『フルマラソン完走物語 4』
「なあ、絶対にいい経験になるからさ」
「ごめんね…」
とまあ。こんな調子で、
何十人に声をかけてみた。
すると、
のべ三十人の仲間たちが、
次々と断ってきたのだ。
今でこそ、
ウルトラマラソンで、
100キロを走る人や。
サハラ砂漠で350キロを、
走破する人もいる。
しかし、
あの当時は、
42.195キロといったら。
アスリートがオリンピックの競技に出場するようなイメージであった。
しかし、たとえ一人になったとしても、出ると決めたんだから。
「必ず完走してやる!」
と情熱の真っ赤な炎が、メラメラと燃えてくるのであった。
つづく。