背の高いピッチャーがリリーフしてくる。こいつは変化球から入って150台の速球も投げる厄介なピッチャーや、でもランナーが出ると気が散る典型的なピッチャーや、同点以上ないし1点差なら魁出てくるこれを出さんようにせなあかん。もうしっとるやろうけど。あいつの強力シンカー(メテオ)は打つのは困難や。」

平は浮田・カインも個室に呼び、ピッチングの組み立てについて指導した。

ベイスターズスターティングメンバー(予想)

1番 センター 山本

2番 ショート 元谷

3番 ファースト バッカー

4番 ライト  キャリー

5番 レフト  鈴田

6番 セカンド 大井

7番 サード 琉島

8番 キャッチャー 伊神

9番 ピッチャー 梅田

平「山本は常に出塁することを意識にもっとる。粘ってでも塁に出ようとしよる。最初から直球で押してボールを先行さすな。2番の元谷はローボールヒッターや足があるよって、高めのつり球をつかうんや。低めは必ずボールになる変化球にするんやフォークがええやろ、3番バッカーはストライクゾーンが広いから気つけや自分の好きなコースはボールでも強振してくる。ストライクぎりぎりからボールゾーンに逃げる変化を投げるんや、でも一番の要注意がキャリーや低めの球をホームランしよるパワーヒッターやセリーグでも5本の指にはいるパワーヒッターや、こいつにはボール球でええ、歩かせてもええ、結局こいつ三振しよるこいつは、6番鈴田は変化球に弱い打たせてとればええ、7・8番は敢えてアドバイスはせん。いままでの攻略で十分や。」

PM5:50 平はベンチにいた腕を組み目を閉じ試合開始を前に過去を回想した。

PM6:00試合開始!運命の初陣の火蓋がきられた。



第一話 タイガース新監督はタイガースファン平 源

20xx年4月も終わりに近づいた頃その日は日曜だった。甲子園球場ではタイガース対カープの試合が行われていた。6回表を終了し8-1とカープの圧倒的なリードだった。もしこのカープとの3連戦本日負ければカード3連敗、また7連敗になってしまう。また現在6位のベイスターズが勝てば最下位に転落してしまう。1位はジャイアンツ2位スワローズ3位はドラゴンズ4位カープの順位だった。

「打ったー!金星右中間真っ二つ、2塁ランナー星井田還って9-1。いまだノーアウトだ、タイガースピッチャー替わったばかりの山之上2連打されたー止まらない止まらないカープ打線。」

猛田 「まともに抑えられるピッチャーはおらんのかいな。どいつもこいつもポカスカ打たれよって。」


タイガース現監督 猛田 烈のイライラはとまらない。

「オーッと今度は、打球が伸びて伸びて入ったー!ホームランです。8番のキャッチャー大岩に2ランホー

ムランがとびだした。11-1圧倒的だ山之上火達磨。」

堺田 「くびや、くびや!こんな試合ばっかりしくさりよって。もう堪忍袋の緒が切れた。」

タイガースオーナーの堺田も尋常ではない。この日猛打烈は監督を解任された。勿論その日の試合に負けてしまった事は言うまでもない。

猛田 烈は2年前からタイガースの監督に就任しているが2年連続最下位でおまけに今年のペナンとレースも

5位6位争いの状態だった。

タイガースには昔から根強いファンがいることで有名だが,優勝からずいぶん遠ざかりここ5年はBクラス暮らしが続いていた。それでも応援を続けるタイガースファンは救世主となりうる者の登場を待ち望んでいた。

しかしまさかこの猛打 烈監督に代わる新監督が世間の度肝を抜く人物あったとはこの時まだこの時だれもしるよしもなかった。

次の新監督はいったい誰なのか世間の注目を集めていた。その日のスポーツニュースではそのことで持ちっきりだった。勿論予想もなされていた。外人の監督?タイガースOB、敏腕優勝経験監督、著名評論家等等。

しかし翌日の記者会見で姿を現したのは、聞いたこともない、見たこともない男だった。平 源(55)自称一タイガースファンだった。

これにはファンはおろか日本国中が仰天した。

「誰やねん!あのおっさん。」

「野球しっとるひとなんか?」

どよめきがもれる中、男は口を開いた。

平 「みなさん。はじめましてわし平 源ていいます。平は平成の平 源は源の義経の源と書きます。わしはもとプロ野球選手ではありません。今回の監督就任で初めてのプロ入団になります。憧れの甲子園の土がやっと踏めて嬉しいです。ただ。わしが監督に就任したからには必ずタイガースを優勝させてみせます。

この命に代えても必ず。」

僅か十数秒のコメントだった。頭には一昔前のタイガースの帽子があった。男はそう平は日常茶飯事かかさずこの帽子をかぶっている。飯を食べるときも風呂に入る時も寝るときも。

近所ではこの一風変わったいでたちの男の事を「タイガースのおっちゃん」と呼んでいた。

色黒、細身、慎重175位、頬は落ち込んでやたら眼光が鋭い一見して無愛想だった。全体的に貧相だった。でもなにか男の哀愁を漂わせていた。

タイガースオーナー堺田と球団社長向は平の両脇分かれてに座っていた。

おそらく世間の反応は予想済みだったのだろう、世間のどよめきをどこ吹く風といわんばかりのそぶりで記者会見に応じていた。

記者会見は平らが無愛想なのもあってか僅か30分で終了した。

ただ、平の発した言葉の中には、


平 「前歴なんぞ関係あらへん。優勝すればそれでええんや。」

というものがあった。確かにそのとおり、結果を出すしかないのだから。

またさらには飛んでもない約束もなされた。

平 「4連敗したら自ら辞任するよってに。」

これにも世間は驚いた。ここまでの自身はどこからくるのだろう。

ただ、平の鬼気迫る決意が全国に伝わったのは事実だった。



つづく