リッジランナーで初日の出を目指す(2022年) | 休業日報

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地味な自転車や機械、軽トラの事。

新年、あけましておめでとうございます。


昨年は私の自転車遊びにお付き合いいただきありがとうございました。


今年も地味で映えのカケラも無い内容ばかりですがよろしくお願い申し上げます。




元旦、初日の出自体には興味があまり無い。


しかし、今年は自転車で行こうと決めていた。

家の前の除雪を済ませ、身支度を整える。


天気予報では曇り、マイナス11度。


初日の出を拝めないかもしれないが、そんな事はどうでもいい。


自転車が好きだから走るのだ。





日の出は7:05。


時間に余裕を持って6:00に出発しようとしたが厠にて時間を取られる。


肝心な時にいつもズッコケる。


私の人生、いつもそんなもん。


嘆いていても始まらない、幸いにも路面は圧雪状態で滑らない。


圧雪でマイナス11度にもなると乾燥したグラウンドの様な走り心地で全くと言っていいほど滑らない。


車が雪を踏み締めてくれているので車道は走り易く、交通量もほぼゼロ。


久しぶりに全力で漕ぐ。


家を出て数分で手足の指先が悴んでくる。


厚手の靴下とトレッキングシューズ、手袋はスキーにでも使えるような代物なのにコレはヤバい。


家に帰り、対策を施して再出発する暇は無い。


初日の出に間に合おうが、間に合わなかろうが人生が変わる訳じゃない。


でも今日だけはリッジランナーで初日の出を見ると決めていた。


今日はこのポンコツおじさんがポンコツ自転車と走る日だ。





海岸近くの道路はデコボコに踏み固められた路面の上に雪が吹き溜まって既に走れない。


リッジランナーを押しながら深い雪を掻き分けつつ進む。


どうにか時間前に到着。


砂浜には日の出を待ち侘びる人が既に数十人はいた。


私はリッジランナーと日の出を一緒に写真が撮りたいので岸壁上の公園で待機。





時間が近づき空が色づいてくる。


だが、雲が流れて来て太陽を覆い隠そうとする。





駄目なのか。


諦めて帰り出す人達も出始める。





初日の出の時間が過ぎたけれど太陽を見ていない。


雲はギリギリ動きを止めている。


初日の出なんてどうでもよかった筈なのに誰に願う訳でも無く、日の出を待ち侘び祈っている。


持ち堪えてくれ、もう少しだけ雲がそこに留まってくれと。





最大で50人以上はいたであろう人も、もう数人しかいない。


水平線から出て来ていないこれを初日の出というのか知らんけど私には関係無い。


廃棄物処理場で偶然見つけたリッジランナー。


浅はかな計画で始めた事業に失敗し、全てを失い絶望していた私と境遇が被るのかこのリッジランナーには特別な感情が湧く。


ただの安物、今で言う所のルック車レベルで人がゴミとして捨てた自転車なのに。


それをコツコツと部品を集め修理した。


再塗装などした方が綺麗になるがそれは違うと思った。


錆を落とし、防錆処理だけして見た目はキズだらけだがそれで構わない。


キズも錆の痕跡も積み重ねて来た歴史だ、私の人生の失敗が消す事が出来ない様に。


そんなリッジランナーと共に初日の出を拝んだから明日が変わる訳でも無い。


車で来ればもっと快適で簡単なのに。


いや、リッジランナーじゃなきゃ意味が無い、リッジランナーだから来たんだ。


ちょっとだけ明日に希望が持てた気がする。





帰りは途中でホット飲料で指先を暖めつつのんびりと帰宅。


何故かまた厠に籠る。


お腹が冷えた様だ。