そうしているうちに、何やら別の話声が聞こえ始めた。
ちょっと顔をだすことにした。
A先達と、浴衣姿のB女子だ。
どこにおったんや?>B女子
この山茶花、隣に別館のようなものがある。
外国人案内とかって書いてあるので意識はしてなかった。
そちらに案内されたようだ。
ま、こちらは広い部屋やし、
俺とA先達が泊まる部屋やと女性一人は少々物騒やもんな。
ちょっとだけ顔を出して、再び部屋に戻る。
更に騒がしくなってきたので、食事かと思ってまた顔を出す。
まだのようだが、C姉妹の姉さんが到着した模様。
A先達に、
「ここに座れ」
と、席を指定されたので、指定されたB女子の斜め前に座る。
しばらくして、Oご夫婦も食事にやってきた。
そして食事。

何気に煮魚が良い。
A先達、C姉妹はビール。
O御主人はまたノンアルコールビールのことを聞く。w
無かったので、ビールを奥様と半分。
下戸で、本当に少しで真っ赤になるらしい。
実際、ほんの少しで顔が赤くなってしまった。
そしてDご夫婦も来られた。
遅れて、逆打ちの方も。
この際に出た話題に12番焼山寺の納経所のことがあった。
結構大量に掛け軸を持ち込んだ人がいたらしい。
焼山寺は1人1本と、断ったらしい。
そこでこの人たちが、他ではやってくれただのと騒ぎ始めた。
最後には僧侶が出てきて断ったようだ。
なぜこのようなことになるのか?
この掛け軸が高く売れるから。
掛け軸に限らず、納経帳など、88ヶ所分全て御朱印されたものは高値で売れる。
こんなもん、武道の黒帯やチャンピオンベルトと同じと俺は思う。
自分でお参り(納経)をし、御朱印していただいてこそ価値のあるもの。
この物自体には価値は無い。
でも世の中、弱いくせに黒帯を買ってきて締めたがる輩がおるのも確か。
これと同じ。
だから、大昔から学生が夏休みのアルバイトでこんなんをやる。
それを買い取る元締めがいて、そいつらが新聞広告などに掲載して売る。
そして、今年は逆打ちが流行っている。
例年なら愛媛県あたりから泥棒に警戒すればよいが、
今年は逆打ちが多いから、徳島あたりでも油断は出来ない。
自分の足で巡り、御朱印していただいた納経帳は、
本人にとってはこれ以上の宝物は無い。
いずれ確実にやってくる、死んだ時に棺の中に入れてもらう物やし。
何があっても、こいつだけは死守しなければならない!
(よこ・ω・づな)