挨拶だけして、華麗にスルーしようとした。
が、話しかけられた。
悲しいかな、ワシは大阪人。
反応してまう。
適当にあしらうなんて無理。
この人物、切幡寺の近所の住人で、ボランティアで歩き遍路の手助けをしているらしい。
道に迷ったり、体調不良で歩けなくなる人もたまにいる。
そういう人を助けてくれるボランティアがそれなりに居るのだ。
この方は13年やっており、10番切幡寺から11番藤井寺まで歩いている。
毎日ではないが、必然的に1000往復はしているとのこと。
別に朝から酒を飲んで昼寝でもしていればいい身分。
それでも、何かせなアカンと思ったらしい。
人間、そんな立場になったら道楽三昧になる人の方が多いと思う。
でも、そんなことは動けなくなってからでも出来る。
この方も同じようなことを思っているようだ。
一緒に藤井寺まで歩くことにした。
192号線に出た当たりだったと思う。
見覚えのある人物を発見。
そう、朝に安楽寺で話をした親子だ。
結果的に何となく合流。
一緒にこの地域の歴史的な話などを聞く。
そしてこの親子が翌日に挑む12番焼山寺へ向かう際に登る山が見えた。
すると、
「あの山を4つ(3つやったかな?)超える。」
「でもあれを山と思うから大変。踏み台と思えば楽。」
「段々と踏み台に見えてきたやろ。」
と、結構無茶苦茶なことを言う。w
12番への道のりは遍路転がしと言って、遍路の最初で最大の難関。
ここで限界と思った者は、徳島に戻ってからは二度と歩き遍路をしない。
つまり、ここで最後まで行ける人間かどうかの振いにかける場所。
しかし、この言葉に刺激されたのかどうかは知らんが、息子
「踏み台に見えてきました!」
と言う。w
若いっちゅうことは素晴らしいですな。
背後霊の話とか、色んな話を聞きながら歩いているうちに11番藤井寺に到着。
14時36分。
(よこ・ω・づな)