祖父(母方)は目が見えなかった。
ボクが生まれる前には病気で見えなくなったらしい。
だけど盲目にはみえないくらい活発な人だった。
小さい頃よく遊んでもらったが、ハンデがあるぶん五感をフル活用しているのか、いっしょに散歩しても普通の早さで歩いていた。
そんな小さいころの経験があるせいか、目の不自由な方には進んで声をかける。
たまに勘違いして、白杖を持っている人は何でも手伝えばいいと思っている人がいるが、間違いだ。
盲目の人は頭の中で何歩行ったら右とか計算しているから、下手に声をかけるとペースがくるってしまうらしい。
ちょっと様子をみてから、手伝いが必要か判断する必要がある。
あるとき母親が祖父に「もし 目が見えたら何を見たい?」と聞いた。
母親は自分と期待していたみたいだったが
「孫の顔が見たい(ボクのこと)」と言ったらしい。
祖父が亡くなってから聞いた話だが、胸が熱くなった。
愛する人を見れない辛さはきついだろう。
祖父はいつも元気で陽気で笑いが絶えなかった。
踊りの稽古をして舞台に立ったりもした。
よっぽどの精神力か、ポジィティブだったのか、この精神を見習っていきたい。