三途の川の渡り方15 朝寝、朝酒、朝湯 | 男は独り道を行く

男は独り道を行く

誰も旅の途中

挨拶だけして、華麗にスルーしようとした。
が、話しかけられた。
悲しいかな、ワシは大阪人。
反応してまう。
適当にあしらうなんて無理。

この人物、切幡寺の近所の住人で、ボランティアで歩き遍路の手助けをしているらしい。
道に迷ったり、体調不良で歩けなくなる人もたまにいる。
そういう人を助けてくれるボランティアがそれなりに居るのだ。
この方は13年やっており、10番切幡寺から11番藤井寺まで歩いている。
毎日ではないが、必然的に1000往復はしているとのこと。
別に朝から酒を飲んで昼寝でもしていればいい身分。
それでも、何かせなアカンと思ったらしい。
人間、そんな立場になったら道楽三昧になる人の方が多いと思う。
でも、そんなことは動けなくなってからでも出来る。
この方も同じようなことを思っているようだ。
一緒に藤井寺まで歩くことにした。

192号線に出た当たりだったと思う。
見覚えのある人物を発見。
そう、朝に安楽寺で話をした親子だ。
結果的に何となく合流。
一緒にこの地域の歴史的な話などを聞く。
そしてこの親子が翌日に挑む12番焼山寺へ向かう際に登る山が見えた。
すると、
「あの山を4つ(3つやったかな?)超える。」
「でもあれを山と思うから大変。踏み台と思えば楽。」
「段々と踏み台に見えてきたやろ。」
と、結構無茶苦茶なことを言う。w
12番への道のりは遍路転がしと言って、遍路の最初で最大の難関。
ここで限界と思った者は、徳島に戻ってからは二度と歩き遍路をしない。
つまり、ここで最後まで行ける人間かどうかの振いにかける場所。
しかし、この言葉に刺激されたのかどうかは知らんが、息子
「踏み台に見えてきました!」
と言う。w
若いっちゅうことは素晴らしいですな。

背後霊の話とか、色んな話を聞きながら歩いているうちに11番藤井寺に到着。
14時36分。


(よこ・ω・づな)