Twitter を武器にする社長達 | ヨコオタロウの日記
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事を行うにあたって、いつから始めようかなどと考えているときには、
すでに遅れをとっているのだ。
/ クインティリキス



Twitter の Softbank 孫さんやスクエニ和田さんの発言。

「あー、偉い人なのにざっくばらんでイイ感じだね。面白いね」

とか最初は思っていたんですが、この二人のスピード感と人心掌握のストーリー作りはスゴイですね。スゴイというかヤバイ。

たとえば、孫さん。
「ソフトバンクはフジロック(苗場)で電話がつながりにくいのでそこを解消してほしいです。」という発言を RT して「開催は、いつですか?」と書いたり、大ヒット中の龍馬伝にハマってる様子をあけすけに tweet したり。

たとえば、和田さん。
Twitterで歌詞を書くと利用料発生! スクエニ社長「歌うなと言っているに等しい」と反対意見
http://getnews.jp/archives/50502
と書いたり、例の非実在青少年を規制する条例について発言したり。



両者とも従来の企業トップの発言スタイルからは大きく外れています。

 ・自分の影響力の大きさを武器にしている。
 ・アンオフィシャルである事を最大限に活用している。
 ・スピードが大事である事を理解している。
 ・「多数支持される」事が何であるか判断出来ている。
 ・IT 系企業にも関わらず自社以外のサービスを活用している。

その上、おそらく本人がやっている(こんなリスキーな事を他人が出来るとは思えない)訳で。

僕等が「マクドナルド食ったなう」には意味が無いけれど、彼等が「マクドナルド食ったなう」と書く事には大きなバリューがあります。彼等はその違いを判っている。



芸能人がブログで行ってきた戦術を、経営者が Twitter を使う事で企業戦術に生かせる時代。このまま行けば、スティーブ・ジョブスみたいなタレント経営者「しか」生き残れない時代が来ます。このままのムーブメントが続けば、ですが。

問題は、誰も彼もがそうした才能が有る訳じゃないという事。

 ・スピードの遅い経営者は発言の機会が与えられない。
 ・センスの無い経営者は発言すれば叩かれる。
 ・普通の経営者は、平凡な発言で存在感を失っていく。
 ・ゴーストライターを使う経営者は破綻するリスクに怯える。

多分、ボンヤリした経営者は Twitter を見て今は何も感じてない気がします。
逆に就業中の Twitter 禁止なんて眠たい事をやってるかもしれません。



ここまでは想像↑
これから先は妄想↓

タレント性が価値を持つ社会。それが経営者だけではなく、全ての社会人レイヤーに降ってくる。パーソナリティが価値を持つ為、世の中にさらけ出す必要性が出てくる。全ての人が衆人環視に晒される。

Twitter で面白い発言をしない人間は徐々にポジションを失っていく。mixi やブログは書かずに済んだのに否応なく巻き込まれる悪夢。
社内政治しか出来ないセクハラ課長も文句ばかり言ってる若手社員も、等しく試され、コミュニケーション力に優れた人間だけがどんどん力を付けていく。

みんなが強制的に繋がる世界というのは、世界がデカイ飲み会の会場になってワーッとみんなが対話している感じになるわけで。
そんな中で、黙って一人で飲んでる姿は、それ自体がデメリットになってしまう。

ネット上の会話を上手くこなせない人の為に、心療内科とスキルアップスクールが大流行。英才教育では幼稚園の頃から何をつぶやくかを叩き込まれる……



妄想はさておき、みんなが匿名でゆるーい発言をして楽しんでいられるのは今のウチだけかもしれない、そう思った次第です。