[ミツバチ 1000万匹不足 青果受粉用、農家ピンチ]]
(毎日新聞 2009年4月22日)
イチゴやスイカなど果物や野菜の受粉に使われる「セイヨウミツバチ」が不足
しているため、生産コストが上昇し農家が苦慮している。
農林水産省は21日、特に茨城、鳥取など7県で不足が深刻で最大約1,000万匹
が足りないと発表した。
このまま不足が続けば、果物などの価格高騰につながりかねない状況になって
いる。
受粉でセイヨウミツバチを使う作物は、イチゴのほか、
・メロン
・ナシ
・ナス
・カボチャ
・サクランボ
などで、農家は養蜂業者などから購入したり借り入れている。
農水省によると、ミツバチ不足は昨年秋ごろから言われ始め、購入代や
レンタル代が約5割も上昇した地域もある。
ミツバチがいなければ受粉作業を手作業でやることになり、10アールあたりの
生産コストが約2,000~1万円も上昇。
すでに20都道県で経営や栽培に悪影響が出ているという。
不足の原因としては
(1)豪州からの女王バチの輸入停止措置
(2)農薬
(3)ダニ
の3つの影響が指摘されている。
(1)は2007年11月からで、現地でミツバチに寄生虫が付く「ノゼマ病」が
広がったため。
(2)は田畑を荒らすカメムシやアブラムシなどの害虫対策のための農薬が
ミツバチにも作用したとされている。
(3)は駆除剤の耐性を持ったヘギイタダニがハチに寄生して成長が阻害
されたとみられる。
しかし、いずれも「原因として断定するまでに至っていない」(農水省生産
流通振興課)という。
農水省は女王バチをアルゼンチンから輸入するため交渉を進めているが、輸入
されたとしても早くて来年1月から。
同課は「不足が続き出荷量が減れば作物の価格にはね返ることもあり得る」と
心配している。
【奥山智己】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090422-00000009-maip-soci