個人的には別に急いでいる訳でも無く、反響も無いだろうから第2回は桜前線が訪れる頃にでもやろうと思ってたんです。
しかし、この地味でテキトーなネタが私の書いた過去1ヶ月のネタで上位の閲覧数とか。
読んで頂いた方々の為にも第2回はお小遣いを搾り出し超豪華版(当社比)でお送りします。
性能比較ラインナップに
・BAA対応ステンレスリム用ブレーキシュー(赤いダッサイ奴)
・BAA対応アルミリム用ブレーキシュー(これも赤いダッサイ奴)
・サーファスのアルミリム用ロードバイクブレーキシューBP-10(実売価格500円前後)
・ママチャリアルミリム用櫛形溝シューが参戦します。(そこら辺に落ちてた)
※重要※
あくまでメーカー非推奨の組み合わせを試しているので自己責任でお願いします。
正しい組み合わせならママチャリには必要十分な制動力が出ていると思われます。
ママチャリ持ってないから知りませんけどね。
性能についての記載は私がポンコツロードバイクにつける為の要求値を満たしているか否かの話です。
機材の組み合わせやセッティングなどで結果は変化しますのでブレーキシューの優劣を保証するものでは無く、再現性が高い厳密な実験でもありません。
私の主観でしかありません。
ですからあえて制動距離を記載しない面もあります。
単純に家の前で測るのが恥ずかしいのもありますが。
左側がアルミリム用で当たり面の角度0°です。
中央がステンレスリム用で当たり面の角度約10°です。
右側がアルミリム、スポーツ車用、角度0°
上段、中段、下段と シューの材質が近いであろう組み合わせ。
シュー交換、14回。
全ドライのデータ収集後にウエットのデータを取らないと拭き残しの水とかで制動距離が伸びちゃうと困るから無駄だなあと思いつつ頑張りました。
試走14回。
なかなか過酷でした。
10段階評価 トップ(基準シュー)のドライ性能を5として全て相対評価です。
試験車両 丸石 ノースウイング改
車両リム ブリヂストン ステンレスリム
試験ブレーキレバー ダイアコンペDC-133
試験ブレーキ テクトロデュアルピボット800A
・トップWOリム用シュー(基準となるシュー)
200円位
柔らかめのゴム
当たり面の角度 0°
ドライ性能 5(基準値)
ウエット性能 1以下
備考 用途について記載無し
数回の試験で1番シューが削れていると言うか削れすぎ。
・ママチャリアルミリム用シュー
そこら辺に落ちてた。
ママチャリ用櫛形溝、ゴムは硬い
当たり面の角度 0°
ドライ性能 4
ウエット性能 1以下
備考 中古品なので参考までに。
こんないつの作られたか不明なシューでもドライだと普通です。
ズボラな人に整備もされず使い倒される運命を想定して設計?がされているのか。
・サキザカBAAアルミリム用シュー
1000円位
赤い奴のアルミ用、ゴムは硬めでツルツル質感
当たり面の角度 0°
ドライ性能 3
ウエット性能 1以下
備考 YSBの刻印あり、吉川製作所?
このシューだけではありませんが0°シューは殆ど角でしかリムに当たっていません。
逆にそれでドライ時限定ですがある程度の制動力を発揮するのを評価するべき気がしてきた。
・サーファス ロードバイクアルミリム用シュー
500円位
一般的なスポーツ車シューでちょっと硬めのゴム
当たり面の角度 0°
ドライ性能 7
ウエット性能 1以下
備考 値段の割にはドライで健闘。
私はきっと個人でサーファスBP-10を使っている数の世界ランキングでトップ10に入る自信がちょっとある。
企業様のお声掛け、お待ちしてます。
・ブリヂストンステンレスリム用シュー
500円位
ちょっと硬めのゴム、質感はサーファスに近い
当たり面の角度 約10°
ドライ性能 3.5
ウエット性能 2
備考 質感は効きそうで良さげでしたがイマイチ。
謎のシュー接触面形状に期待したんですが全てがガックリ。
・サキザカ ステンレスリム用シュー(グレー)
900円位
ママチャリアルミリム用に近い質感でゴムは硬い
当たり面の角度 10°
ドライ性能 3
ウエット性能 2
備考 左右の溝がズレてて端部は切りっぱなしの残念クオリティ。
それでもステンレスリム用シューとしてはウエット性能を含め及第点。
でも、見た目って大事ですよね。
・サキザカ BAAステンレスリム用シュー
1000円位
BAAアルミリム用より若干ザラつきがある
当たり面の角度 10°
ドライ性能 5
ウエット性能 3.5
備考 YSBの刻印あり、吉川製作所?
この色で製造OK出した人誰ですか。
せっかく性能はいいんですから普通の黒やグレー出して下さい。
・カンチブレーキ(比較用)
テクトロCR720とテキトーなアルミリム用シュー
ノースウイング改(自作カンチ台座)
カンチなので当然、リムとの接触時は平行0°
ドライ性能 10
ウエット性能 4
備考 やっぱりカンチブレーキ最高
ドライで10点ですがこのブレーキが史上最強?と言う意味では無いです。あくまで基準シューと比較しての話です。
ウエット性能試験はブレーキシューとリム全周に霧吹きで水をかけてからドライと同じ所を走行。
寒くて泣きそうとか、おんなじ事14回も繰り返すとか馬鹿じゃね?などと心が折れそうになった事は正直に告白します。
ドライ ウエット
トップアルミ 5 1以下
ママチャリアルミ用 4 1以下
ママチャリアルミBAA 3 1以下
サーファスアルミ 7 1以下
BSステン 3.5 2
サキザカステン 3 2
サキザカBAAステン 5 3.5
カンチとアルミシュー 10 4
総括
アルミリム用と言いますか当たり面の角度が0°のシューはドライ性能がそれなりでも、軒並みウエット性能がアウトでレバーを握ってもそのまま滑走していくと言う表現が適切です。
アルミリム用シューではドライ時に自分の家の前で停車する様に設定したブレーキングポイントからウエット状態からブレーキをかけると2件向こうの家の前まで進んじゃいました。
夜間に評価試験をやったのが不幸中の幸い、恥ずかしくありませんでした。
ステンレスリム用シューについてはドライ性能が若干低めですがウエット時の制動力低下が明らかに少ないです。
レバーを握り始めのフィーリングではアルミリム用と同様の滑走感があるんですが後からググっと効きが復活してくる感じです。
それがシューの素材によるリムへの攻撃性の強さなのか、当たり面に角度がついている為に接触面積が大きく溝のパターンがリム表面の水を早く排水する為のどちらかなのでしょう。両方かな。
参考値のカンチブレーキが両環境で良好な結果なのはカンチのストッピングパワーとシューの長さで摩擦を稼いでいるものと思います。
対策
・ステンレスリムの車両にはアルミリム用のよく効くブレーキシューを付けてライドを楽しみ、雨の日は乗らないか途中で降ってきたら諦めて降りる。
・はなから雨が降りそうな日はアルミリム車両に乗る。
・雨天用にアルミリムのホイールを調達。
ステンレスリム用シューを探す為の実験から導き出された結論が「ステンレスリムを使わない、もしくは諦める。」とかアホだなあ。