浴室 -96ページ目

興奮と異常と

わたしは少しおかしくなる時がある


なんというのか判らないけれども一番あっている言葉は興奮状態だと思う



遠足前の子供の気持ち?



何があるのか判らないけれども、とても興奮している、寝付けない


愛人をはじめてからこんなことは何度もあって


元々生活リズムが規則正しい方ではないのだけれども


確実に壊れていっている気がする




別に興奮しているからといって、明日何があるわけでもないし


愛人相手に会うわけでも、ないし、特に本当に何もあるわけでもない




躁鬱病なのでしょうか、プライベートの感情の起伏が激しすぎるといわれた


自覚なし、でも鬱病になったってこの仕事は辞める気はない、辞められない


悲しいとかそういう感情があんまりなくて、でも時々凄く切なくなる


切なくなるのは大抵、綺麗なものに触れた時、そんな時だけ涙が出そうになる




彼に会って、甘えたいな、ううん、口で言ってるだけ、多分今の状態で会っても情緒不安定




わたしは強い子なので大丈夫です


わたしが選んだ道です、それにどうこういうつもりはありません





愛人相手に名前を呼ばれても、どこか遠くで聞いている気がする


なんというかわたしなんだけれども、わたしじゃないというか


TPOにあったわたしを作るのは元々うまかったんだけれども


今はどうなんだろう?どうしてそこまで楽しそうに微笑めるんだろう?


嬉しそうに指を絡めて、角度をつけてにっこりと微笑んで


目を合わせて、口付けを求める




そんなのなんにも求めてない




視られるということを意識しだしたのはいつの頃かな




お客様の前では笑顔だけれども、ふとした瞬間に真顔になって1人で考えてる時がある


視られないところで




セックスの最中はひたすら早く終ることだけを祈って


目を瞑って、イかせようと必死になる


足の指なんて舐められて、そのまま顔を蹴りたくなる


しつこい愛撫、いらない




ストレスをストレスとして受け入れているのかなんなのか


もう考えたくないから考えない




わたしは本当は誰を愛しているのか


わたしはどうしてこんなことができるのか


わたしは何がしたいのか




そんなことなんて、もう考えたくない

歪曲

時々思う、どうして自分はこんなことができるんだろう?と




恥じてみたり、屈辱を感じてみたり、開き直ってみせたり


とりあえず一通りの感情は持ってみるけれども




セックスフレンドなんていう存在がなんの抵抗もなしに認められてしまう


この世の中だから、わたしは普通なのでしょうか



わたしはそんな風には考えられなくて


好きでもない相手に体を開くことは好きではない


当たり前か、なんというか、そんな自分が許せない時がある




早く終らないかなとか、最中の相手が彼だったらなとか


彼だと思うようにしたりとか、相手が悦ぶような反応を見せようと


背中に爪を立ててみたり、口の中に指を入れてみたり


彼の愛撫との共通点を見つけてみようとしたり


でも、彼じゃない




彼の名前を呼びそうになる、でも、ん、とか、あ、とか


切なく聞こえるくらいだと思う、相手にはというか、言えないし


曲がった感覚だけれども、わたしが彼に抱かれたいと思う瞬間は


お客様とセックスをしている時かもしれない

どこに?

強姦をされたとき、わたしはわたしがされてるみたいじゃないみたいで


今でも強姦をされたっていう事実は事実としてあるんだけれども


でも、わたしの中ではまだ飲み込めないというか


わたしじゃないみたいで


その時からかな?カメラアイは




受け入れてないのか受け入れたくないのか自己防衛反応なのか


よくわからないけれども、わたしはあの時からお金が絡まないセックスができない




俺も男だし好きだからこういう風にしたいって思うのは当然でしょ?なんで判らないの?





そう言われながらされたっていうことは覚えてるけど、その日から


好きってなんだろうってずーっと考えてる


好きだったらなんでわたしの嫌がることをするんだろうって


その時から男だからっていう言葉が大嫌い、反吐が出る



その時わたしはさして抵抗もしなく、無表情無反応無抵抗


抵抗されると燃えるって判ったからかな、なんとなく瞬時に相手が


どうされたら一番傷つくんだろうって思ったのが始まりで、多分そんな反応


案の定相手は不服みたいで、なんだか終った後も、嬉しそうじゃなかった気がする




俺のこと馬鹿にしてるんでしょ?こんなのオナニーだって思ってるんでしょ?





今ではもうあんまり覚えてないけれど、わたしはソレが終った後に無言で立って


服を着て鏡で自分の顔を見た気がする


その時のわたしがどんな顔をしていたかは思い出せないけれども


鏡に写っている自分は今でも思い出すことができる、頭の中で鮮明に







わたしはその時酷く傷ついていて、自分のせいで愛する相手を傷つけて


とても罪悪感を持っていた


でもだからその時、なんだかわたしはこれでわたしの罪が清算された気がすると


そう感じていた


こんなに嫌な思いをしたんだから、許されるのかなって


許されて又わたしは誰かに愛されても良いのかなって


許された気がするって思っていた


同時にあんなに可愛がって大切にされた体を、わたしは汚してしまった気がして


凄く自己嫌悪、悲しいとか、許せないとか、それ以前に、わたしは汚れた気がした


それは今でもそう、わたしの体は汚いと思う


丁度その前にわたしは相手に煙草を買ってもらっていて


わたしの体は300円の価値かと思ったと同時に、なぜかお金を貰っておけばよかったと思った


それが愛人の発端かな?





昔付き合ってた人に自分の体が汚いなんて言わないでとわたしは言われて


救われた気がするけれどもその人とも結局してなくて、でもそんなに好きじゃなかったから


今はあんまり嬉しくない





わたしは彼に、救いを求めているのかな


でもずっとずっと、普通にセックスしたくて、あの頃みたいに普通にセックスで愛を感じたくて


誰かわたしのこの思考を、壊してくれる人が欲しかった


永遠のループから救ってくれる人が欲しかった


普通にセックスできないのは強姦相手のせいで、そのおかげで愛人も始めて


わたしは今でも縛られている気がする


でも普通に彼とセックスができたら、わたしは普通に戻るから、愛人なんてやれなくなるのかな


どうなんだろう


彼とセックスができたとしてもあの頃にはもう戻れない気がする


女として抱かれる悦びって、どこに行っちゃったんだろう?