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私もあなたの作品の一つです。
/ タモリ



イスラエル:ガザ地区「停戦宣言」 ガザ、つかの間笑顔
http://mainichi.jp/select/world/news/20090119dde001030008000c.html

ようやく停戦。



「戦争を止めさせるようなゲーム」ってのはあり得ないのかなーと考えてみたけれど、思いつかなかった。
ただ「平和を面白く商品化する」っていうのは何か方法がある気がする。

たとえば↓みたいな。



「花を贈ろうと思うんです」

サングラスをかけた司会者が突然そう言った。
誰もが知ってる国民的なお昼の番組。
普段の陽気な音楽もガヤガヤ言うゲストも居ない舞台。

「5月4日に、花を贈ろうと思うんです」

シン……としたスタジオで司会者は言う。

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来月の5月4日は『みどりの日』です。3日の憲法記念日と5日の子供の日に挟まれている4日は元々『国民の休日』として制定されたものです。休日と休日の間を埋めて3連休にする。いいですよね。ゆとりある生活。

さて私達日本人は、あの辛い戦争から立ち直り、幸いにも経済発展を遂げる事が出来ました。不況や環境の問題に悩まされながらも、戦争も無く3連休を謳歌出来るのは素晴らしい事だと私は思います。日本人は『幸せ』になる事が出来た、と言っても良いのではないでしょうか。

しかるに、昨今の世界では目を覆いたくなるような戦争が繰り広げられています。今も子供達の血を流され続けています。私は政治には詳しくありません。ですが、私は悲しい。こうやって私が連休を楽しもうと言うときに、世界のどこかで人が人の命を奪う行為が行われている事を悲しく思います。

私は自分に何か出来ないだろうか?と考えました。政治に詳しくない私は、どこの国の誰が正しいかなんて事は判りません。ただ、戦争を止めて欲しい、そう強く願う気持ちに嘘は無いのです。

私はこの悲しみを伝えるのに、両方の国に花を贈りたいと思っています。私が悲しんでいる事を伝える、まずその事から始めたいと思うのです。その花を見た人達が戦争を止める、そんなに簡単にいくとは思っていません。でも何もしないよりは何かのきっかけになるかもしれないじゃないですか。

戦争で苦しんだ私達だからこそ、他の国の人を悲しむ事が出来ると思うのです。
平和な休日の、一日だけ。その日だけでも世界の争いが無くなるように祈りたい。
「私たちは悲しい」という事を伝えるんです。

他の国の人はバカだと思うかもしれない。でもいいじゃないですか。
バカでもいい。この星のどこかに居る他人の不幸を悲しむバカな国が一つくらいあってもいいと思うのです。

もしテレビをご覧になっている皆さんの中に賛同して頂ける方が居るのであれば、来月の5月4日に私と一緒に花を贈りませんか?

ご応募の程、お待ちしております。
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放送直後から、番組への応募が殺到した。
その政治性の薄さもあるが、司会者の人気に頼る手法が功を奏した形になった。
電話・郵便・インターネットから何万という応募があり、それがことごとく生花の購入代金に充てられる。
山のような生花が準備されていった。

批判も多く出た。「そんな花は戦争を止める効果が無い」というのが主な意見だった。
だが、コンビニに応募受付が設置され、送った証の小さなストラップの人気が出て、人気アイドルグループが「花を贈ろう」と歌う頃には「花を贈る」という言葉は大きな利権となり転がり始めていた。ニュースは徐々に批判意見を伝えなくなっていく。


ある日、司会者がゲストから聞かれる。

「それで戦争が終わってしまったらどうするんですか?集めた花が無駄になっちゃいませんか?」

司会者はニヤリと笑う。

「そうしたら、集まった花を見ながらみんなで酒でも飲めばいいんじゃないですか?戦争が無かった事を喜ぶ日ってのも悪くない気がしますよ」


「花を贈ろう」は社会現象になりつつあった。
鎮火しそうになるたびに何か話題になるような出来事が起きる。
ワイドショーは連日「花を贈ろう」について報道を繰り返した。


会議室。

「さて、みなさん」

進行係らしき男が声を出す。
巨大なテーブルには大手広告代理店と各種メディア、そして「花を贈ろう」に関係する業界の関係者が集っていた。

「ここまでは予定通りです。『花を贈ろう』は予定通り大きな成功を収めました。関連商品と番組は我々に順調な利益をもたらし続けています。私たちは新たなバレンタインデイを生み出すことに成功したと言えるでしょう」

この不況の中、大きな利益を生み出したこのプロジェクトに一同は満足していた。
男は続ける。

「弊社としましては、これを一過性のブームにするのではなく、強固な基盤を持ったイベントに成長させていきたいと考えております」

業界関係者達は大きくうなずく。

「それでは次のステップに進めさせて頂きたいと思います。お手元の資料を……」


異変が起きたのは「みどりの日」に近づいた4月も半ばのある日の事だった。

テレビには巨大な炎が巻き上がる風景が映されていた。
燃えているのは、大量の花だった。
(つづく)



もう日記でも何でもない。
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