万年筆で書きやすいノート | 椿日記

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突然ですが、私は紙フェチです。



文房具マニアとして、いちばんこだわっているのは紙です。



「最近はノートを指先で撫でるだけでだいたいの書き味が推測できるようになってね」なんて語りたいのですが、そんなマニアックな話を聞いてくれる人は現実世界であまりお目にかかりません。



ブログに書けばよかったんですね。
本日は存分に語ります。
万年筆で書きやすいノートについて。



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これはあくまで私の体感ですが、



ヌラヌラ>ツルツル>スルスル>スラスラ>サラサラ>サリサリ>カリカリ>ガリガリ



万年筆で味わう紙の書き心地には、
このくらいの差があります。



ヌラヌラに近いほどインクフローがよく、ガリガリに近いほどインクフローが渋い印象です。



インクフローとは、インクの出のこと。
インクフローがよいほど滑らかな書き味になります。



私はスルスルがいちばん好きです。
次点でサラサラとサリサリ。
スラスラもありですね。
ヌラヌラは行きすぎです。
ツルツルもそこまでしなくていい。
カリカリはもう一声ほしいです。
ガリガリは書けません。



擬音が入り乱れすぎて、このままだと何が何だかわからないと思うので、一つずつ例を挙げて解説します。



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まず、スルスルはほぼ日手帳のトモエリバー。
私のいちばん好きな紙です。
ほぼ日を使い始めて三年になりますが、未だに毎日の日記をつけるのが楽しいと感じるのだから、ほぼ日はすごいです。
特にほぼ日オリジナルは厚みがあるので、ふかふかの優しい書き味。ペン先がスルスル滑る気持ちよさは癖になります。



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ツバメノートはサラサラ系。
しっとりと柔らかく、適度な抵抗のある書き味です。
「万年筆で書きやすいノートがほしいけど、あんまり高いのはちょっと……」というとき、まず手にしてほしいのはツバメノートです。
私もこんなにノートにはまる予定はなかったので、まず最初はツバメノートを買いました。
その書き心地のよさにびっくりして、「万年筆で書ける紙ってこんなに気持ちいいんだ!」と衝撃を受けたので、他の紙も試したくなったんですよね。
おしゃれで機能的なThinking Power Notebookも素敵ですよ。



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ライフノートもサラサラですね。
ノーブルノート(左)はこの重厚なデザインとたっぷり100シート書ける点が頼もしいです。紙質も申し分ありません。あと、8ミリ罫線が最高です。太すぎず細すぎず、万年筆で書きやすい幅の罫線です。

ピスタチオ(中央)バーミリオン(右)など、色つきの罫線や方眼がおしゃれなのも魅力。

ラムネは名前もノートも可愛いですし、
活版ノートのラフさも好きです。
ライフのノートは全体的に、長く大切に付き合いたいノートです。



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サラサラ系。最近好きなノートです。
180度パタンと開くのがすばらしい。96シートもあってパタンと開くノートはすごいんですよ。「糸かがり綴じ」という言葉にときめくようになったのは、このノートを使ってからです。
クリーム色の紙も目に優しく、ストレスフリーな書き味。
言葉帖としてじっくり使っています。



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満寿屋の原稿用紙MONOKAKIノート。どちらも同じ紙です。
サラサラ系。
「原稿用紙と同じクリーム紙のノートがほしい」というユーザーの声に応えて生まれたノートだそうです。
うっとりするような書き味のノート。
なんといっても切り絵の表紙が美しいので、ぜひ実物を見てほしいです。
この表紙、紺色の中紙、クリーム色の薄い紙のおかげで、まるで上等な本を読み返すような気持ちになれます。
メモというより、記録を残すためのノートとして活用したい逸品。
もちろんノートですから、どんどんメモしまくってもいいと思います。サイズ展開が豊富なので、色んな用途で使えそうです。



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サリサリはMDノートですね。
ペン先で文字を刻む手応え、サリサリと涼やかな筆記音が心地よいノートです。
MDノートの文庫サイズを一時期ずっと使ってました。もう十冊くらい使ったので、いちばんリピートしているノートです。
使えば使うほど好きになるノート。
小さな鞄のときに携帯するにはちょっと重いので、MDノートライトを使ってみたいですね。



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ミドリのノートといえば、トラベラーズノートリフィルマカロンノートもいい感じ。
サリサリ系です。
ミドリの紙は好きです。



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スラスラは、月光荘のスケッチブック、トラベラーズノートの軽量紙リフィル、ドレスコのオニオンスキンですね
スラスラは書きやすいです。薄いのに裏抜けしない紙が多い印象。



ここまでは私の好きなノートです。
以下は、私の好みからは外れますが、万年筆ユーザーにおすすめしたい上質なノートです。



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ヌラヌラはグラフィーロ
この他に類を見ないヌラヌラ感は、好きな人にはたまらないと思います。
ヌラヌラって万年筆ならではの書き心地ですものね。愉しいノートです。



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ツルツルはアピカのシルキーノート。
文字を書いているとき、手首がひやっとするほど滑らかです。
本当に軽い力で書けますよ。
シルキーは真っ白な紙なので、インクの色が綺麗に出ます。



以上、私が万年筆で書きやすいと思うノートです。



あっ、ガリガリとカリカリの説明を忘れてました。



ガリガリは安価な大学ノートにありがちです。ボールペンやシャーペンや鉛筆なら問題なく書けるのですが、万年筆だと途端に引っかかる紙。



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キャンパスのコクヨノートなら、万年筆でも問題なく書けます。
これがカリカリ。硬めの書き味です。
画像はリエデン・カラーズです。今は売っているかわかりませんが、これコクヨなんですよ。



万年筆を使い始めたことで、今まで使っていたノートに違和感を覚えるようになった人はけっこういるのではないでしょうか?
引っかかるノートって本当にもうびっくりするほど引っかかりますよね。



散歩で例えましょう。
今まで普通に歩いていた道で急につんのめるような感覚です。



でもそのぶん、書きやすいノートを選べば、今までの倍以上書いても疲れにくいという利点があります。



司法試験を受ける方は、まず万年筆を買いに行くと聞いたことがあります。
たくさん書いて勉強する必要があるから、自分の手にかかる負担の少ない万年筆を選ぶのだとか。



私が万年筆で書いているのは小説です。





たしかに手が疲れにくくなりました。同じ分量のメモをボールペンでとれる気がしません。絶対に指が痛くなります。



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私が使用している万年筆は、プラチナ#3776センチュリーのシャルトル・ブルーです。
F(細字)です。
プラチナセンチュリー自体は、シャリシャリとした硬めの書き味。
使い始めて三年経つので、今はだいぶ柔らかな書き味です。



この万年筆は約一万円。
万年筆としては安価ですが、筆記用具としては高価です。
でも、この三年間で使わなかった日は(洗浄と乾燥した日を除いて)ないと思うので、本当に買ってよかったと思っています。



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使用したインクはパイロットの色彩雫
色彩雫はさらさらしたインキで、インクフローがとてもいいです。
ノートによっては裏抜けします。
この記事で紹介したのは、すべて基本的には裏抜けしないノートです。



あくまで、私の万年筆とインクでは裏抜けしないというだけなので、他の万年筆とインクではわかりません。
可能なら、試し書きしてから買う方がいいと思います。



万年筆を使い始めると、紙の好みが出てきますよね。
ノート選びの際、思い出していただければ嬉しいです。



これからもお気に入りのノートを紹介していきたいと思います。
ノート記事はブログテーマ「ノート」にまとめてあります。



最後まで読んでくださって感謝します。



あなたの今日が、
幸せな一日でありますように。