おもしろき こともなき世を
おもしろく すみなしものは
心なりけり
/ 高杉晋作
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会社の新人さんに「ゲーム性」の話をしていてキれそうになりました。
いや、正確にはキレました。理由:あまりにもつまらなく聞こえるから。
「街にA・B・Cの人がいます」
「どれかに話しかけると街を脱出出来ます」
「正解の人以外はゲームオーバーです」
「以上です」
え?え?え?それで説明終わり?
つまり、総当たりで解決するしかないって事?確かにそれはゲームと呼べるかもしれないけれど、チミはそれでイイのか?他の人には面白いって思ってもらえるのか?そこに何かの駆け引きや爽快感があるのか?いったいナニに面白いと思えばいいんだ?世の中には「俺が思うゲーム性とは★△■○なんだよ!」って人達が狂ったように溢れかえっているのに、どうしてそんなに無防備な体勢なんだ?正気か?死ぬ気か?とか思ったわけで。
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じゃあ、ゲーム性とは何か?と
多くの人が「ゲーム性=ルールやシステムがもたらす、駆け引きや成長感」と思ってる事くらい想像出来る。
「道が分かれています。右に行くと海があって、左に行くと山があります」
というのはルール(仕組み)ではあるけれど、そこにゲーム性はあまり無いように見える。
「右にはモンスターが居るけど近道。左にはモンスターは居ないが遠回り。どっちから行く?」
まあ、このくらいの選択と駆け引きあたりからようやくゲーム性と言われるような。
個人的にはもっと幅が広くて「能動的な面白さ」があればゲーム性と言っちゃっていいようにも思うなあ。
「ボタンを押したら画面が光ります」
って行為に駆け引きもルールもあまりないけれど、その発光が毎回面白い形になって楽しいんだったらそれはそれでゲーム性と言えるようにも思う。
まあ、多くの人に同意してもらえないだろうけれど。
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冒頭の新人さんの企画には「ルール」は存在するのに、それが面白そうに感じられない。
たぶん、新人さんの企画をいろいろ手を尽くしてちゃんと作ったら実際には面白く作れると思う。
ところが、そういう事を求められているんじゃないんですよ。
もっと「判りやすくて、操作と選択が明確で、リスクとリターンがハッキリしていて、ジレンマが楽しい」
そんな構成を書類に求められてるんだって!そういう時代なんだって!
そのへんの「空気感をいかにくみ取るか?」というのはプランナーに必要とされるスキルだと思うんですが、そういう事が強烈に苦手な自分が何故新人指導なんかやってるんだろう……あれ?
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ところで、ゲーム性。
作ってるゲームを日本と海外でヒアリングしたときに結構ハッキリと指向が分かれたんですよ。
Aという攻撃とBという攻撃があるんですが、
日本 「もっと駆け引きが欲しい。AとBの使い分けや意味が欲しい!」
海外 「もっとハデで強くて多彩な攻撃を!AもBも強く!」
こんな感じ。
海外のリアリティ指向ってのもあると思うんですが、日本は特に「三すくみ」「柔よく剛を制す」「判官贔屓」的なバランスを好みますよね。
格ゲーでも、日本だと「小柄で細くて速い」「大柄で遅くてパワー型」って感じですが、あれも海外だと「デカイ方が強いに決まってるじゃねえか変だろ」っていう感想らしいですし。
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一方、実態としてのゲーム性を見てみると、ゲーム性で評価されるゲームはスクラップ&ビルドを行う開発形態から生み出されがちな気がする。任天堂とか。
なんか企画段階でアタマの中で考えるだけでは面白いゲームって生み出せないんじゃないのかなあ。
ん~でも任天堂とか企画段階で面白いのかもしれないな。よくわからん。
なんにせよ、あんまりゲーム性は詳しくないからその筋の専門家にお任せします。
だからといって、他のナニかに詳しいわけでもないな。うん。
なんだよこのオチ。