浴室 -24ページ目

わたしは

まだ貴方を振り返られない


わたしは貴方の傷を癒すことが出来ない


折角出来たかさぶたを、剥がしたらそこから


思いが、あふれ出してしまいそうで



臭いものには蓋をして、見ないようにして、ただ、時間が経つのを


じっと待ってる


誰かに傷を舐めて貰う代わりに、わたしはそうやって自分の傷を舐めてる



誰かがわたしを思って、してくれたことも、その笑顔も、わたしは


素直に受け取れない


それより胸が痛む、だってわたしがそうやって仕組んだんだもの


わたしはそうやってして欲しいが故に、綿密に計算して


貴方にそうせざるを得ない状況に


貴方が気が付かれないように気を使いながら、


ゆっくりゆっくり、追い込んだんだもの



それでも、わたしが誘導したことに気が付いていたとしても


わたしが笑う顔が見たいの?



でもそうだとしても言って欲しくないの、でもそうだとしても、言って欲しくないの




「判っているよ」




なんてそう言われたら、わたしどうして良いのかわからない


わたしの何を知られているのか判らなくて、発狂してしまうわ



時間をかけて作り上げた、貴方専用のわたしが


崩れる瞬間なんて、わたしは認めたくないわ



そうやって、そうやって、わたしは生きてきたのよ

怖い

こんな所に書く文章でも怖い


ホントウは怖いの


誰に見られているのだか判らないから、こんなところでも


少しづつ真実を曲げないと、文章が書けない


ほら、いつまでも縛られてる、わたし、どこまでも逃げられない

優しさと気遣いを

交代に使い分け、顔付きは一体どっちだい?




そんな歌詞があったと思うけど、本当にどっちなんだろうと


考えずには居られない今日この頃



めまぐるしく変わる世間と同じく、わたしの価値観もめまぐるしく変わる



わたしのホントウはどれで、わたしはホントウは何を思っているのか


どうして判らないのかが、判らない



ホントウは、実は何も無くて、わたしを支える何かは


とっくにオーバーヒートしているのかもしれない



眠くてどうしようもない時とか、疲れてどうしようもない時とかだけに


わたしのホントウは顔を出して、仮面はきっと剥がれる



そんな時に書く文章なんてろくなものじゃないんだけどね



普段書く文章を読んだ人が見たら、幻滅するんでしょうね、別にそれでも良いのよ


わたしはコウイウ人間よ